やるべき事、成すべき事
墓守のウェザエモンの
8/14の午後八時、バイトを終えて夕食を食し、シャワーを浴びてトイレで用を足した梓はシャンフロへとログイン、此の世界での
「よし、色々確かめたりしないとな………」
「ペッパーはん、こんばんわなのさ。」
『ワン!』
「おはようございます、
起き上がった視界の先、休憩室のベッドにはアイトゥイルとノワ、インベントリアの中からはカルネ=ヒトミの声が聞こえてくる。
「ペッパーはん、ペッパーはん。ビィ姉さんがペッパーはんを呼んでたのさ。内容が『再生産した籠手と、三種の蠍達の弩弓剣が出来た』って事なのさ」
「本当ですか?」
再生産した籠手は、ベヒーモスでルストに渡したビームを発射可能にする、所謂改良版:
アイトゥイル・ノワを連れてビィラックの鍛冶場へ赴けば、見るからに『ホクホク顔で御満悦な表情をした』彼女の姿が在り、其の視線の先には『人が片手で扱える限界ギリギリの大きさ』を誇る、
剣の持ち手だろう柄に当たる部分には『重ね合わせた事で生まれ』、同時に『何かを挿入可能なスペース』が存在し、剣身にして
「おぉ、ペッパーよぉう。見てみぃ、此の弩弓剣を………。此処まで色ぉんな武器や防具を作っちゃけんど、此処までの出来栄えになったんは初めてじゃわ………」
「解ります。凄い物が出来たんだなって思えます………」
「此の弩弓剣の
「ありがとうございます」
「其れと此の宝鍠趙弩剣は『色々と凄まじい能力』が搭載されちょる。先ずは──────」
あ、此れは時間が掛る奴だ…………ペッパーとアイトゥイルはビィラックのキラキラと輝く眼から、制作秘話やらを含めて熱く語り出した彼女に遠い目をしながらも耳を傾け。
途中で宝鍠趙弩剣に関する『幾つかの質問』をしたり、獲得したステータスポイントを『MP』へ振り分けたり、武器を使う為に『MPのリジェネ手段』が必要な事と解決策を発見し、午後九時過ぎに漸く解放された。
ペッパーはビィラックから武器を受け取ってインベントリアに収納、入れ替えでヒトミを呼び出してアイトゥイルとノワの
其れはビィラックによって齎された『とあるユニークシナリオ』をクリアする為に、フィフティシア到達ルートの一つとして存在する『
参姿翠冥の地底迷宮……………旧大陸第十二の街・トゥエルレムと第十五の街・フィフティシアの間に存在する『巨大洞窟迷宮』であり、シャンフロのwikiによれば『一日毎に出現モンスター・エリアボス・マップが切り替わる』という特色を持っている。
地上は剣山のように尖った岩が乱立と毒性の苔が表面を覆っており、其の理由が空中を飛んでいる『大量のトキシックイーグル』が、触れれば即死級のスリップダメージを与える毒糞爆弾を地上に落とし続ける為、実質地上ルートを抜ける事はガッチガチに固めた毒耐性装備+毒回復アイテム込みでも『ほぼ不可能』となっているのだ。
また迷宮内の行き止まりには、何時如何なる時も『ルートエンド・ミノタウロスが出現する』という特徴が有り、単体の戦闘能力も高く狡猾な個体も居るらしいが、其々の個体は持っている武器を何らかの方法で回収し、インベントリに入れた状態で討伐すれば『ダンジョン〇〇』という武器が確定で入手出来る上、討伐で経験値も中々に美味しい。
更に迷宮内には土を食して金を排出する『蟻型モンスター』が居り、道中では其の金塊やレアアイテムを拾う事も可能で、
「まぁトキシックイーグル以上の高度で地上部分を越えれば問題無いし、リュカオーンの
悲鳴を上げて逃げ去ったり、元来た道を引き返したりしていくモンスター達を見つつ、ペッパーは今一度ビィラックからのユニークシナリオを思い返す。
ユニークシナリオ【太古を知る小鎚、迷宮の闇を裂く戦斧】。
赤竜ドゥーレッドハウル討伐作戦準備期間中に、ユニーク小鎚三兄弟の一つ『ギルフィードブレイカー』を、
彼女曰く「ペッパー、ワリャは確か『迷宮の牛人が握った戦斧』を持っとったな?ちょい見せぇ」と口にし、今は懐かしいラビッツのユニークシナリオたる実戦的訓練の三体目で戦った、ルートエンド・ミノタウロスの戦利品『ダンジョンアックス』を見せた事がトリガーで。
其処からイベント進行で、彼女はこう語った。
「アーテクレイブレイカー……………其の大本のロックオンブレイカーは『大地の記憶』を欲する、謂わば『生きちょる武器』なんじゃ。そして此の武器は『今も生きる迷宮に在る土の記憶』を求め、迷宮の牛人が持つ『数多の敵を屠った歴戦の戦斧』こそが、己を
──────と。
おそらく此のユニークシナリオの発生条件は『職業:名匠以上の鍛冶師プレイヤーかNPCに、アーテクレイブレイカー&ダンジョンアックスの両方の武器を所持状態で話し掛ける事』。
そしてクリア条件は『参姿翠冥の地底迷宮の何処かに居るという、ルートエンド・ミノタウロスの
「一応前々から使ってるアーテクレイブレイカーとは別に、其の大戦斧に進化する用のアーテクレイブレイカー。他のブレイカー三兄弟も、武器進化シナリオ用を想定して『其々一本ずつ作る事になった』し、採掘は滅茶苦茶疲れたなぁ…………」
乱数に御祈りさせられる羽目にはなったが、ペッパーは何とか其々二本ずつ用意したので、此れで武器進化用と通常進化用の其々の道筋を確かめに行ける。
(毎日ダンジョンの内部が変わる………所謂『不思議のダンジョン』みたいな感じだろうけど、バハムートを呼び起こして『世界の真実』に近付いた今なら解る。此の旧大陸………いや『右方始源獣』は、新大陸のエレボスと戦い斃れた存在の身体であり、活動停止状態に有るだけで『生きている』………!)
天覇のジークヴルムを越えた先に待つ第四段階、深淵のクターニッドを越えた事で手に入れた報酬の一つ『深淵の警鐘』、
(…………取り敢えず歴戦個体のルートエンド・ミノタウロスを探そう。後々を考えるのは大事だが、先ずは目の前のシナリオを終わらせなくちゃ)
ターゲットを探す最中、道中で拾った金塊やらレアアイテムやらをインベントリアに放り込み、ペッパーは単身ルートエンドミノタウロスの歴戦個体を探す為、地下迷宮の更に深くを目指して進み続けるのであった…………。
探せ、ターゲット