リヴァイアサン踏破の裏側
※少し短いです
8/11、午前八時。
シャングリラ・フロンティアを運営するユートピアエンターテイメントソフトウェア社、其の地下十階に在る原典閲覧室では現在、物々しい雰囲気が漂っていた。
「…………まさかリヴァイアサンが一日で攻略されるとはな。
「…………………………」
「…………………………」
シャンフロの生みの親である創世の神『
「リヴァイアサンを起こしたのは『サンラク』であり、途中で『ペッパー』達が合流から、全殻層を攻略していった。其れも既に『難易度調整済み』であったにも関わらずな…………」
議題はやはり、新大陸側で再稼働を果たしたバハムートの二番艦・リヴァイアサン。新大陸に先行して渡ったプレイヤー達にとっては、念願とも言うべき銃火器やロボットの獲得チャンスで沸き立ち、サンラクに関する情報がネットやシャンフロの掲示板で盛り上がっている。
「……………本当なら一週間から二週間は、リヴァイアサンの攻略に時間を要して欲しかったけどね」
「リヴァイアサンの第三と第四殻層や、第五殻層の開示情報を含めりゃハマったプレイヤーは、ベヒーモスしかり『永住』すら決め込む輩も居る。足止めとしちゃあ、上々だろうよ」
「……………攻略せずに遊び呆け、足を止めた者に勇魚は『冷たくなるのだけれど』、彼等彼女等は好感度が『最高状態』で攻略し切った。ロールプレイしかり、シャングリラ・フロンティアという『世界』に順応した応対をしているのも事実よ」
シャングリラ・フロンティアという世界を考察し、世界で生きる意味を理解し、そうする事で初めて切り開ける道が在る様に。開拓者として『責務』を果たす者にのみ、世界の根幹や真実に迫る『権利』が与えられるのだから。
「……………とはいえ、新大陸の攻略状況は未だ芳しくは無いのも事実。リヴァイアサンの再稼働で新大陸先行組のプレイヤーのモチベーションは高まったが、樹海地帯の『傷だらけ』を完全に倒せていないのも大きいとの情報も有る」
「アイツは『樹海のボス』だからな、数百人単位の銃火器やロボ軍団で撤退に追い込まれたとはいえ、そう簡単に倒せる様には出来ちゃいねぇよ」
新大陸側の開拓者が越えなければならない『試練』の一つ、ペンヘドラント大樹海地帯を大規模パーティーで攻略すれば、ほぼ確実に接敵する『ドラクルス・ディノサーベラス"
だがあくまでも『撤退』であり、完全な『撃破』に至っていないのも事実であり、生物は煮え湯を飲まされたり屈辱的な扱いを受ければ、逆襲や復讐の為に己が牙を爪を研ぎ澄まし、其の時に備えるのもまた『必然』なのだから。
「………………其れ以上に厄介なのは、ペッパー達が『ヴァイスアッシュから鎧を受け取った事』よ」
そう言った創世に境と律の視線が移る。
ヴァイスアッシュ──────七つの最強種の一角たるユニークモンスターで、其の名に『不滅』を冠するシャングリラ・フロンティアの『ブラックボックス』とも言うべき存在が、其の
「開示された能力は?」
「今は鍛冶関係
そう、今はまだ鍛冶関係の…………其れも鍛冶師プレイヤーやNPCの最上位職業たる名匠や古匠、そして大いなる領域の神匠の御業を一式装備中限定でこそ有るが、行使出来る力は文字通り『絶大』。
装備者の使い方次第で、世界の均衡や開拓者達のトレンドを、容易く引っくり返すだけの力がペッパー達の手中に収まったのだ。
「………ヴァイスアッシュの鎧を手に入れた其の先で、果たして『何を』望むのか………。見せて貰いましょう」
神々は静かに、そして世界の外より見つめている。欲を制御し、正しき事の為に用いるか。はたまた欲に流され、自らの手で過ちを犯すか。
其れはまだ、誰にも解らないのだから…………。
警戒は決して怠らず