VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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取り敢えず作戦会議




賭け事は一瞬の快楽と一生の後悔が付き纏うモノ

「取り敢えずフィロジオは駄目だ。アレはカードプールを揃えたり、環境を知り尽くさないと勝ち上がれねぇ」

「結論:汎用カードが一点特化には勝つという事です」

「アタシには何言ってるかさっぱりですわ………」

 

現在第三殻層に到達したプレイヤー達は、此の巨大アミューズメントエリアの一角に備えられた『レストラン』で、第二殻層で狩猟した肉を調理して貰った料理を食べながら、攻略の為の作戦会議を開いていた。

 

因みに大多数が『スペリオルオマージュ・フロストボディのステーキ』にしているが、サンラクは『握り寿司』を、ペッパーが『すき焼き』を注文した事で、後から『しゃぶしゃぶ』等のレパートリーに富んだ注文が横行する事となる。

 

「一応試しにフィロジオのユア・エクスペリエンスのパックを幾つか開けたけど、深海三強のカードがレジェンダリーだったり、キリューシャン・スフュール"恕志貫徹(ファースリィオ)"がエクスティンクションだったり、何かパックの中にリュカオーンの影ってカードが必ず一枚入ってたり、コレクション要素が有るってのはハッキリしたよ」

「あーくんって此の手のコンプは、ゲームでも躍起になってたからねぇ…………。因みにルストちゃんとモルド君コンビは、戦術機ダービーで荒振ってる」

「まぁ今は殻層攻略が必須だろう。問題は一億ものスコアを『如何にして稼ぐか』だが………」

 

一攫千金を夢見るラスベガスでもそうだが、こう言ったギャンブル系列は『必勝法』無しに勝ち続ける事は、運が味方をし続けない限り『不可能』に等しい。

 

「サバイバアル、SOHO-ZONE、何かオススメのアトラクションとか有ったか?」

「俺は『ルーレット』をやったが、ありゃダメだ。俺達が玉になって目に入る前に轢き潰されて死ぬ」

「此方は『スロット』やってみたけど、旨味が良いとは言えないね。目押ししないといけない都合上、狙った目を出すなら上手くやらないといけない」

 

サンラクの問いにサバイバアルとSOHO-ZONEが答える。どうやら思った以上にグダグダと長期戦不可避の気配がするのは、此の場に居た全員が思わざるを得ない程度に空気が淀んでいる様であった。

 

「…………何か試さなきゃ解らないし、一回ルーレットに挑戦してみるよ」

 

すき焼きで栄養補給し終えたペッパーが、プレイヤーをボールにして巨大ルーレットにブチ込むという、ある種の恐怖体験を可能にするスリリングなアトラクション…………『スピリングルーレット』に挑む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スピリングルーレット………第三殻層『戯盤(ギバン)』の中でも戦術機を用いての競馬場(サーキット)を行う場所に匹敵する広さを誇る『超巨大ルーレット』であり、プレイヤーがボールとして超速回転をするルーレット盤の『穴』に入る事で『賭け』を行うという、カジノでも良く見掛けるポピュラーな種目の一つだ。

 

此の巨大殺人ルーレット、重要なのは『止まった瞬間に結果が決まる』という、現実世界(リアル)のカジノルーレットと何ら変わらないルールが敷かれており。物は試しとリヴァイアサンを統括するAIの勇魚(イサナ)へと、確認の為に聞いてみたが『其の通りですよ~』と彼女は答える。

 

勇魚の発言、ルーレットのルール、ペッパー・天津気(アマツキ)というプレイヤーのスタイル。其れ等全てが『噛み合った』事で、壮絶に停滞しそうな事態は一気呵成の勢いで動く事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっえーなぁ……………」

 

超高速回転で回るルーレット盤を()()()()()、ペッパーが唯一人言葉を零す。彼の両脚に装備された深厳戟響脚(アンピィ・トゥルリテ)の足裏に、機能の一つである【収着せよ(Sorptionting-up)】でマナ粒子を集め、足場を作り出し、空中で踏み止まって回転が弱まるのを待つ。

 

「皆の狙いは『黒の38番』…………()()か!」

 

巨大な回転が少しずつ速度が弱まり、何処に御目当ての目が見える。此処で再加速という罠をも警戒し、少しずつ高度を下げつつも接近。プレイヤー()()()()で一点賭けした『黒の38番』へ、彼の身体がスッポリと収まり止まる。

 

『黒の38番でーす!』

 

全員が単一にスコア全額し、ペッパーによって大当たりとなった事で溢れ出る様なスコアが蓄積されて、第三殻層突破に必要な一億スコアを──────『第四殻層へと通じるゴールデンパス』へと変貌していく。

 

「いやはや素晴らしいね。流石は最大高度(スカイホルダー)所持者、見事な滞空戦術だったよ」

「自分としては其の籠脚(ガンドレッグ)が気になるのですよ、ペッパー君!是非、是非とも!其の籠脚について話を聞きたいッッッッッッ!」

「やるねぇ、()()あーくん♪」

『グルルルルルルルル……………!』

「…………おい、ペンシルゴン」

 

スロープを使って戻って来たペッパーに、プレイヤー達が駆け寄って。独占欲を少し流したペンシルゴンに、ノワとサイガ-100の鋭利な視線が向けられる。そんな二人と一匹に遠い目をしたペッパーに変わり、サンラクがゴールデンパスを勇魚へ見せ付ける様にして言った。

 

「よぉ、勇魚。規定の一億スコア獲得だ、第四殻層に案内しな」

『認めざるを得ませんね………。規定となる一億スコア蓄積による突破により、皆様のアンバージャックパスをレベル3に上げて第四殻層へと転送致します。其れからリヴァイアサン内の各殻層への『ファストトラベル』も解禁しますね』

 

何処か喜びを、何処か焦りを。そんな感情を抱いた勇魚が全員のアンダージャックパスのレベルを引き上げた。此れで何時でも第一や第二、そして此処第三殻層にも再訪する事が出来る様になった。

 

『次は第四殻層、其の名は『機舎(キシャ)』──────!此のリヴァイアサンで産み出された『武力』が宿る場所、即ち『神代の武力』が眠る地なのですから!』

 

第一、第二、第三と続き、いよいよ終盤の第四殻層。果たして彼等を、彼女等を待ち受ける物は如何なる存在(もの)か。

 

 






裏技小技も駆使するべし


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