VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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リヴァイアサンを攻略しよう




ゴーレム・ザ・パラダイス・アンド・レイン

バハムート二番艦・リヴァイアサン、三番艦のベヒーモスが階層によって最奥を目指す『地層タイプ』の宇宙船ならば、此のバハムートは真珠の様に真実を最奥に隠す、所謂『マトリョーシカ型』の宇宙船だ。

 

電脳統括担当者、或いはリヴァイアサン統括AIの勇魚(イサナ)曰く『バハムート内の重力制御技術は神代の叡智を以てすれば児戯に等しく、神代人類発祥の地を文字通り削って建造されたの』だという。おそらくだがバハムート一つ作り出す為に神代の人類達は、人類生誕の惑星(ほし)たる地球の大陸を文字通り『削って』、此の巨大な方舟を作り出した疑惑が現実味を帯びてきた。

 

そんな彼女の説明を聞きつつも、現在のサンラク一行が居るのは第一殻層・迎門(セントラルゲート)…………推奨攻略レベル30の其処で彼等彼女等を待っていたのは、地平の先まで続く『タイル形状の床と輸送用コンテナが立ち並び』、旧世代から新世代に作業用や戦闘用等々の多種多様な『ゴーレム』が居る、まさにゴーレムパラダイスの様な空間だった。

 

特に新世代型に至っては『ジェル』か何かで輪郭を成しており、人型のスライムみたいな形容をしている。取り敢えずは聞いてみなくては解らない事も有るので、サンラクは勇魚に質問してみる事にする。

 

「おーい、勇魚ー。解説よろしくー」

『御任せです!此処、第一殻層の迎門は嘗ての時代の叡智を次世代新人類に知って貰う為、旧世代に労働力として起用されていた無人作業(ワーカーロイド)を主に配置展示しています!因みに新世代(ゴーレム)に関しましては、征服人形(コンキスタ・ドール)の開発者『アンドリュー・ジッタードール博士』考案の設計図を参考にし、リヴァイアサンが独自解釈を加えて作成しました!』

 

アンドリュー・ジッタードール、バハムートの三番艦・ベヒーモスを率いていた天才の一人であり、同時に重度のドルオタとされた人物。此れはペッパーから聞いた事でしか無いので、実際に会ってみなければ解らない所も有るだろう。

 

「おう、サイナ。あのゴーレムお前の親戚らしいが、どう思うよ?」

「確かに肉体の九割を固体としても、機能する流体で形成するメリットは無視出来ない物があります。しかしながら当機(ワタシ)のインテリジェンスは流動的かつ革新的、即ち知性的に当機(ワタシ)の方が優秀である事は、自明の理と言えるでしょう」

 

パワードスーツを纏ったインテリジェンス擦りは相変わらずとして、此処での問題は『次の殻層へどうやって進むか』だ。ダンジョン系のゲームでオーソドックスな攻略法は道中の敵を突破してボスを打倒する事、ともなれば此の膨大な殻層の中から其れらしき存在を探す必要が出て来る。

 

「レイさん、イクサ、エクシスにウリ坊と、あ〜………タテナシ、取り敢えず威力偵察して状況確認で!」

「はいっ!」

 

何をやるにも、取り敢えずは確認しなくては話にならない。サンラクは両手にイムロン作のハンドメイドガン………の皮を被った二刀流推奨の片手剣・碧羅(ヘキラ)&金漆(ゴンゼツ)を取り、サイガ-0は『和の意匠が込められた業物たる鉄鞭』を握り締める。

 

此方の殺気に気付いたか数機のジェルゴーレムが動くが、ニトロブレイズ・ブーストと双武連接撃(デュアルドライヴ)のスキルエフェクトを乗せたサンラクが、辻斬りめいた挙動であからさまに弱点と言える『コア』を掻っ捌いて討伐し、彼が通った後にはドロップアイテムが落ちていく。

 

「レイさん、コイツ等あんまり強くないぞ!」

「です、ね………鉄鞭で、あっさり倒せてます……からッ!」

 

鞭という武器は打撃武器であると同時に、敵を靭やかに薙ぎ払うという武器だ。そして鞭という武器を極めた者が振るう其れは、先端は瓶の口すら断ち切る事も出来れば、複数のマッチを一振りで全て着火するのも朝飯前。

 

サイガ-0の動きはまだまだ固い所は有るが、シャンフロ最高瞬間火力を叩き出した実力は不慣れな武器と言えども、レベル30台をクリアラインとしている道中の敵を一撃で倒す程度、造作も無い事であった。

 

「レイさん、其の鞭はヴァッシュの兄貴が作った物か?」

「はい…………。『致命の戦鎚(ヴォーパルスレッジ)【改十四】』を、実戦的訓練の後に真化して貰った………『兎風(とかぜ)叢雲(むらくも)】』、という………鉄鞭です」

 

敵を薙ぎ倒しつつ、ドロップアイテムのジェルを回収しながら、サイガ-0は兎風【叢雲】は『クリティカルで別枠のゲージが蓄積され、ゲージが高くなる程に与えるダメージ及び持ち主が武器を振るう速度が上がる』効果を搭載し、そして鉄鞭自体は打撃武器ながら斬撃系のスキルを使えるが、ダメージ判定は打撃属性で計算されるのだと説明した。

 

「何と言うか、ちょっと使いづらくなってません?」

「です、ね………致命武器なのに、クリティカルが出し辛いのはどうか、と思います………」

 

斬り裂き、薙ぎ払い、魔法や突撃で吹き飛ばし。ドロップしたジェルを拾って、一行は前へ前へと進んで行く……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第一殻層・迎門は、一言で言い表すとするならば『迷宮』こそ相応しい。都心部から離れた港街でよく見掛ける『運送用の巨大コンテナ』で壁を作った様な、そんな巨大な迷路じみたフィールドでも有る。

 

先程から斬ったり叩いたり吹き飛ばしたりしているジェルゴーレム…………勇魚曰く『テクノマギジェルス』なる其れは、雑魚敵特有の『仲間を呼ぶコマンド』を標準搭載している事だったり、魔法耐性が相応に有るという存在らしいが……………()()()()()今はどうでも良い。

 

倒したジェルゴーレムのジェルに触れれば、瓶詰めされたアイテムになってインベントリアやインベントリに収納されるのも、其のジェルを塗ると肌艶が良くなる美容効果だったり、塗った箇所に一定時間の間は魔法に対する耐性を強化出来る効果を持ってたりするが、今は特段重要な事でも無い。

 

「ゼリーが超スピードでスコールめいた落下して来たら、紙装甲は死ぬんだよなぁイサナアアアアアアァァァァ!?!全員死にたくなけりゃ、全力で走れェェェエエエエエエエエエエエエエエエエ!!?」

 

ある程度進んだタイミングで発生した強制イベント──────其れは勇魚が突然『勇魚ウェザーリポートっ!本日第一殻層では()()()()による『重力雨(グラビティレイン)』が降るでしょう!御注意くださいっ!!』という台詞と共に、テクノマギジェルスの突然降雨(スコール)が始まった事。

 

バシャバシャバシャビシャビシャビシャと、走った後に残るジェル溜まりは其の激しさを物語り。例えどんなに柔らかい物体である豆腐やゼリーだとしても、バグ技による『亜光速』で射出して顔面に激突すれば、魔王だって一撃で死ぬという別ゲーの知識を呼び起こす。

 

(此のまま逃げててもジリ貧だ!考えろ考えろ………ダンジョンっつたら()()()()!?オーソドックスなヤツなら──────!)

(整備しないと落ちる床………、マトリョーシカ………、円形のコロニーに似たフィールド………。違う、此の円は()()()()()になってる──────!)

 

サンラクとサイガ-0の思考、そして二人はほぼ同時に『答え』に辿り着いた。

 

「サイナァ!()だ!床を壊せッ!」

「イクサさん、()を狙って下さい………思いっ切り叩いて!」

「疑問:何故…………否、理解:打撃武装を要求」

「あいよぉ、バタリングラムだ!!!」

「納得:ではコレだ、化粧箱展開及び形態変更(サモンコール&メイクアップ)回転式砲撃拳(ナックルドライバー)起動!」

 

サンラクによってインベントリアから展開されたウェザエモンの遺産たる逸品、規格外武装:穿拳型【バタリングラム】をサイナの両手に握られ。イクサは自身の持ち物である大型の箱が展開からの、リボルバーのシリンダーを模した巨大なナックルアームに変形、彼女の右腕全体を覆い隠す。

 

「攻撃開始」

「破砕する!」

 

渾身の力で二機の人形達が飛び出し、進路上に存在するタイルを殴り付け。同時にタイルが真っ赤に発光し、其処に一同が脚を踏み込んだ其の瞬間。

 

 

 

 

 

 

「ん!?」

「ぴぇっ!?」

「むっ」

「わっ………!?」

「ふぉあ!?」

「ブルルッ!?」

「ふぐぬ!?」

「ヴォルルルルル!?」

 

 

 

 

 

まるで『スプリングの床を思いっ切り踏み抜いて、空中へと吹っ飛ばされるドッキリ企画に参加したお笑い芸人』の如く。

 

サンラク達はリヴァイアサンの第一殻層に仕掛けられた『ギミック』によって、空中へと『ド派手』にブッ飛ばされたのである。

 

 

 






超未来鳥人間体験

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