来たりし殻層
「にょほーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
「びゃわーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
第四殻層『
ベヒーモスと同じショッピングモールの様相を持ちながら其の広さは第三殻層より狭く、巨大興行施設の階層を丸々一つ分取った様なエリアであり、戦術機やパワードスーツに銃火器等々が御出迎えする空間だった。
そして案の定というか予定調和というか、此のエリアを見たルストとSOHO-ZONEが歓喜の悲鳴を上げながらブッ壊れた。
「銃だ!ガンだ!銃火器だ!ベヒーモスとはまた異なる、リヴァイアサンの銃達ッッッッッッッッ!!!素晴らしいッ、素晴らしいぞッッッ!!私の想像を掻き立て、意欲を呼び起こす銃達ッッッッッッ!!!!しかも他にも武器や防具も在る!嗚呼全種類購入して、ベヒーモスの物と性能を検証しなくては!!!!」
「量産型故の規則正しく並ぶ姿!!ワンオフ機では決して作ることのできない秩序であり、そして同時に美である!!其の全てが今か今かと、脚光を浴びる日を待つ主役達ッッッ!!嗚呼早く買わねば、そして使ってあげねば!」
片や武器狂い、片やネフホロ狂い。此方が止めるよりも前に飛び出してしまって、もう既に遠くへと行ってしまった。家のルストがすいませんとばかりにモルドが一礼して追い掛けて行き、残されたメンバーは勇魚を呼んで此の殻層でやるべき事を聞き出すべく動く。
「勇魚さん、此の殻層の突破条件って何ですか?」
『うふふ…………教えません♪』
第一から第三までの殻層ではヒントを出していた勇魚だったが、一転して此方にNoを突き付けてきた。
「と、言うと?」
『此の殻層では『皆様自身が』答えを見つけ出すのです!其の為のヒントは此の殻層内に在るのですから!!』
「OK、解った。謎解きだな」
「じゃあ各自行動と、何か解ったら此処に集合しての報告って事で良い?」
「そうだねー、其れで行こうか」
ペンシルゴンとサイガ-100の視線が此方に注がれているので、既に面倒な気配しかして来ない。出来る事なら穏便に済めば良いのだが、多分其れも此の二人が絡んでいる以上は叶わぬ願いだろう。
「……………で、ペンシルゴンとサイガ-100さんや、何故に付いて来てるんで?」
殻層の突破条件を探す為に一度解散から探索を開始したのは良いのだが、ペッパーは自分の後ろに付いて来たペンシルゴン・ゼッタ・サイガ-100に対して声を掛ける。
「やだなぁー、此の辺りが気になっただけダヨー」
「私も同様だ」
「……………本音は?」
「──────君は目を離すと、どっか遠くに行きそうだから」
「置いてけぼりは、私としても傷付くのでな」
片やカタコト言葉で話し、片や湿度を含んだ言葉と視線を向けた二人に、ペッパーが本心を聞き出すと何方も恋人として置き去りにされたくないという、乙女心な答えが返る。
付いて来たペンシルゴンとサイガ-100を見上げたノワは、二人を『恋のライバル』として認識したのか、喉を鳴らしつつ『グルルルルル…………!』と威嚇し、二人もまた夜襲の分け身相手に視線を飛ばして、一歩たりとも引かない姿勢を見せる。
ホホホ〜〜〜〜〜〜〜〜〜……………………
ヒヒャハァーーーーーーーーー……………………
何処か遠くでルストとSOHO-ZONEの声が木霊するが、彼と彼女に絡んだら面倒な雰囲気になるので置いておく事に。と、別区画ではサンラクがエムルにサイナを、サイガ-0とイクサにエクシス&ウォットホッグに
其の話に耳を澄まし、アイトゥイルとゼッタの聴力も借りて聴き取れたのは、『旧大陸に在った背骨と肋骨』と『第五殻層に辿り着け』という断片的な情報だけだった。
「まぁ、気になりはするけど此方は此方で探さなきゃな。……………思ったが『パワードスーツ』やらもベヒーモス同様に購入出来るのかな?」
『出来ますよ?』
「うぉわ、ビックリしたァ!?」
唐突に後ろに現れるのは止めて欲しい、心臓に悪過ぎるから。
『此の殻層では第一第殻層から第三殻層で貯めてきたスコアを使い、買い物が出来ます!御三方にも此方を御渡ししておきますね』
そう言って勇魚が指を鳴らせば、目の前の床が競り上がって『第四殻層の全体図を示す見取図』が贈呈された。そして地図を引っ繰り返して反転させた所、其処には第四殻層で購入可能な商品と残存数が記された、所謂『商品カタログ』が表示されたのである。
「色々有るん……だ…………ん?んんん"ん"ッ?!?!?」
「あーくんどっ「ペッパー君スコアを貸してくれッッッ!!」たわぁ?!」
カタログを見たペッパーは咄嗟と言うか、はたまた反射的と言うか、或いは衝動的に『其れ』を購入し。続いて『ある物』を購入した其の刹那、SOHO-ZONEが大声を挙げて猛ダッシュで此方に走って来るや、いきなり
「どうした武器狂い、一体何があった?」
「スコアを貸してくれッ!!」
「SOHO-ZONEさん落ち着いて。急にどうしたんですか?」
彼の慌て振りからして何を見付けて来たのやらと思っていれば、彼はキラッキラな視線でこう言った。
「素晴らしい物を見付けたんだ!『
「鍵のアクセサリーだと?」
「もしかして其れ、インベントリアの劣化版?」
「劣化版と言えど色々な武器や防具を持ち運べるなら、性能云々は此の際関係無いのだ!」
ユニークモンスター・墓守のウェザエモンの討伐報酬の一つである、鍵の名を冠したアクセサリーに近しい名前が出た事に、ペッパーとペンシルゴンは其々装着しているインベントリアを見る。
スロット一つを永久的に潰す代わりに、プレイヤーが持ち合わせるインベントリの容量限界を取り払え、鍵の種類にも左右されるだろうが、
「因みに必要スコアは?」
「チェストリアが七千万、ドレッセリアが五千万」
「たっか」
「相応な値打ちなのだな、鍵のアクセサリーは………」
示された必要スコアにペンシルゴンとサイガ-100が感想を述べ、ペッパーは自身の所有するスコアを見た後にSOHO-ZONEへと告げる。
「うーん………。実はさっき『大きな買い物』をしてしまって、手持ちのスコアが無いんですよね…………」
「大きな買い物?」
「あ、さっき何か慌てて買ってたよね?あーくん、一体何を買ったのかなぁ〜?」
ジワジワと詰め寄って来る三人に、さてどう説明すれば良いのやらと思いつつ、彼は第四殻層の見取図を裏返してカタログを見せて説明しようとした其の時、ショッピングモールで
『ペッパー・
プライバシーもヘッタクレも皆無な勇魚のアナウンスに、ペッパーは顔に手を当てて天井を仰ぎ見て。そして当然ながら彼が格納鍵インベントリアを購入したと知った、ペンシルゴン・サイガ-100・SOHO-ZONEは彼の肩をガッチリと掴まえる。当然ながら三人の顔は獰猛なニッコリ笑顔であり、ペンシルゴンが口火を切って言った。
「あーくん。取り敢えずサンラク君含めて、私達と『オハナシ』しよっか♪」
「アッハイ」
オハナシ不可避