VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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会いに行こう




最強に挑むは、五人の勇士

「シュコー………シュコー………」

「…………ねぇ、あーくん。私達『不審者』に出会ったんだけど?」

「いや『サンラク』だろ。色々突っ込んだら負けな気はするが………顔見せたくなかったの?」

「どうせ顔合わせんなら、今持ってる最高火力で驚かせようってな。つーかペッパー、其の格好『熱中症』にならなくね?」

「………慧と全く同じ感想をどーも」

 

サンラクこと『陽務 楽郎』が到着したので彼に会いに行こうとし、梓は最強レトロゲーマー『A-Z』の衣装に着替えて永遠と共に向かい。泊まる部屋のドアをノックして対面した彼は、高校生らしい衣服と『ガスマスク』を被って出て来たのだ。

 

「…………プッ、フフフ………。ヤバい、存在がギャグ過ぎて腹筋割れそう」

「笑ってやんなよ………俺だって似た様なもんだし」

「ガチガチにオリジナルコーデした奴が何か言ってるってツッコミは無しか?」

「御好きにどうぞ………。とと、改めましてサンラク。此の状態の俺は、プレイヤーネームを『A-Z』で通してるからよろしくね。そして俺の彼女の天音(あまね) 永遠(とわ)だ」

「フフフ、鉛筆騎士こと天音 永遠です。よろしくネ?サンラク君?」

「あー………サンラクです、どーも」

 

取り敢えず自己紹介をし合い、梓がサンラクが着けているガスマスクについて尋ねれば、ゲームの初回封入特典かつ再販未定の超レア物であるらしく、相応に気合を入れた顔合わせだった様だ。

 

「つーか、ペッ………じゃなくてA-Zってレトロゲームやってるって話だが、何か『自慢出来るエピソード』とか有るんか?」

「自慢出来る、か。………そうだな、色々有るが『此れぞ!』って自信持って言える奴に『レールチェイスのソロプレイノーコンクリア』と、『Undertaleの最強のラスボスをノーダメ攻略』、後は『超魔界村ノーコンクリア』…………他はまぁボチボチって所かな。けど此の三つは経験を積んで漸く辿り着いたから、諦めなければ『他の人も出来る』とは思うけど」

 

至極サラッと言い切って肩を揺らした梓だが、レトロゲーマー界隈では『激難難易度』として知られるゲームタイトルが並び。

 

特にレールチェイスというゲームは、星の数有るレトロゲームの中で『ソロプレイかつ二丁流攻略』という条件での攻略も『凄い』と言われる程の難易度、其れをソロでノーコンクリアをするという時点で、彼が『どれだけ凄い事』をしたのかと、一瞬で理解してしまう程度には『ヤバい』のだ。

 

其れを努力すれば出来ると言い切った時点で、普通のゲーマーからしても『普通じゃない奴認定』を食らっても、何の文句も言えない事を梓本人は知る由もない。

 

「騒がしいと思ったら、廊下で仮装大会か何かやってんの御三方は…………」

 

そんな中で呆れた様な、何処か毒気を含んだ声がした方を向けば、今回の下手人たる『魚臣(うおみ) (けい)』と其の隣にもう一人、彼と同い年と思われる女性が居る。自分の記憶が正しければ、彼女は慧と同い年のプロゲーマーだった筈だ。

 

「やぁやぁ雇い主(マイボス)、重役出勤御疲れ様かね?」

「ヘイ、雇い主。俺等に寿司やら焼肉やらフルコースを奢る覚悟は出来てるよなぁ?ん〜???」

「奢りは確定かよ、まぁ強ち間違いじゃないんだけど………。コホン…………兎に角、来てくれてありがとう。サンラク、ペンシルゴン、ペッパー」

 

握手を交わし、拳を合わせつつ、慧はもう一人のメンバーを紹介する。

 

「此方の彼女は『夏目(ナツメ) (メグミ)』、家の格ゲーチーム・爆薬分隊(ニトロスクワッド)のチームメイトで、明日明後日で予定が空いてた唯一のメンバー」

「ど、どうも…………」

「雑誌とかで、君の名前は知ってるよ〜」

「初めまして、A-Zです」

「どーも」

「話は早いけど…………、早速作戦会議を始めよう。色々と共有しておきたい事が有るからね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏目 恵は此の時、色々な意味で混乱していた。

 

何せ慧が援軍を要請した連中が、正体不明のガスマスク男・トップオブカリスマモデル・慧相手に勝ち越している最強のレトロゲーマー(本物)が居るという事実に。

 

そして其のカリスマモデルが、己なりのオリジナルコーデをしたレトロゲーマーと、自分達の前で公然と恋人繋ぎをしながらイチャイチャしているという光景が甘ったるく、ブラックコーヒーが飲みたくなってきたという感覚に。

 

「なぁカッツォ、ブラックコーヒー有るか?」

「んなモン持ってきてねーよサンラク、寧ろ此方が頼みたいわ」

「ん〜?サンラク君、彼女居るのに連れて来てないの〜?」

「レイさんは『どうしても外せない用事が出来た』って言ってたからな………。多分聞いたらすっ飛んで来てたぞ」

「………良く考えたら此の中で付き合ってないのって、慧と恵さんだけだな………」

「ちょきょぽわ!!??」

「其れは言うなよ!?…………ってか、本線から離れてるから話を戻すぞ!」

 

爆発した恵や事実を突っ突かれた慧が声を上げ、改めて自分達の置かれている状態を画像を絡めて説明する。其処にはマッチョ・マッチョ・マッチョ・華奢な少女の四人組が写った。

 

「俺達が明後日に戦う『Star(スター) Rain(レイン)』ってチーム………一言で言うと全米最強クラスの格ゲーチームで、全米一位こと『シルヴィア・ゴールドバーグ』を中心に、最高峰のメンバーが揃ったチームなんだ」

「うわ凄い、見てよサンラク君にあーくん。R-18ハードNTRモノの竿役みたいなマッチョ達が居るよ!」

「おう、生々しい例えやめーや」

「下ネタ好きだよな永遠って………。というか俺、絶対に『そんな事は』させないがな」

 

決意を含んだ言葉を口にした梓に、永遠は惚れ気を含んだ『雌の顔』を、恵は『驚愕』を含んだ表情に、楽郎と慧は外道笑顔(スマイル)でニヤニヤニマニマしている。

 

「………で、中心に居る可愛い紅一点が」

「そう、彼女がシルヴィア・ゴールドバーグ。未だに無敗の全米一位の格ゲーマーだよ」

「金髪碧眼のザ・外国人って感じの奴だわな………」

 

此れだけならば何れ程良かったか──────そう思っているのは梓・慧・恵の三人。本当ならばマッチョ三人衆と全一だけだったのが、梓の大暴れによって既に状況は大きく変わっている事を、楽郎と永遠は知らない。

 

「……………とまぁ。()()()()、此の四人を対策するだけで良かったんだけどさ。実際の状況は『芳しく無い』んだよね」

「ん?芳しく無い?」

「どゆこと、カッツォ君?」

 

楽郎と永遠が首を傾げて視線を向けた中で、慧は深呼吸を一拍置いて変貌した状況と、そして『五人が集まった理由』を明かす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………今回のエキシビションマッチ、全一のチームに『ダイナスカルの猛禽』こと『アメリア・サリヴァン』が。シルヴィア・ゴールドバーグに次ぐ格ゲーマーが『ゲスト』として参戦するという、およそ想定外の事態発生してるんだよね。──────なぁ、シャンフロのクラン対抗戦で暴れまくったペッパー君よぉ???」

「本当に、申し訳無い………」

 

ジト目と共に慧の視線が梓にブッ刺さり、およそ原因を作った人間は大変申し訳無さそうな口調で答えたのだった…………。

 

 

 






ネタバラシ


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