出逢い、そして
「嗚呼…………随分と久し振りだ。
数千年前に刹那達が技術と科学の粋を結集した戦鎧を纏い、伝説と呼ばれるに至った神代最強の一個人が、ヘッドギアを通じて電脳世界の虚空より出力された光景は、刺さるプレイヤーには凄まじく突き刺さるだろう。
ある意味で『予想していた展開』では有ったが、ユニークモンスターになる前の状態であるからか、ユニークモンスター遭遇を報せるウィンドウは出現せず、視線の先に居るウェザエモン・
だが、
ペッパーは人知れずサキガケルミゴコロを点火して、
『
………………という、自身の死に直結する未来を目視したのだ。
「は──────!?」
『
回避行動を取った刹那、ペッパーが見ていた電脳世界
直後にヘッドギアを通して見た視界で、電脳再現ウェザエモンが放った技名と共に、サキガケルミゴコロの光景通りに飛び出した飛翔斬撃が、先程まで居た場所を斬り裂き割りながら、彼の横を抜けて往ったのだ。
「オイオイオイオイ!?神代最強だからって、何やったら
俗世間で言う『ラグ』は媒体毎に存在する『反応や反映に対する発生までの差』や、適応に至るまでに存在している『速度の誤差から成る物』を指し、対人ゲームに置けるラグはプレイヤー泣かせと言うべき要素。
クソゲーでは其のラグ一つ発生で乱数に嫌われたり、タイムアタック勢はチャートを狂わされたりと、ゲーマーは絶対に避けては通れない。
ウェザエモン相手に一秒でも隙を晒せば、常に即死という結末が張り付いていた『あの戦い』とは異なり、此のウェザエモンは『強制的にレベル50までレベルダウンさせる』という、理不尽押し付けの【
其れでも『常時即死攻撃』を叩き付けてくるという、圧倒的な力と脅威を持っている以上、理不尽が存在し続けるので油断と予断は許されないといった状況は続くだろう。
あ、ウェザエモンの刀を持っていない手首から、巨大な雲の腕がモクモクと。見間違えて無いならアレは、晴天流の雲系統・第一奥義『
『
「ロケットパンチニュウドウグモだあぁあああああああああい!?!??」
モーション予測が無かったら死んでた、そう断言出来る程度にはヤバい。晴天流の【雲】系統に当たるスキル達は人体の発汗器官を利用し、此の世界に漂うマナ粒子と反応する事で質量を持った攻撃を可能にすると、第五殻層『
其れをよりにもよって『五回に分割して』、更には『ディレイを絡めて飛ばして来た』辺りから、此のウェザエモンを製作したプログラマーやディレクターに文句の一つは言っても怒られないだろうと、そう想いを抱いて。
そして此方の空隙を狙い澄ましたウェザエモンが、縮地じみた挙動を以って接近からの、対峙した時よりも速く・重く・強く刀を握って振るい、其の途中で最速の掴み技たる『
「つよ、い…………けど、負けなぁいッッッッ!!!」
イーディスの縁で大時化を横から
『
「ッ、何を…………は?」
目の前に居た筈のウェザエモンが一気に加速し、まるで
更に其のウェザエモンの空いた片手…………其の形が
「レーアドライヴ・アクセラレートッ!!」
『──────
移動魔法の一つ【
「とんでもねぇな……………ウェザエモン・天津気さん。いや──────『
おそらく此のウェザエモン…………『運営が封印していたウェザエモン』と戦える条件は、プレイヤーが墓守のウェザエモンの一式装備『
そしてバハムートの二番艦・リヴァイアサンの特殊殻層『
「運営からの挑戦状か、此れは………!」
『
「抜刀威力のラグアタック居合ィィィィィィィィィ!?!」
影送で増えたウェザエモンは消えた。だが神代最強の人類は、此方に休む間も与えず。
流れる様に断風より遅く、塵旋風より範囲は狭いが、晴天流の【風】系統では最強の威力を誇る抜刀斬撃を、一瞬の硬直を此方に与えて振り抜き襲い掛かり、レーアドライヴ・アクセラレートの御陰で何とか逃れられた。
「良いぜ、やってやる!今の俺に出来る全力で、そっちの情報吐き出させてやろうじゃない!!」
イーディスを今一度強く握って、墓守のウェザエモンとの戦闘で得た記憶と情報を引っ張り出すペッパーは、電脳再現ウェザエモンとの死闘へ挑む──────!
「…………で?さっきから随分と慌ただしく、飛んだり跳ねたり奇声を上げてた様だけど。一体何を見たのかなぁ、
『グルルルルルルルル…………!!!』
「まぁ、実際に体験してからの方が早いよ」
スキルをフルで使用して、最終的に一分十二秒で倒されたペッパーがヘッドギアを外し、合流して来たペンシルゴンの口火切りにノワが威嚇から、サンラク達が代わる代わる交代でヘッドギアを装着。
そして誰もが例外無く、多少なれども悲鳴やら憤慨を含んだ叫び声を上げたのであった…………。
封じられていた物
作者が公言していた、此のユニバースに置ける『ラグアタック』。原理としては攻撃の際に発生する殺意やら威圧やらを、敵にぶつける事でも身を強張らせる『固定』を起こし、其の隙間を狙って晴天流のスキル達を当てられるようにしている。
因みに風系統の抜刀居合で使ってたけど、他の系統でも使えないとは言っていない。イメージとしては『ONEPIECE』の極一部のキャラが使える『覇王色の覇気』みたいな物。
作者が公言していた、此のユニバースに置ける『ロケットパンチ』。雲や雷に空気と言った、ウェザエモンから放たれた攻撃が一部『切り離されて』、其の場に『固定された現象として残る技』。
雷系統の奥義『
攻撃モーションと運動エネルギーを其の場所に『置き去り』にしての包囲から、ウェザエモンの任意で『固定を解除』する事によって、多方向からの『ノータイム同時攻撃』を行うという、およそ反則側に居るレベルの技。
置き去りにする数も『一つから五つの完全ランダム』で、断風の同時攻撃で身体が斬り刻まれたり、大時化で掴まれて身体を万力で引き千切られたりと、食らう技によっては『トラウマ不可避』となる。
弱点としては入道雲と同じく、ウェザエモンの腕や頭より上が安全地帯で、もっと言えば雷鐘以外は『空中に居れば』躱わせ、より安全な方法は『包囲されてから直ぐに外側へ避難する事』が、ダメージを受けずに回避する為の解答になる。