VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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第一殻層攻略を




蟻の巣の中でトランポリンすると事故るのは当たり前

リヴァイアサン・第一殻層『迎門(ゲイモン)』。テクノマギジェルスというゼリーを人型に固めたゴーレムや、旧世代のゴーレム達が闊歩し、コンテナの迷宮と化した此のフィールドは重力装置によって天から落ちて来るという、下手を打てば即死の可能性が常に寄り付く。

 

そして道中を阻む敵が旧世代ゴーレムと新世代ゴーレムのテクノマギジェルス()()という、ある種の違和感を抱いたサンラクとサイガ-0はスコアを揃え、別の休憩地点で狙撃銃と大砲を購入、此のリヴァイアサンの壁や地面を集中して破壊したのだ。

 

斯くして二人の予想は『当たり』、其れは一同の足をより先へと進める為の、大きな力へとなった。

 

「フハハハハハハハハ!良いね良いねぇ、最高のオモチャじゃねーか!」

 

リヴァイアサンは巨大な鋼鐵の鯨で在るのと同時に、巨大な宇宙船だ。そして宇宙船──────もとい乗り物というのは、空気漏れ一つで『人命』を危機に陥れる程に『繊細』で巨大過ぎる此の船を直すには、人の力だけでは圧倒的に『足らない』。故にこそ彼と彼女は迷宮を『破損』させた、そして()()は狙い通り一同の視界に現れ出たのだ。

 

「エネルギー、が有る限り………ですけど。凄い、馬力では有ります………!」

「肯定:此のゴーレムすらも利用するとはな…………」

 

名前を修復派遣ゴーレム『アンツ』……………一定以上のリヴァイアサン内の破損が確認される事で出動する、蟻の身体構造に大型二輪バイクの特徴を融合させた様な其れは、身体に『操縦席』を持ち、プレイヤーの手である程度にこそなるがコントロールを可能にしている。

 

リヴァイアサンのコントロールを行うAIの勇魚(イサナ)曰く『元々船外での修復活動に当てられていたゴーレムであり、此の惑星に着いてからは重力圏に対応したカスタムを施された』と語っている事から、要するに『破損地点へ向かう為に空間内を三次元挙動で疾走出来る様に造られたゴーレム』なのだと予測。

 

サンラクは新たに購入した御野菜シリーズ銃火器、長葱の名前を冠した『狙撃銃プエーロ』で遠くの壁をブチ抜き、サイガ-0は御野菜シリーズでカボチャを意味する『大砲カラバサ』を用いて壁を叩き、二人と二羽に一匹が乗ったアンツは前へ前へと進んで行く。

 

「サンラク、くん、そろそろアンツのエネルギーが切れます…………!あ、あと、私は緋鹿毛楯無(ひかげたてなし)に乗って、進みます…………!」

「了解だ、レイさん!後こっから一キロ位先に『ボスエリア』が見えた!」

『第一殻層統括試練対象(ボスエネミー)に挑戦する前に最終休憩所は如何ですか?』

「一応寄っとこうか!エムルは確り掴まってろ!サイナは重力雨に注意!!」

「はいな!」

「了解」

 

エネルギー切れになったアンツを空中で乗り捨て、カルマティール・フロートと無重律の恩寵(スペースチャージ)を点火しつつ、修復に出て来た次なるアンツに接近して一気に突き進むのだった……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終休息所に辿り着いたサンラク達は一度水分補給等を兼ねてログアウトし、各々で済ませた後にログインして統括試練対象たる存在へと挑む。

 

勇魚による説明で対象の名前は、『改修型拠点製造式ゴーレム・デベロッパー』と呼ぶらしい女王蟻と蜂の巣が合体した異常なる其れは、名前の由来たる『土地開発業者』に相応しい能力を持っている。

 

先ず此のゴーレムはアンツを統率する母機であると同時に、アンツ達を格納・放出のみに留まらず、巨大な腹部の左右に備え付けられた『ジェルタンク』から固形化したジェルを、パズルゲームの如く真っ直ぐ(ストレート)に吹っ飛ばしてくるのだ。

 

そしてぶつかったジェルは、テクノマギジェルスへ複数体分裂から援軍として敵陣営に加わるので、攻略法は『テクノマギジェルスをデベロッパーに触れさせずに回収し、ジェル其の物の総量を削る必要が有る』──────と、二人は()()はそう思っていた。

 

「せっかく殻層の『ギミック』が有るんだ、利用しない手はねぇよなぁ!?」

 

デベロッパーが放ったジェルは、ブロックという形で固形化して『残っている』。此のボスエリアにも、リヴァイアサンの重力装置が『生きている』。

 

即ち其の重力装置をタイミング良く『暴走』させれば、ジェルブロックをピンボールの如く『射出』してデベロッパーにダメージが与えられるという攻略法──────即ち『三次元的立体パズルゲーム』だと言う事に、サンラクは気付いたのだ。

 

「エムル!右上の床を魔法で叩け!サイナとイクサにエクシスは、レイさんの攻撃に繋げる為に援護!ヘイトは俺が請け負う!」

「はいな!【加算詠唱(アッド・スペル)】からの【加算出力(アッドブースト)マジックエッジ】!」

 

サンラクの指先に在るタイル目掛けて、エムルの魔導書より魔法の刃が飛ぶ。重力装置によって飛び出した壁がサイコロジェルを吹っ飛ばし、デベロッパーに決定的な隙を作る。

 

『ヴォルルルルル!!』

「邪魔はさせません」

「通させて貰う!」

「ウォットホッグ!アタイ達も負けらんねぇ!」

 

サイガ-0の握る大剣をヤバいと感じてか、アンツが割り込まんと移動し。其れを緋鹿毛楯無が巨体による突進と踏み鳴らしで蹴散らし、サイナとイクサが殴り飛ばして、エクシス&ウォットホッグが捌き、彼女が進む道を切り開く。

 

「カタストロフィー………!」

 

最大火力(アタックホルダー)の持つ純白の一撃がデベロッパーの顔面に直撃し、衝撃が巨体を後ろへと押し返す。

 

「レイさん!奴の弱点は『顔面』だ!此方で援護するんで、遠慮せずブッ飛ばしちゃって!」

「は、はいっ!」

 

攻略法を導ければ、其処からのゲーマー達の行動は迅速だ。サンラクとエムルが注意を引き、サイナ・イクサ・エクシス&ウォットホッグがギミックを用いて雑魚を蹴散らし、緋鹿毛楯無がサイガ-0を背に乗せ運び、デベロッパーの顔面を狙える場所に送り届ける。

 

「アポカリプス!」

 

反転し漆黒を纏う一撃が、クリティカルで炸裂。其の圧倒的な大火力と破壊力は、カタストロフィーの一撃を何とか耐えていたデベロッパーの耐久値を削り切るのには十分な物で。

 

断末魔とも言うべき軋みを上げながらデベロッパーは倒壊し、此処にサンラク達の勝利という結果が示されたのだ。

 

「おつかれさん、皆。そしてレイさん、大活躍でしたね」

「いえいえ、そんな………皆さんの御陰です!」

 

ハイタッチを交えつつも、サンラクは天を見上げながら再び現れたホログラフィックの女性に言う。

 

「此れでステージクリアだ。さぁ、門を開きな。勇魚」

『一殻層『迎門(ゲイモン)』突破、おめでとうございます!素晴らしい戦いでしたよ!』

「あー…………うん、どうもどうも」

 

パチパチと拍手しつつ、ホログラフィックで出力されたクラッカーを鳴らして御祝いする勇魚を見ていれば、彼女はこう言ってきた。

 

『先ずは此方、第一殻層の統括試練対象(ボスエネミー)撃破報酬として、サンラク様とサイガ-0様に『アンバージャックパス:レベル1』を進呈致します!更に御二人其々の『スコア』を加算しまして…………はい!此方は報酬アイテム『船外活動用有人保護アーマー・レプリカ』になります!』

「ベヒーモスで言う所の、ブーケ・パズル………みたいですね」

「何つーか、宇宙服みてぇだなコレ…………」

『では次の殻層、第二殻層の『教道』へ転送致しますね!』

「ちょっと待った勇魚、其の前に『頼み』が有る。何直ぐに終わる事だぜ………!」

 

そうしてサンラクは勇魚に頼みを聞いて貰い。そして一同は第一殻層のギミックよって、真上に物理的に吹っ飛ばされて第二殻層へ。

 

一昔前のディスプレイパソコンの壁紙と同じ、一面に草原が広がる場所たる『教道』へと降り立ったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして同じ頃、サンラクの御願いによって閉じられていたリヴァイアサンの入場口は遂に開かれ。海岸にて待ち侘び、待ち望み続けた開拓者(プレイヤー)達は歓喜に沸き、我先にとリヴァイアサンへと突入したのであった………。

 

 






開かれし次なるエリア


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