VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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銃器について




パズルゲームは幾つかの種類が在る。大抵はギミックを判断してからの解き方と、アイテムという名のブースターでスタートダッシュを決めるか

バハムートには銃火器やロボットが在る…………其れは嘗てベヒーモスを攻略する過程で、ベヒーモスを統括しているAIの母上こと『象牙(ゾウゲ)』はそう語っていた情報だ。正直言えばリヴァイアサンの銃火器獲得は、第二か第三殻層での獲得かと予想していたが、まさか第一殻層の休憩地点で買えるとは予想外でも有り、嬉しい誤算でも有った。

 

「象牙から聞いたが、アレも遺機装(レガシーウェポン)から攻撃機能以外をオミットしたヤツか?」

『…………あ、もしかして他の皆様も持っている感じですか?』

 

どうやら海中で眠っていたからか、リヴァイアサン統括AIの勇魚(イサナ)は世界情勢が進展した事を知らないらしい。

 

「いや、後続の旧大陸側でベヒーモスを攻略して来た連中が、銃火器とロボット持って来てるぞ。新大陸先着組はまだ持ってねぇ。だからお前を目覚めさせたんだ、家のリーダーが不公平を無くしたいって事でな」

『成程………思った以上に状況が進んでいるみたいですね』

 

何処か『含み』を持ちながら、しかし何処か『楽しそうに』勇魚は笑い。しかし直ぐに『愛想笑い』に戻り、サンラクは改めて問い掛ける。

 

「銃火器もフリーサービスか?」

『いいえ。あちらは此処リヴァイアサン艦内で出現するエネミーを撃破する事で蓄積する、仮想通貨の『スコア』を消費する事で購入可能にですよ』

「ベヒーモスがリザルト、リヴァイアサンがスコア………なんですね」

「OK、解った。勇魚、片手で扱えて高火力な『ハンドガン』はねぇか?ミル・ト・コルンと合わせた二丁流がやりてぇんだ」

『でしたら此方等如何かでしょうか?最長射程150mの、バレットはマナマテリアルウェアタイプ、高出力ハンドガン『アグアカーテ』!人類種に対しての誤射が起きないセーフティ付き、今ならなんと250,000スコアです!!』

「いやたけーなオイ」

 

アボカドの名を冠した仮称『野菜シリーズ』の一つたる銃器を、現実世界(リアル)でタブレット端末を用いて買い手に高級車をプロデュースする、売り手(ディーラー)ムーブを行う勇魚を見ながらも、サンラク達は一通りの種類を確認しつつ足らないスコアは休憩室の外に居たテクノマギジェルスを狩り、彼は目的のハンドガンたるアグアカーテを購入。

 

もう一つ気になっていた狙撃銃のプエーロ…………長葱の其れは、スコア的に第一殻層のボス戦以降に御預けになったなと思いながらにサイガ-0を見れば、彼女も同じくアグアカーテを購入しており。理由を聞けば「ミル・ト・コルンがレア物で、アグアカーテを揃えれば…………。サンラク君とは、御揃いになりますから………」との恋人関係に在るからこその理由が出て来たのである。

 

そんなこんな有りつつも、スコアを消費して自動販売機にてアグアカーテを購入すれば、缶ジュースめいた挙動で箱に梱包された状態で取り出し口に落ち、自動で箱が消えて『業務用のプラスチック塊を削って作った』様な、白くのっぺりとしたハンドガンが手に入る。

 

取り敢えずフレーバーテキストをチェックしてみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・B2:市民用(シビリアン)補助機装(サブデバイス)「アグアカーテ」

 

最大装填数:10

装填要求魔力:15(全弾装填:150)

 

リヴァイアサン艦内で独自開発された補助機装(サブデバイス)。メインデバイスに蓄積したマナ粒子を装填する事により、銃として機能する。

あくまでもリヴァイアサン市民の護身用であるため、軍用武装と比較した場合その性能は数段劣るものの、小型眷属程度であれば撃退が可能。

この武装は使用者の魔力を装填することで機能し、無属性ダメージを与える魔力弾丸が発射可能となる。

 

詰まる所、此れが使われる様な状況に陥った時点で、何もかもが終わっている。だがそれでも携行可能な暴力装置は、無辜の人々に安らぎを齎した。例え其れが己の拳に劣る(モノ)だとしても。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フレーバーテキストで拳以下って宣告されてるじゃん、アボカド君ェ…………」

 

ミル・ト・コルンを見てみろよ、コイツなんて拳以上の火力を備えて、オマケに必殺技まで保有してるんだぞ。銃器として恥ずかしく無いんか君は。

 

とはいえ小型眷属………左方始源眷属相手にも多少効果が有る程度には、アボカド君の火力は『保証』されている事。そしてシャンフロの銃火器は謂わば『魔法攻撃』で、テクノマギジェルス相手に魔法攻撃は相性が悪いのは明白。

 

だが其れは()()()()()()、大事なのは此の殻層の重力と床をブチ抜く事が出来る事、即ち勇魚自身が言った『整備不足(ギミック)』を誘発出来るだけの力が有れば良い。

 

「極論、壁と床を()けりゃあ『充分』な訳だ。象牙の授業で聞いてきたから、俺とレイさんは知ってるんだぜ勇魚………『同一素材で武器を作る技術は、神代でも出来た技術』だろ?──────って事は、だ。要するに、あの床やら壁やらは『鉄の塊』じゃなくて『精密機械』だ。違うか?」

『………………うふふふふ、貴方の様な御詳しい方を最初の御客様として招いてしまったのは、私からしたら不幸でしょうか?其れとも幸運? 説明の機会が減ってしまって困っちゃいますね……』

 

コイツめと、サンラクは悪い笑みを浮かべながらも、此れにてリヴァイアサン・第一殻層攻略への道筋(ルート)が完成したと確信。付き兎達や人形にウリ坊と巨大鎧馬を二人は連れて、今再びテクノマギジェルスが闊歩して雨として空から降って(落ちて)来る、此のエリアを攻略する為に…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リヴァイアサンの第一殻層に在る重力床は、大方の検証で『三種類の方法』によるギミック発動が有る事が判った。

 

一つ目はプレイヤーやNPCによる、攻撃を用いての『手動破壊』。此れは小鎚や剣で殴っても起動した上、アグアカーテにミル・ト・コルンを用いた発砲や、碧羅(ヘキラ)&金漆(ゴンゼツ)のゲージチャージからのゲージ消費の遠距離攻撃でも起動したので、此れを利用しない手は無い。

 

二つ目は『最初から破壊状態』、此れに関しては三つ目の方法である『プレイヤーの関与しない偶発的な破壊』と併せて説明すると、リヴァイアサンの『即死級ステージギミック』たる、テクノマギジェルススコールで現象が発生するタイプだと言う事。

 

勇魚が『天気予報』こそしてはくれるが、対処は此方に一任しているので、ミスったら死亡は不可避。更にはパーティーにNPCも居るので、死亡したら蘇らないシャンフロシステムの都合上、些細なミスが取り返しの付かない結果に至る可能性も含まれている。

 

 

 

──────だがしかし。

 

 

 

リヴァイアサンのギミックに、プレイヤーが『干渉』出来るのならば。反重力の仕掛けは『強力な武器』として、迅速な攻略を成立させる事が可能になる。銃器という物は『遠距離から』・『高火力で』・『敵を撃ち抜く』の三つの結果を齎す、現実世界で生きる人類の数在る強力な武装であり──────

 

「こうやってタイルを利用すりゃあ、ジェルゴーレムを吹き飛ばしの道中突破に連続ジャンプも可能になるってなァ!!レイさん!エムル、サイナ!」

「はいな!」

「把握:狙撃します」

「任せて、下さい………!イクサさん!」

「了解:」

 

進路上の壁に向かって、アグアカーテとミル・ト・コルンを発砲し、勢い良く飛び出したタイルに吹き飛び壁と挟まれたテクノマギジェルス達が、其の身体を崩壊させていく。其の後ろを飛行するサイナとイクサが、可能な範囲で瓶詰めジェルを回収しながらに進み続ける。

 

サンラク本人のアバターはMPこそ低いが、今現在の彼は(アナザー)水晶蠍人形(クリスタル.スコーピオンドール)によるMPリジェネ効果と藍色の聖杯による幸運とMPの入れ替えにより、一定時間は魔力が尽きない『擬似二丁流ガンナー』としての役割が遂行可能状態だ。

 

実際『物凄く楽しい』のが、此の時点でサンラクが抱いている感想なのだから。

 

「次飛ぶぞ、全員準備!」

「はいっ!」

 

再び発砲して床に乗った瞬間、吹っ飛ばされて宙を舞いながら、一同は先へと進んで行く……………。

 

 






ギミックを利用せよ

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