VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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話し合いを続けよう




会談は回る、情報は巡る

ペッパーが招集依頼を出し、蛇の林檎・新大陸支店に集った粒揃いかつ癖の有る面々に対して、連盟クランの旅狼(ヴォルフガング)のサブリーダーのアーサー・ペンシルゴンが其々のクランに話を──────もとい『買収作業』を始めた。

 

「じゃあ先ずは午後十時軍から。単刀直入に言うけど『旅狼はラピスちゃんと協力関係を結んだ』からさ」

「シャンフロ初のプレイヤーの宝石匠(ジュエラー)と?確かペッパー君とサンラク君が付けてる『撃鉄(トリガー)シリーズ』に関係有りとの話も、クラン会議で挙がっていたか…………」

 

ペンシルゴンの発言にカローシスUQの視線が向けられる。二つの狼によるクラン対決で其の力を遺憾無く発揮し、持ち主に勝利を齎せし琥珀を埋め込んだアクセサリー、其れを生産可能なプレイヤーと渡りを付けられる事は、クランとしても大きなアドバンテージになる。

 

事実として午後十時軍内にもラピスが製作したアクセサリーに助けられたプレイヤー達も多く、そんな彼女が作り出す様々な恩恵を持ち主に与える撃鉄シリーズともなれば、戦力増強と戦闘パフォーマンスに多大な影響を与えるのは目に見えて明らかだった。

 

「我々としても注目せざるを得ない、協力しよう」

「其れは重畳。じゃあ次はSF-Zoo、こんなのは如何か?」

「此れは…………ケット・シー!」

 

そう言ってスッ………と一枚のスクショをペンシルゴンが取り出し、其れを見たAnimaliaが目を見開く。其れは何時の間に撮ったのか、『ドヤ顔&胸を張ってポーズを決めるアラミースの姿』が写っている。

 

()()あーくん曰くケット・シーも国を作ってて、其の国の国王陛下から『別荘を賜った』んだってさ。もし入国や滞在したいなら、あーくんと交渉したりする必要が有るけど…………どうかな?」

『グルルルルルルル…………!』

「…………………………」

 

何をどうしたら其の国のトップから別荘を賜われるのかと、色々ツッコミたくなる様な情報が出て来たり、リュカオーンの小さな分け身のノワとサイガ-100の鋭利な視線がペンシルゴンに突き刺さったりと、既に『カオスな雰囲気』が立ち込めて。

 

「交渉や条件次第になるけど、うちは対価を惜しまないと約束するわ」

「OK、其れでヨロシク」

 

至極簡潔に話が纏まり、ペンシルゴンは次にサイガ-100の方を見て言う。

 

「黒剣にはこんな情報が有ってね…………と、言ってもまだ噂の段階でしか無いから、確証は出来ないんだけど。新大陸に住んでる獣人族(ビーストマン)──────其処の一派閥のトップが『リュカオーン討伐に躍起になっている』んだって。しかも『あーくんを名指しして捜してる上に、御触書まで使う程度には御熱』なんだとか」

「何だと?」

「え、マジで?」

 

初耳とも言える情報に、サイガ-100とペッパーの両者が反応する。

 

サイガ-100からすれば此の情報は、リュカオーンのユニークシナリオに関係大有りなイベントが起きる可能性が有るので、リュカオーンの影を打倒からペッパーを連れて獣人族の住む場所行こうという、確固たる『決断』を齎し。

 

ペッパーは自分が他種族に指名手配された事に、何かヤバい事をしたのか?と考えるも、既に心当たりがあまりにも多過ぎたので、其の情報を思考の隅に置いたのだった。

 

「…………良いだろう、そちらの作戦に乗る」

「決まりだね。次は聖女ちゃん親衛隊なんだけど…………『ペパ子ちゃんに関する事』で良いかな?後で個人的に話したい」

「構わないよー」

 

ペパ子ちゃんというワードから物凄く碌でも無い事をやろうとするペンシルゴンに、ペッパー本人は非常に遠い目をし。

 

彼女はSOHO-ZONEの方を見て別のスクショを…………ペッパーが持つ『朽ち照らすアスカロン時代のスクショ』を見せ、其の視線からペンシルゴンが『アスカロンを求めている』と察知した彼は、ビィラックにより武器として振るえる状態となった『アスカロン・リペア』を取り出し、持ち手を握る。

 

「ウェポニアには『英傑武器(グレイトフル)に関する情報』を色々と教える…………と言ったらどうする?」

「協力する!」

「はい、交渉成立♪」

 

即断即決した辺り、未知の武器を解き明かす事に心血を注ぐクランは伊達では無い。後々AnimaliaとSOHO-ZONEに何処まで情報を開示するべきか思考しつつ、ペッパーはアスカロンを今一度収納して。

 

ペンシルゴンは最後に、ライブラリの協力をより確固たる物とするべく、自身の持ち札を開示したのである。

 

「ライブラリにはこんな情報を。……………『ユニークモンスター・墓守(はかもり)のウェザエモンに関する情報にまだ続きが有る』んだよね」

「ライブラリは全面協力を約束しよう。例え太古より遺された物が、僅か一部や一文字一欠片だとしても、読み解くのが古く良き考古学さ」

 

墓守のウェザエモン──────後に旅狼創設メンバーとなる五人のプレイヤー達の討伐で、未知とされた七つの最強種としてプレイヤー達に名が知れ渡り、其処から『シャングリラ・フロンティア』というゲームが大きく動く事になった存在。

 

其の討伐報酬の一つ『遠き祈りの花飾り』に触れて述べれば、キョージュからの答えは至極あっさりとしていたが、ペンシルゴンからすれば『一番の答え』であった。此の後ペッパーはAnimalia及びSOHO-ZONEと、ペンシルゴンはジョゼットと別室にて其々交渉を行う事になり。

 

ペッパーはAnimaliaには『キャッツェリア国内でもラビッツ同様にケット・シー達に迷惑行為(無許可のスクショやモフり等含め)を行わない事』を確約させた上で、新大陸の空中写真を用いて新大陸に在るキャッツェリアの位置を教え。

 

SOHO-ZONEには『英傑武器は大体が『朽ち果てた〇〇状態』で見つかり、其れを修繕する為には旧大陸に在る栄古斉衰(えいこせいすい)死火口湖(しかこうこ)の深層エリアに居る『✕◯君』…………もとい『右方始源の赤』に翳して死亡と引き換えに、『朽ち灯る〇〇状態』となり初めて修繕可能状態に入る。

 

其の後は修繕を行い続けると二者択一の修繕派生が発生、其の状態が〇〇・リペアで、元々の持ち主が敗れた存在を打倒する事で至る再生成(リバース)と、元々の持ち主と決別して今の持ち主の物とする再構築(リビルド)が在る』と伝え。

 

そうして会議は日を跨いで、漸く御開となったのであった…………。

 

 

 






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