探して歩いて
契約しているエルマ=
道中で海から出て来るモンスターを倒したり、昼過ぎになったので昼食休憩をサイガ-0と交代で取ったりしながら、前へ前へと進み続ける。
「鳴らねぇなぁ、ビーコン…………」
「ベヒーモス、は…………オープニング等の情報から、ペッパーさんが、推理して見付け出して、ましたね………」
「アイツもアイツでヤバいからなぁ…………」
サンラクやサイガ-0から見ても、クランを束ねる頭目たるペッパーの思考深度は『頭がオカシイ』プレイヤーの認識を持っている。敵の挙動を学び、頭の中で戦略を構築し、敵に通じる一手を持って戦局を動かし、敵を打ち倒すという端から見ても『ラスボス』の其れだろう。
「………………レイさん、さっきから後ろに『視線』を感じません?」
「です、ね…………。付け、られてる………と言いますか」
「サンラクサン、サンラクサン。後ろに『いっぱい』開拓者サンが居ますわ」
「エムルねぇの言う通りだぜ………『たくさん』の気配を感じるなぁ…………」
「
「
時偶海や樹海から襲来するモンスターに対処しつつも、歩みを止めない一同が振り返えるが、視線の先には誰も居らず。されど其々のパートナーのヴォーパルバニーの聴覚や、
ただ追跡してくるだけで此方に何か仕出かさないならば良いが、万が一向こうが『やらかした』ならばペッパーとペンシルゴンにチクって、目に物を見せてやる事も吝かでは無い。と──────サンラクのインベントリアから『音』が鳴り始める。其の音の発生源はヴァイスアッシュが直し、嘗てベヒーモスを
「レイさん」
「……………!はいっ」
歩幅を刻む足が早まる、其の足跡は徐々に増えていき、速度は早歩きからダッシュへと変わって。速度が上がり、目的地に近付く程に音は大きく、そして高らかに鳴り続け。軈て何の変哲も無い海岸の一区画で、鳴り響く音は
「此処か…………」
「みたい、ですね………」
ペッパーからは『リヴァイアサン起動場所を見付けたら呼び起こして良い』との連絡を受けているので、サンラクはイベントを起こすべくインベントリアからビーコンを取り出し、彼はカッコ付けを含みながらも己の言葉を紡ぐ。
「此方の大陸に先に来た連中が、
眼前には何処までも続く蒼い海、頭上に在る青空にビーコンを掲げた彼は、高らかに其の名を叫ぶ。
「さっさと起きて、出て来やがれ!!バハムート二番艦……………
引き金は引かれ、カチンという音が辺りにハッキリと響き渡り。同時に展開され、銃口より放たれた虹が青空へと昇った──────其の刹那。大地が、海が、世界が大きく揺れ、水平線の彼方に在る海が爆ぜて、巨大な水柱が上がる。
同時に世界に…………新大陸に響いたのは、水の海の底にて幾星霜の時を待ち侘び、其の果てに響く喜びの
クォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン……………!!!!
打ち上げられた大量の水は、シャンフロシステムによる物理エンジンの最たる例の『重力』に従い、大瀑布の如く海面へと落ちて。其の巨大なる鋼鉄の鯨は海面に浮上という所で止まり、目を凝らしてよく見れば、其のフォルムの先端に人間大と比べるのも馬鹿馬鹿しい『巨大な一角』を備えている。
巨大な鯨、或いはイッカクと呼称するべき其の姿、シャンフロの世界では『調律の神』を冠せし其れは、遠目で見ても『あまりにも巨大』だと言う事が解る程に巨大であり。
そして彼女は言う──────人よ、人よ、
『おはよう! おはようございます!私は『
自らをそう名乗り、女性は己を……………リヴァイアサンを再稼働させた者の元へと向かい、サンラク達一行はベヒーモスの時と同じ、神代の転送技術によってリヴァイアサンへと呼び寄せられ。
一連のやり取りを見ていた
『こんにちは!こんにちは!改めて自己紹介しますね!私は『
招かれたと思ったら、猛烈に感謝された。其れが今現在、サンラクとサイガ-0が共に心の内にて思った事である。要するに深海で過ごしていたらビーコンを受信して、海面に急速浮上しましたとそう言いたいのだろう。
そして彼女…………『眼鏡と白衣の下に縦セタ、黒地のミニスカートにストッキング』という、まさに絵に描いた様な『出来る女』な見た目をする半透明なホログラムの女性………
『あ、其れでですね!此の度は次世代原始人類の『文明レベル7』での浮上ですので、意図的に開示情報を制限した『
「取り敢えず落ち着け、此方の話を聞け」
『え?あ、ごめんなさい!私ったらつい………』
久し振りにまともな会話が出来る事が余程嬉しいのか、此方の状況に関わらず話を続けんとした勇魚をサンラクが止め、彼女が落ち着いたの見計らい問いを投げ掛ける。
「そんじゃ質問するが、此処はリヴァイアサンの中って認識で良いんか?」
『YES!此処はレガシーモード:迷宮改装型リヴァイアサン
ベヒーモスの時は一つの区画を『階層』として分けており、リヴァイアサンの場合は『殻層』という形で区分けしているらしい。尤もあちらは『十階層』でエリア自体は相応の広さは在ったが、此処は殻層である為にサンラクとサイガ-0の二人は、此の時点で『長期戦になる』と予感させていた。
「んじゃ次の質問。こっから『出る』にはどうしたら良い?」
『御答えしましょう!此処から出入りする場合、先ずは此のリヴァイアサンにて『アンバージャックパスをレベル1に上げる事』が条件になります。其の為には第一殻層たる迎門を突破する事ですね』
ベヒーモスの通行手形がブーケ・パズルであるなら、リヴァイアサンはアンバージャックパスとの認識らしい。
「…………先ずは第一殻層攻略だ。兎に角クリアしなきゃ出られねぇ以上、とっとと踏破するに限る」
「そう、ですね…………後から来る、人も居ると思い、ますし…………」
目標は決まった。勇魚にセーブポイントを聞き出した二人は、リスポーン地点を更新して前を向く。此処からは一気に第一殻層を駆け抜ける為に──────。
目指せ、第一殻層攻略