ファルナの遺言を伝え
ペッパーが伝えたファルナ・シェリーの………ジーク・リンドヴルムがジークヴルムに伝えたかった言葉。
其れを聞いたジークヴルムは只々沈黙と瞑目し、しかしながら巨体を浮かせ飛ぶ四翼の羽搏きを止める事は無く加速を続け、そして口を開く。
『ペッパー・
「ジークヴルムさん………」
表情は見えず、されど言葉は力強く、ジークヴルムは言い切り。水平線を越えて新大陸の上空を越えて、ペンヘドラント大樹海地帯を、ディルトセオ大砂海を、シグモニア
「あ、あの~………ジークヴルムさん?何処まで行く感じですか???」
『オケアグラノス高原という、新大陸に在る一つのエリアでな。我のちょっとした休息地よ』
新大陸のスクショを開きつつ、高速で過ぎ去る景色を真上から見ていれば、どうやら新大陸の北西部に位置する高原地帯であるらしい。無尽のゴルドゥニーネが言った、自分に関係する一式装備が在る『最果ての
そんな事を思って居れば、羽搏き突風が巻き起こる中でジークヴルムが着地し、其の手が地面に接触してペッパーが降りた所、黄金の龍王は瞳に闘志を宿した事で周辺の空気にユニークモンスター特有の、圧倒的な強者と出会ったという『威圧感』が満ち溢れる。
『……………ペッパー・天津気よ、我を模倣した神代の大いなる遺産を受け継ぎし勇者よ。墓守の御仁より名を魂を受け継ぎ、深淵の盟主と我が友より鎧を託された者よ!今の貴様の力、我に見せてみよ!』
ビリビリと響く威圧と闘気が空間を揺らし、眠気を一瞬で吹き飛ばす。会話+戦闘イベント、其れもおそらくは『負け確定イベント』の
「あ、ジークヴルムさん!先に性別を元に戻させて貰っても良いですか?貴方の期待に応えるには『相応の出で立ち』が必要不可欠と思うので!」
『構わない、待とう!』
「ありがとうございます!」
一礼の後にセーブテントを張ってセーブ、内部にて
女から男の
全種を其の身に纏い、起動の合言葉たる『
頭部は此れ迄は三本だった角が五本へ、レディアント・ソルレイアも脚の爪が二本から三本に『増加』し、全体的に白と金を主体にしたカラーリングも金の割合が八割九部まで染まり、金色に輝くエナジーウイングも六枚から八枚に増え、翼の一つ一つが『一回り大きく』なっていた。
「凄い…………!」
ユニーククエストが進行し、ワールドストーリーが第三段階に移行したからか、此れ迄パワードスーツ其の物に掛けられていた『リミッター』が、クラン対抗戦でサイガ-100との死闘を経た事で解除されたのだろう。
準備完了とばかりにセーブテントから出れば、ジークヴルムは獰猛ながらも其れを待っていたとばかりに四翼を広げ、発生した突風だけでセーブテントが吹き飛ばされて破壊された。
此れでリスポーンすれば確実にラビッツ戻りは確定、しかも兎御殿でペンシルゴンやサンラクに此の姿を見られれば最早『オハナシ』の流れは不可避の事態に陥るが、そんな事はペッパー本人は『知ったこっちゃない』。
「今の自分が
インベントリアから先ず取り出すは
続けて顕現して左手に握るは『一本の片手剣』、剣身はより蒼く深き色を宿して月光を受けてはギラリと光り、水面に反射する光の様に無数の反射と照り返しを受ける様に輝く『其れ』は、深海の王を打倒したという英雄譚の如き『偉業』によって、新たなる領域へと至った『両刃の剣刃』だ。
「アトランティクス・レプノルカの素材を用い、ビィラックさんの手により真化を経て、更なる高みへと至った
二刀流として構え、エネルギーウイングを目一杯に広げ、ペッパーはジークヴルムと相対する。
『…………ククク、準備は万全の様だな?ペッパー・天津気よ』
「えぇ。何せ男性装備ですからね光輝へと昇る金龍王装は。女性の状態から男性に戻らないと、装備自体出来ませんから」
『良い、許そう。言わずとも『我の望む形にした』貴様に、我もまた全力を以て応えようッッッ!!』
やはり光輝へと昇る金龍王装を装備した上で、天覇のジークヴルムとの戦闘イベントだったと確信しつつ、傑剣との憧焉終刃をクルリと回して逆手持ちに変えて、二足歩行へ体勢を変えたジークヴルムを見上げる。
パワードスーツ越しに肌身を裂く様な威圧と闘気が、正しく雷の如く突き刺さりながらも、ペッパーは一歩たりとて引き下がる事は無く。
「──────行きます!」
『来いッ、蒼空を舞う勇者よ!!!』
金龍王装が搭載する機能の一つ『
更に其処からシューティングスターによる、一歩目限定の超加速による『変速』を用いて乗せた、傑剣との憧焉終刃の斬撃をジークヴルムの首筋にクリティカルで叩き付けた事により、龍王の模倣鎧を纏いし人と黄金の覇龍の戦いが幕を開けたのであった。
武を示せ