VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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時は少しずつ迫りくる




明確なる目標は、掲げる者に最大のパワーを齎す

グローバル・ゲーム・コンペティション、略してGGC。

 

世界中のゲーム会社が自国の新作ゲームを発表したり、あらゆるTCGやVRゲームの世界大会を行ったり、エキシビションマッチと称した新作ゲームをプロゲーミングチーム同士で戦ったりと、二日間にも渡るゲーム好きやゲーマー達の祭典とも取れる、年に一度のビッグイベントだ。

 

昨年はアメリカの二年前はフランス、三年前はイギリスと………其々の地で行われて、去年の開催国は日本。そして──────満を持して発表された神ゲー『シャングリラ・フロンティア』は現実世界(リアル)の現象を忠実に再現したシステムとエンジンにより、世界中の話題を掻っ攫った挙句にタイトルを総なめにして存在を知ら占め、再びGGCの開催地としたのである。

 

「もう少しで開催ダネ、私チョー楽しみ!!」

「…………ソダネ」

「ちょっシルヴィ、ケイから離れなさい!ベタベタしないッ!?!」

 

此処は日本の都市部に近い、某所に在るマンションの一室。一つ屋根の下たる此処には、バカンスの名目で日本の地にやって来た&日本最強のプロゲーマーの『K』こと『魚臣(うおみ) (けい)』の隣部屋を賃貸した全米一位の格闘ゲーマー『シルヴィア・ゴールドバーグ』。

 

そして同じプロゲーミングチーム『爆薬分隊(ニトロスクワッド)』に所属して、何処の情報網でキャッチしたのか全一の来日を知り、隣部屋に引っ越してきた『Nu2meg(ナツメグ)』こと『夏目(なつめ) (めぐみ)』に挟まれた状態で、三人分の朝食を作って食器や調理器具を片して遠い目をしていた。

 

全米一位が日本に来日した理由………其の一番の原因はシャンフロにて色々な意味で最も名が売れている『ペッパー』が、サードレマの上空を空中疾走した映像が拡散され、其の一部始終がシルヴィア・ゴールドバーグの目に止まった事が全ての始まりで。

 

其処からはトントン拍子で話が進み、彼女はマネージャーに聞いたのか自分の住んでいるマンションを聞き付け、隣部屋を賃貸してから部屋へと転がり込んでくる様になり、其れに対抗してかチームメイトまでやって来た挙句、こうして自分を取り合う状況に発展しているのだ。

 

「でさ、ケイ。無論、()も出場するんデショ?」

「彼………嗚呼、確かAZって言うんだっけ」

「アイツ、根っこは律儀な奴だから『出場するよ』。というか、絶対に『出場させる』から安心してくれ」

 

ギャラクシア・ヒーローズ:バーストにてプレイ時間数日ながら、全米一位の絶対王者・リアルミィーティアスこと『Silvi』相手に思考という刃を以て一撃を届かせたプレイヤー『AZ』。

 

爆薬分隊の大元………『電脳大隊(サイバーバタリオン)』に在る調査チームによって、此のAZなるプレイヤーはシャンフロの有名プレイヤーのペッパーと『同一人物』と判明しており、慧や恵を含めたチームメイト全員が情報共有で知ったのである。

 

其れも日本最高峰の格ゲーのプロ相手にレトロゲームとはいえ、彼の口から『今も尚若干だが勝ち越しを決められている』………という、俄に信じ難いが本当の事実だと彼自身が言っていた事は始めこそ疑問視した彼等彼女等だったものの、シャンフロで行われたクラン対抗戦の大将戦の生配信やミラー動画により、慧の言葉は本当だったと納得せざるを得なかったのだが。

 

恵も時々では有るが動画を見返し、自分や敵の動かし方や攻撃を誘い込むモーションを参考にした事で、最近負け続けだった状況が好転する程度には学べる所も多く、特に序盤のカウンター戦法は『ギャラクシア・ヒーローズの持ちキャラ』と中々の相性な事も有ってか、其れをベースとした新しい戦闘スタイルを模索中だ。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜♪

〜〜〜〜〜〜〜〜♪

〜〜〜〜〜〜〜〜♪

 

 

そんな中、シルヴィアのスマフォに届いたのは一通のメール。宛先はStar(スター) Rain(レイン)のヘッドからで有り。

 

「…………ケイ、ちょっと『面白い事』になったヨ」

「面白い事………?」

 

ニッコリと笑うシルヴィアに、慧や恵は一体何の事かと思いつつも、何故か物凄く『嫌な予感』がしており。

 

「なんとォ………!」

「なんと?」

「なんとォ………!!」

「………コレって『前フリ』の感じ、かしら………?」

「なんとォ!!!」

「「………………なんと??」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんと!『アメリア・サリヴァン』がGGCで、Star(スター) Rain(レイン)のゲストプレイヤーとして、緊急参戦しマース!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィアが放った其の言葉に、慧と恵は絶対零度の冷気を食らった様に硬直。数十秒掛けて硬直が解除された後、彼女から事情を聞き出した慧は頭を抱え。

 

此の状況を作り出した『元凶』に文句の一つや二つ、言わなければ気が済まないという心持ちの元、己のスマフォでEメールを送り付けたのである…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

件名:取り敢えず責任取ってくんない?

差出人:ブシカッツォ

宛先:A-Z

 

本文:ダイナスカルの猛禽ことアメリア・サリヴァンがグローバル・ゲーム・コンペティションにてスターレイン側にゲストとして参戦する事になったので、色々カオスになってんだけど???

 

シャンフロでの対抗戦のミラー動画やらを観て、空中機動がリアルミーティアスと同格級のポテンシャルを秘めてるお前と戦いたいのでGGCに参戦すると、全一のスマホに所属チームの頭からのメールが届いたんだが???

 

 

 

 

 

件名:Re取り敢えず責任取ってくんない?

差出人:A-Z

宛先:ブシカッツォ

 

本文:どうしてこうなった…………

 

 

 

 

件名:ReRe取り敢えず責任取ってくんない?

差出人:ブシカッツォ

宛先:A-Z

 

本文:そもそも対抗戦やらで大暴れしまくった結果としか言えないんだよねぇ…………

 

 

 

 

 






ゲスト(猛禽の緊急参戦)


カッツォ『君のせいで敵サイドに猛禽まで付いてきました、GGCのエキシビションマッチ難易度爆上がりです、どうしてくれる(怒)』
ペッパー『えぇ………』


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