VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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吹っ飛んで




ドリンクバーでの作戦会議は、創作の王道にして伝統

「うぉおおおおおおおおお!?」

 

スプリングタイルに吹っ飛ばされて、サンラク達が宙を飛ぶ。吹き飛ばし『其の物の威力』が凄まじかったのか、其れともサイナとイクサが『ブン殴った時の威力を参照して』吹き飛ばしたのか、此の部分を解き明かさなくては先に進めないと断言して良い。

 

「っ、サイナァ!イクサッ!タテナシの着地援護だ、青龍も使う!」

「了解:契約者(マスター)は空中滑走可能な技能(スキル)を持っていますからね」

「そういうこった!」

 

カルマティール・フロート点火。インベントリアをブラインドタッチを併用して空中を滑走しつつ、放り出されたエムル・エクシス・ウォットホッグを回収し、規格外戦術機龍【青龍(セイリュウ)】と規格外エーテルリアクターをフィールドへ。

 

尻尾の先端部を開けてリアクターを装填し、光を灯して稼働した青龍にサイナの操作によってタテナシの着地補助に動き出し、サンラクは其のまま超スピードでサイガ-0に向かって行き、御姫様抱っこ状態で彼女を掬い上げる。

 

「ほひゃあ!?あ、あああ、ああ、ありがとうございましゅ!!?」

「確り掴まっててくれ、レイさん!」

「ひゃい!」

 

水晶巣崖(すいしょうそうがい)水晶群蠍(クリスタル·スコーピオン)に幾度も吹っ飛ばされ、地面に叩き付けられてきた事で受け身のタイミングや姿勢が、サンラク自身もだいぶ馴れたと自覚している。

 

「滑・走・着・陸ッッッッッ!!!」

 

空中と地面のスレスレを滑り、回転を絡めて滑走威力を殺しながらに静止して。其の後に二機の征服人形と青い機械の龍に引っ張られながら、巨大な鎧馬が着陸。先を見越したサイナが青龍をインベントリアに収納し、サンラクはサイガ-0達を降ろして下手人たる勇魚(イサナ)を呼ぶ。

 

「取り敢えず作戦会議だ。おい勇魚、ビンタしないでやるから出て来い。次いでに休める場所は無いのか」

『ホログラムですから物質的干渉は出来ないんですけどねー。というか、私も混ざる形ですか?』

「チュートリアルだ、出せる情報だけ出しな。出来るガイドの基本中の基本だぜ」

『──────そう、ですね。はい、少々御待ちを…………はい、此処から少し先に中継ステーションが在りますので、其処から接敵の心配は有りませんので!』

 

ロールプレイを展開して勇魚から休憩地と道案内を引き出し、一同は彼女の案内で中継ステーションなる場所に辿り着く。其処には現実世界(リアル)の現代式ベットやIHヒーター、ファミレスドリンクバーに自動販売機が置かれている空間だった。

 

「こりゃまたスゲェなオイ………」

「何と言うか、凄いですね………」

『皆様の椅子と机を作りますねー』

 

そう言った勇魚、同時に空間内の床に未来的なラインが走り、床が迫り上がって椅子やテーブルを作り出していく。神代文明恐るべし。

 

『ささ、どうぞどうぞ。あ、因みに此処では自動販売機等で嗜好品及び食糧品の補充が出来ますよ!』

「あ、私達のイスも在るですわ!」

「ウォットホッグの座り場所も在るぜ、エムル(ねぇ)!」

緋鹿毛楯無(ひかげたてなし)の席まで………ありがとうございます」

 

休憩場にて一息付き、取り敢えずドリンクバーや自動販売機に『何が有るのか』を調べてみる。

 

「征服人形用のエネルギー補給飲料……知的飲料(インテリジェンス・ドリンク)ですね、コレにしましょう」

「サンラクサン、サンラクサン!アタシ、人参ケーキが食べたいですわ!」

「アタイも其れにするぜ!」

「菓子に飲料、しかも刺身まで。寿司は………いや、在るんか驚いた。………ん?何だ此の急速精製10000%トロピカルジュースって」

『そちらは保存された果実種子を、十秒で急速成長させた物を原子分解して圧縮し、液状化した飲料で御座います!』

「ふーん。取り敢えずエムル達には人参ケーキ、じゃあ俺はコイツを頼んで………いや重っ!?」

 

果汁は愚か果皮すらも一緒にしたからか、コップ一杯分だというのに重たい上に色が滅茶苦茶濃い。試しに一口含めば、物凄く甘いとハッキリ解る。添加物で味付けやらしていないにしても甘い事から、称号【美食舌】がプレイヤーの味覚に与える影響は思った以上にデカい。

 

「おいひいですわぁ………!」

「ウォットホッグ、美味いか!」

「ブルルッ〜!!」

「おいおい、当初の目的を忘れるなよ。作戦会議始めるぞー」

 

サンラクがそう言って皆の視線を集める中、サイガ-0は最高級風玉露なるドリンクと、超濃縮1000%こしあん水羊羹なる甘味を頼んでいた。(レイ)さんは和食が好きなのかと思いつつも、改めて第一殻層の攻略会議を開催する。

 

「取り敢えず判明したのは、第一殻層には重力という『ギミック』が存在するって事。ソイツは『強くブッ叩く』程に威力が上昇するから、上手く利用すれば『面白い事』が出来る」

 

サイナとイクサによって起きた先程の超跳躍、アレの御陰でかなりの距離を移動出来たし、ジェルのスコールからも逃げられたのは事実だ。即ち威力を調整してギミックを作動させれば、大幅なショートカットも可能になる。

 

「んで此の殻層のギミックは、床にダメージを与える事で『任意で暴走させられる』。此の任意ってのが『キモ』で有り、俺達が通って来た(タイル)は基本的に外的要因(ダメージ)で『逆向きのベクトル』が向く認識で良い。そして其れは敵味方問わず作用する…………違うか勇魚?」

『部分的に『ノー』と回答します。重力制御システムは床『以外』にも設置されているので、過度な衝撃で()()した場合は、斥力的作用を『露出面側』に対して行使します。補足しますと、第一殻層・迎門を構築する重力制御システムは2×2メートル四方で区画分けされています』

 

勇魚の説明を噛み砕いて言い換えれば、4平方メートルで出来た床に衝撃を加えると、其の分の反発作用が働くと言う事だ。

 

『そしてサンラク様の指摘には、部分的に『イエス』と答えます。斥力的作用は重力制御システムへの衝撃に比例し、元々スペースデブリ………コホン。『星のカケラを弾く為の鎧』を転用した技術(もの)ですから。後は一定値以上の斥力的作用は()()でも影響を与えますし、テクノマギジェルスが叩いたとしても発動します』

 

つまり敵をスッ転ばせて床に衝撃が発生しても、同じくギミックが発動すると勇魚は言った。其れを聞いたサンラクはフッと笑い…………そして自動販売機の一つを指差しつつも、インベントリアからビィラックが修復した『ミル・ト・コルン』を取り、彼女にこう言った。

 

「んじゃあ勇魚さんよォ…………。自販機で気軽に並んでる()()は、重力制御システムを暴走させるだけの『火力』は有るか?無いんなら『コイツ』でブチ抜いて起動させるけど」

『──────懐かしい。此処リヴァイアサンで蓄積されたデータをベースに、ベヒーモスで生産されて神代人類が使用していたという機装(デバイス)ですね』

 

サンラクが向けた指先、其処に在った自動販売機にて売られていた物。其れは嘗て、シャンフロをプレイするプレイヤー達が血眼になって探し続け、出土した物をどうにかして直さんとするも、方法が解らず仕舞いで。

 

ならばと自作せんとしたが武器として本末転倒となり、鍛冶師プレイヤー達に絶望と敗北を叩き付け、其れ以来多くのプレイヤー達が待ち望み続け、そして古の鍛冶技術を扱える様に成ったビィラックの手によって直され。

 

其れから僅かの後に、ペッパーが発見したバハムート三番艦のベヒーモス・第六階層にて漸くプレイヤー達が手に入れられる様になった、ハンドガンやライフルにショットガンにスナイパーライフルといった『銃火器』達だったのだ。

 

 

 






自動販売機に銃火器有り


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