リヴァイアサンを攻略しよう
バハムート二番艦・リヴァイアサン、三番艦のベヒーモスが階層によって最奥を目指す『地層タイプ』の宇宙船ならば、此のバハムートは真珠の様に真実を最奥に隠す、所謂『マトリョーシカ型』の宇宙船だ。
電脳統括担当者、或いはリヴァイアサン統括AIの
そんな彼女の説明を聞きつつも、現在のサンラク一行が居るのは第一殻層・
特に新世代型に至っては『ジェル』か何かで輪郭を成しており、人型のスライムみたいな形容をしている。取り敢えずは聞いてみなくては解らない事も有るので、サンラクは勇魚に質問してみる事にする。
「おーい、勇魚ー。解説よろしくー」
『御任せです!此処、第一殻層の迎門は嘗ての時代の叡智を次世代新人類に知って貰う為、旧世代に労働力として起用されていた
アンドリュー・ジッタードール、バハムートの三番艦・ベヒーモスを率いていた天才の一人であり、同時に重度のドルオタとされた人物。此れはペッパーから聞いた事でしか無いので、実際に会ってみなければ解らない所も有るだろう。
「おう、サイナ。あのゴーレムお前の親戚らしいが、どう思うよ?」
「確かに肉体の九割を固体としても、機能する流体で形成するメリットは無視出来ない物があります。しかしながら
パワードスーツを纏ったインテリジェンス擦りは相変わらずとして、此処での問題は『次の殻層へどうやって進むか』だ。ダンジョン系のゲームでオーソドックスな攻略法は道中の敵を突破してボスを打倒する事、ともなれば此の膨大な殻層の中から其れらしき存在を探す必要が出て来る。
「レイさん、イクサ、エクシスにウリ坊と、あ〜………タテナシ、取り敢えず威力偵察して状況確認で!」
「はいっ!」
何をやるにも、取り敢えずは確認しなくては話にならない。サンラクは両手にイムロン作のハンドメイドガン………の皮を被った二刀流推奨の片手剣・
此方の殺気に気付いたか数機のジェルゴーレムが動くが、ニトロブレイズ・ブーストと
「レイさん、コイツ等あんまり強くないぞ!」
「です、ね………鉄鞭で、あっさり倒せてます……からッ!」
鞭という武器は打撃武器であると同時に、敵を靭やかに薙ぎ払うという武器だ。そして鞭という武器を極めた者が振るう其れは、先端は瓶の口すら断ち切る事も出来れば、複数のマッチを一振りで全て着火するのも朝飯前。
サイガ-0の動きはまだまだ固い所は有るが、シャンフロ最高瞬間火力を叩き出した実力は不慣れな武器と言えども、レベル30台をクリアラインとしている道中の敵を一撃で倒す程度、造作も無い事であった。
「レイさん、其の鞭はヴァッシュの兄貴が作った物か?」
「はい…………。『
敵を薙ぎ倒しつつ、ドロップアイテムのジェルを回収しながら、サイガ-0は兎風【叢雲】は『クリティカルで別枠のゲージが蓄積され、ゲージが高くなる程に与えるダメージ及び持ち主が武器を振るう速度が上がる』効果を搭載し、そして鉄鞭自体は打撃武器ながら斬撃系のスキルを使えるが、ダメージ判定は打撃属性で計算されるのだと説明した。
「何と言うか、ちょっと使いづらくなってません?」
「です、ね………致命武器なのに、クリティカルが出し辛いのはどうか、と思います………」
斬り裂き、薙ぎ払い、魔法や突撃で吹き飛ばし。ドロップしたジェルを拾って、一行は前へ前へと進んで行く……………。
第一殻層・迎門は、一言で言い表すとするならば『迷宮』こそ相応しい。都心部から離れた港街でよく見掛ける『運送用の巨大コンテナ』で壁を作った様な、そんな巨大な迷路じみたフィールドでも有る。
先程から斬ったり叩いたり吹き飛ばしたりしているジェルゴーレム…………勇魚曰く『テクノマギジェルス』なる其れは、雑魚敵特有の『仲間を呼ぶコマンド』を標準搭載している事だったり、魔法耐性が相応に有るという存在らしいが……………
倒したジェルゴーレムのジェルに触れれば、瓶詰めされたアイテムになってインベントリアやインベントリに収納されるのも、其のジェルを塗ると肌艶が良くなる美容効果だったり、塗った箇所に一定時間の間は魔法に対する耐性を強化出来る効果を持ってたりするが、今は特段重要な事でも無い。
「ゼリーが超スピードでスコールめいた落下して来たら、紙装甲は死ぬんだよなぁイサナアアアアアアァァァァ!?!全員死にたくなけりゃ、全力で走れェェェエエエエエエエエエエエエエエエエ!!?」
ある程度進んだタイミングで発生した強制イベント──────其れは勇魚が突然『勇魚ウェザーリポートっ!本日第一殻層では
バシャバシャバシャビシャビシャビシャと、走った後に残るジェル溜まりは其の激しさを物語り。例えどんなに柔らかい物体である豆腐やゼリーだとしても、バグ技による『亜光速』で射出して顔面に激突すれば、魔王だって一撃で死ぬという別ゲーの知識を呼び起こす。
(此のまま逃げててもジリ貧だ!考えろ考えろ………ダンジョンっつたら
(整備しないと落ちる床………、マトリョーシカ………、円形のコロニーに似たフィールド………。違う、此の円は
サンラクとサイガ-0の思考、そして二人はほぼ同時に『答え』に辿り着いた。
「サイナァ!
「イクサさん、
「疑問:何故…………否、理解:打撃武装を要求」
「あいよぉ、バタリングラムだ!!!」
「納得:ではコレだ、化粧箱
サンラクによってインベントリアから展開されたウェザエモンの遺産たる逸品、規格外武装:穿拳型【バタリングラム】をサイナの両手に握られ。イクサは自身の持ち物である大型の箱が展開からの、リボルバーのシリンダーを模した巨大なナックルアームに変形、彼女の右腕全体を覆い隠す。
「攻撃開始」
「破砕する!」
渾身の力で二機の人形達が飛び出し、進路上に存在するタイルを殴り付け。同時にタイルが真っ赤に発光し、其処に一同が脚を踏み込んだ其の瞬間。
「ん!?」
「ぴぇっ!?」
「むっ」
「わっ………!?」
「ふぉあ!?」
「ブルルッ!?」
「ふぐぬ!?」
「ヴォルルルルル!?」
まるで『スプリングの床を思いっ切り踏み抜いて、空中へと吹っ飛ばされるドッキリ企画に参加したお笑い芸人』の如く。
サンラク達はリヴァイアサンの第一殻層に仕掛けられた『ギミック』によって、空中へと『ド派手』にブッ飛ばされたのである。
超未来鳥人間体験