新章開幕
竜と人は巡り合い、勇者は仲間を集めて言葉を放つ
此れはペッパー達、クラン:
〜 side 秋津茜 〜
「わぁ、ドラゴンだ……!!」
『む……俺の寝所に入り込むとは、虫けらめが。一息に踏み殺しても良いが、己の不遜を肉の一欠片にまで刻みつけて……いや待て、虫。貴様隠してはいるが、顔に何を刻んでいる?』
「え?コレですか?コレは『ジークヴルムさん』と戦った時に付けられたんです!」
『ジークヴルムだと!?ふんッ、敵対した虫けらなんぞを後生大事に育てるとは、やはり奴なぞ大した存在ではあるまいて!!』
「普通にブレスで消し飛ばされたんですけどね!あ、そうだ!えーと……もしかして貴方のお名前は『ノワルリンドさん』ではないですか?」
『…………虫けらとて我が偉大なる名を知るか。……良いだろう、不可避の死を迎える前に俺を讃えることを許す』
「讃える……?褒める……?えーと、侵略イベント?ヘイト?他のプレイヤーさん、………あ、開拓者の人達も皆さん『アイツ滅茶苦茶ヤベェ!』って、そう言ってましたよ!」
『ふくくくく…………。まぁ当然だ。何せ此の俺こそが『真なる王』であるが故…………な』
「ノワルリンドさん、王様だったんですね!」
『──────む?ウム……まァ、そうだな。我が力に従属せし虫共の頂点に立つ俺は、王と言えば王であるな』
「ドラゴンの王様、いわゆる『竜王』って奴ですね!」
『………………貴様。虫けらにしては、相応に『分』を弁えているではないか。あの『忌々しい黄金』に声援なぞ送る奴隷共と違って、奴に牙を剥いているのも『気に入った』。…………所詮は潰すまでの余興に過ぎぬがな』
……………………
…………………
………………
「そう言えばノワルリンドさん。ノワルリンドさんはどうして、ジークヴルムさんをそんなに『敵視』しているんですか?」
『決まっているだろう。俺こそが真なる王であるにも関わらず、奴は『我こそが頂点とでも言いたげな顔をしている』からだ。王は『常に一人』、そして其れは此の俺以外にあり得ないのだからな!』
「そうなんですか?私は王様が何人いてもいいと思います! 大事なのは『何を目指すか』だと思います!」
『何を目指すか……だと?虫けら風情が王を語るか』
「んー……私の持論?と言うより主義?えーと……兎に角そう言うものなんですけど─────」
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秋津茜、説明中…………
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『……ふん、虫けら風情がよくほざく』
「えへへ……でも、それを言ったら私の知ってる人達も凄いんですよ?皆、私の憧れで……私の目標なんです!」
『………ふん』
「だから、私はノワルリンドさんを『応援』します!」
『……なんだと?』
「だって─────」
〜 side レーザーカジキ 〜
「あ!良い引き!大物かな?──────えいっ!」
ザバァーン!!
『ぐ、うぅ………ぅ…………』
「わ、だ、大丈夫ですか!?」
『ぬ…………泳げぬ小さな虫、ッ…………!ぐぅ…………動ければ、直ぐにでも…………』
「待ってて下さい!回復ポーションです!」
『…………虫、何故、妾を助け………る。回復すれば、今直ぐに其の身体、我が牙にて食い潰してやる…………』
「暴れないで!兎に角先ずは、回復してからにしましょう!もっとポーションを掛けなきゃ…………!」
『話を聞かんか…………!何故、助ける………!』
「『僕が助けたいと思ったから、貴女を助けたいんです!』其れ以外に『理由』は要りますか!?」
『……………………!』
「釣り上げたお魚さん達、食べて下さい!其の間にポーション買ってきます!!」
……………………
…………………
………………
『…………………だいぶ良くはなった。礼は言わぬ』
「良かったぁ………。海には毒を持つお魚さんも居るので、毒消しや麻痺治しに解熱薬も一緒に掛けていますから、後はちゃんと休んで傷を癒やしましょう!」
『泳げぬ虫よ………、自ら『食われる為』に助けたのか』
「へ?いえ、えっと…………『助けたいと思っただけ』、ですよ?……………駄目、でしたか?」
『…………其れは単なる『偽善』だ。強き者に施し等『不要』ぞ』
「でも『善は善』です。其れに僕は『弱い事は罪』だとは思いません」
『……………強き者は『泣き言』は吐かぬ』
「いざって時に、頼る事を怖れない人や動物を。…………僕は『弱い』とは、考えてません。傷を負っても、どんなにボロボロになっても。一生懸命に生きる姿を……………僕は『カッコいい』って思います」
『……………強き者は『常に独り』だ』
「そうですね。でも、独りで生きられる生物は『そうは居ません』。……………貴女は『凄く強い』んですね」
『……………フッ。泳げぬ虫よ、貴様は随分と『変わり者』の様だ。まぁ良い…………一口で食ってやろうと思ったが、貴様には命を救われた。海を統べる覇者たらんとする妾とて『不粋な真似』はせぬ。まぁ、暫しは…………な』
「あ、御名前を聞いても良いですか?僕、レーザーカジキって言います!」
『妾の名か?フフフ………妾は『エルドランザ』。此の蒼き海を統べる、覇者に成らんとする者ぞ』
……………………
…………………
………………
「エルドランザさんって、漸深層付近まで潜った事が有るんですか!」
『無論。様々な海の強者と覇を交え、妾は此れを打ち破ってきた。強さはまぁ『まちまち』では有ったが、な』
「どんなモンスターが居たんでしょうか!?あ、海の中層から漸深層の辺りに美味しい魚さんは居ましたか!?僕、お魚さんや海中のモンスターにとても興味が有りまして!海で見たモンスターだったら、エルドランザさんに教えられますよ!」
『ほぅ…………?貴様、海について相応に詳しい様だな?』
「いえいえ、そんな…………。お魚さんや海の生物が好きなので、こうして釣りとかしたら何か見つからないのかな?って考えてましたから。本当は『ルルイアス』みたいな場所に行ける手段が、他に有れば良いんですけど…………」
『──────いや待て貴様、今何と言った?ルルイアスだと………………?』
「へ?えぇ、クターニッドさんにも出逢いましたよ?後は深海三強ってモンスターにも…………」
『…………………ふむ、詳しく話を聞かせい』
「はい、解りました!」
『……………貴様、少しは疑う事をせんか』
「お魚さんや海の生物は別です!」
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レーザーカジキ、説明中…………
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「……………という感じです!」
『成程の。褒めてやろう』
「ありがとうございます!」
『……………にしても、貴様は見ず知らずの妾に何故こうも接する。妾が万全なまでに傷が癒えれば、自分が食われんと思わなかったか?』
「えっ?でもエルドランザさん、お魚さんを食べてる時が『凄く嬉しそう』だったので、俄然やる気が出てしまって!!」
『……………とんだ変わり者じゃ、貴様は。まぁ良い、此れからも妾に此の海の事を教えよ』
「はい!微力ながらも手伝いします!」
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梓は秋津茜とレーザーカジキ以外でシャンフロにログイン出来る
其の帰宅途中、『サンラクからのEメール』によって衝撃に襲われながらも、何とか思考を切り替えて帰還から手洗いうがいからの梓流ピリ辛回鍋肉定食を作って完食、筋トレで身体を鍛えてシャワーで汗を流し、今日も今日とてシャンフロへとログイン。アイトゥイル・ノワ・ヒトミと合流からメールを調べ、クラン連盟側の状況を確認後に今一度
反転した性別を一度リセットする為にエイドルトの
クラン:ライブラリの
クラン:
クラン:午後十時軍の
クラン:SF-Zooの
クラン:
クラン:ウェポニアの
シャンフロの銃火器武装集団たるS·F·G·F·A、其の代表として出席した、ウェポニアのサブリーダー・アヴァランチ。
そしてクラン:旅狼のサブリーダーで、ペッパーとは恋人関係疑惑が真実味を帯びている、
「やぁ、ペッパー君。君からのメールバードは見たが、あの内容は本当なのかい?」
「えぇ、本当です。今朝方に秋津茜とレーザーカジキから相談を受けましたから」
「コレに関しては事実なんだよねぇ。私や他のメンバーも此れが公になったら、絶対面倒な事になるってね…………」
カローシスUQの問いにペッパーが答え、ペンシルゴンが同意する。経緯含めてメールバードで丁寧に伝えたので、おおよその流れは理解しているメンバーは、さて自分達はどうするかと考えている様子で。
そんな中でペッパーは単刀直入に、自らの意思と覚悟を以って、確かな意見を述べたのだ。
「俺は『ノワルリンドとエルドランザを生存させた状態で、天覇のジークヴルムさんを打倒したい』です。しかし其れをするという事は、必然的に『ノワルリンド討伐派との全面衝突』を意味します」
ペッパーの発言に、皆の視線が集まる。彼の言う通りならば、自分達は新大陸先着組との激突は避けられず、更にはシナリオ上で撃破対象となっている二体のモンスターを、シナリオ終了時点まで守らねばならないという事。
だからこそ。敵に塩を送る事に成ろうとも、新大陸先着組の戦力増強を促す事に繋がれども。最悪の場合は天覇のジークヴルムとの戦闘が、即時開幕し得るリスクを背負う事に成ろうとも──────彼は其の『
「此の新大陸の何処かに在る、
──────と。
やるべきタスクを見定めて