一方のペッパーは
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其の国に住まう若き鍛冶師にして現在シャンフロに置いて唯一無二、鍛冶師最上位職の『名匠』及び神代技術を扱う鍛冶師たる証の『古匠』。
そしてバハムート内で解禁される銃製作のライセンスたる『ガンスミスライセンス』を獲得した、最高峰の鍛冶師の領域に足を踏み入れつつ有る『ビィラック』の鍛冶場に、一人のプレイヤー…………ペッパー・
「ビィラックさーん………。昨日シグモニア
インベントリアを操作して噴き出す程の素材と弩弓剣のギミックを描いた設計図を取り出したペッパーに、ビィラックは二重の意味で唖然となっていた。
何せペッパーが取り出した素材の数は、当初の彼女が予想した『倍以上』の数であり、彼の身体から溢れるヴォーパル魂は『活火山の噴火の如く燃え上がっている』状態だったのだから。
「ワリャ………。ヴォーパル魂がまた『とんでもない』状態になっちょるし、此の設計図も随分な
「そうですか…………?」
「ん。エクシスやゼッタ辺りが見たら、ワリャん事を『崇拝』でもするんじゃ無かろうか。多分じゃが『死んで戻る様な真似を一切せずに連戦』でもやったんじゃろ?」
「えぇ、まぁ…………」
「………………武器と防具を見せてみぃ」
インベントリ及びインベントリアを操作して、取り出された数多の武器と防具を見せれば、どれもが損壊こそしていない物の、普段の彼で有るならば耐久が半分は切らない所が半分を切っていたり、中には耐久が1/3を切った物が有ったりと、端から見れば激戦だったと解る程度には凄まじい状態だった。
「思った以上に削れちょるな………。其れでもズタボロにしちょらん辺り、ワリャも相変わらず『ようやっとるけぇ』………」
「常にどうやってクリティカルを叩き込み続けるかだったり、武器の攻撃属性で敵の身体の何処を狙えば良いのかとか、スキルの性質や出力を生かすには何をするべきかを意識したり、色々と意識したりしましたね…………」
「……………
「よろしく御願いします、ビィラックさん」
「あぁ其れとな、ペッパーよ。ワリャが注文した『黄金世代の聖剣を用いた片手剣』、今朝方に漸く完成したけぇ」
そう言った彼女が自分のインベントリより取り出したのは、嘗て作られた黄金のマグマを掬う為のバケツと、豪華絢爛な黄金の装飾に彩られた『剣の柄と鍔』と言うべき、見るからに『最上級のユニークウェポン』とも断ずる事すら出来るレベルのデザインの『片手剣』。
其れも水晶の地にて喰らい尽くした老生個体の死骸の上に降臨し、屈強なる数多の民を従えた黄金の煌帝の『聖剣』を、
だが剣の柄と鍔は在りながら、肝心要の武器が武器として足り得るべき部位たる物…………即ち剣で在るならば『刃』に相当する部分だけが存在しないという、一見すれば武器じゃないのでは?と思われてしまうだろう。
しかし黄金の輝きと水晶の透明感も兼ね備えた其の剣は、『己の真なる姿と力はこんな物では断じて無い!』と叫び、示すかのようにギラリと光り。
柄頭に生えた一本の長く太い『針』は、突き立てたならば人間の掌程度なら容易く貫通出来てしまう、そんな鋭利極まる其の針はまるで『何かを待ち侘びる様に』、語らずとも物語る様に在ったのだ。
「
「………………ありがとうございます!」
「あぁ、其れともう一つ。エフュールの奴が作った『天啓』の
「解りました!」
深々と頭を下げて礼を述べ、インベントリアへ皇金剣を収納。エフュールの店に赴いて品を受け取ったペッパーはアイトゥイルに、地下都市ホルヴァルキンに続くゲートを開いて貰い、速攻でミダス28世に謁見して黄金のマグマ採取の許可を得て。
其の脚で地下神殿に赴き、空中を疾走して速攻で掬い上げて回収した事でイムロンと
所変わって、ラビッツに在るヴォーパルコロッセオ。致命兎達の鍛錬の場にして、ユニークシナリオ【兎の国の招待】を受注したプレイヤーが戦う此の場所は、サンラクやペッパーには手にした武器やアクセサリーの性能を試す、絶好の鍛錬場所でも在る。
「さてと、早速試すか…………皇金剣の実力って奴を」
フレーバーテキストや能力を見れば、柄頭に在る『針』に鉱石や宝石を
水晶巣崖で水晶群蠍を倒す傍ら、採掘した時に出て来た宝石や鉱石が納められたインベントリアを見て、直感的に選んで手に取ったのは『コーティング剤の覇王』とも呼ばれる『アロンカレス瑠璃硬晶』。
魔力濃度の高い水晶体を右手に、皇金剣を左手に握って装備しつつ、針の先端をアロンカレス瑠璃硬晶の中心目掛けて突き立てる。すると其の水晶体は此方が意図せずして、まるで紙パック入りの果物ジュースが吸い尽くされ、ペシャンコになるかの様に『萎み始め』、最後には針に『取り込まれて』。
同時に皇金剣にも変化が起きるや、まるで食事を与えられた事で腹が満たされた事により、其の食事に対する礼として『己の力の片鱗を見せてやろう』と言わんばかりに、剣の刃が無かった場所から『艷やかな水晶の曲剣が産まれたのだ』。
「………成程。鉱石を食うと皇金剣自体の耐久値を減らされ、其の鉱石や宝石の特性を持つ刃が展開される、と。此の減少量だと『六回』、いや………多く見積って『七回』が刃の生成限界だな。八回やったら武器が壊れる」
装備した武器の耐久値を確認した所、皇金剣の耐久値が一定量減っており、其の量を目算して、大方の目安をペッパーは導き出す。
取り込ませたアロンカレス瑠璃硬晶の特性は、『魔法に対する強靭な耐性』──────要するに魔法による攻撃自体にタイミングを合わせたなら、真正面から仏陀斬りも可能という事。仮に水晶巣崖の中で最硬度を誇る『アムルシディアン・クォーツ』でも食わせよう物なら、下手な剣すら圧し折れる硬度の剣刃が産まれる筈だ。
では此の状態で他の鉱石や宝石は食えるのかと、インベントリアから『ラピステリア星晶体(五等星)』を針に刺さんとするが、其の針先は刺さらず受け付けない様子だ。
「……………皇金剣の生み出される刃は、『一回に付き一つの鉱石しか取り込めない』って事か。そりゃ何百も取り込んで合成した剣になったら、其れは其れで駄目だわな………」
つまり逆を言えば『複数の鉱石を合成して一つに纏めた物なら取り込める可能性』が有り、嘗てラピスが見せてくれた『宝石統合加工』で鉱石やら宝石を配合する『キメラ超合金』でも作れるのでは?と思い至る。
「まぁ、其れは追々検証するとして…………だ。色々試すとしますかね」
そう言ってペッパーはアイトゥイル達を連れて、開かれたゲートを抜けて地下都市ホルヴァルキンへと向かい。グレイブヤード積竜火山の近辺で皇金剣の性能を試しまくった後、
鉱人族やイムロンに火酒夏から色々な質問攻めで、ペッパーは揉みくちゃにされる結果となったのは言うまでも無いが、彼は何処か充実した顔をしていて。
そしてキョージュに
黄金に輝きし皇の剣