VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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ギアが上がる




英姿颯爽のロティ 〜アクセル全力解放〜

ミーティアスの残り体力四割弱、カースドプリズンの残り体力五割弱。

 

機動力と馬力を上げたアメリアの連撃に、ヒット&アウェイ戦法を対アメリア用に仕立てても尚、彼女の連撃を完全に避け切るのは難しく、自分に出来る事はダメージを最小限に抑え込み、そして其の時に備える事以外に無い。

 

「くっ、ちょこまかと!」

「オワタ式のレトロゲームも、飽きる程やって来てるんだよ!」

 

受け流し(パリィ)押し込み(バッシュ)にも対応する挙動を絡めるアメリアのカースドプリズン相手に、A-Zのミーティアスもまた此迄に研鑽し蓄積し続けた己のスタイルで対抗。

 

煙の如く揺らめいて回避し、溜めからの加速の隙間をより減らして殴り、敵の動きの中で『一番最高に燃える道筋(ルート)』に飛び込み、兎にも角にも連打に連打を重ねて、カースドプリズンを叩きまくる。

 

「先ずは其の脚を取る!」

「させるかよッ!」

「やっぱり『守ってくる』よな!」

「チィッ……!エスパーかテメェはァ!!」

「うぉあっ!?」

 

解っていたが、やはり此方が『カースドプリズンの脚武装のタイヤを狙っている時』は、反応が他の部位を狙うよりも鋭くなっていた。

 

少なくともアメリアが速さを重視した以上、あの脚のタイヤとエンジンを切り崩さない限り、此方の攻撃は掠り傷でまともにクリティカルは入らないと確信するには、今の奴の速度は速い。

 

(くっ………ミーティアスの超必殺技(ウルト)を使うべきか?!──────いや焦るな、()()()!確実に当てる為の確信が欲しい!)

 

ミーティアスの超必殺技は『ミーティア・ストライク』という名前であり、発動時に特定のポーズを取った三秒後にレーザー光線並みの超高速のライダーキックを放ち、強烈な追尾性能と共に飛び、足裏から星のパワーを注ぎ込んで対象を爆砕するという、ザ・王道ヒーローの必殺技という物。

 

だが此の必殺技、原作でもヴィランによって邪魔された事が多々有り、発動から発射の間に攻撃を食らったりすると、数秒間の確定『怯み硬直』が入って動けなくなってしまう。

 

何より唯でさえ低耐久のミーティアスにとって、此の数秒間の隙は敵に叩くチャンスを与え、ゲージの殆どを使い切ってしまうシステムの都合上、スターロードによる回避も難しくなるハイリスク・ハイリターンの大技、其れを通さなくては勝てない相手だからこその選択肢であり。

 

 

 

 

 

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「……………!」

「何止まってやがる!」

 

極限の集中により研ぎ澄まされたミーティアスの()()が、己が仕掛けたケイオースシティに眠る勝利への起爆剤が着火した音を拾い。其の隙を突いたカースドプリズンの剛腕がミーティアスを捉え、殴り飛ばして建物の壁に叩き付ける。

 

「こんの………やっと…………?」

 

体力を三割まで削られ、ズルズルと地面に落ちるミーティアスにトドメを刺さんと、カースドプリズンが近付こうとした時。アメリアが感じたのはヒーローとヴィランの戦いで蛻の殻と化した、静寂の街中に取り残されたスピーカーやラジオから聞こえる、無数の市民達の『声援』が届く。

 

 

 

 

 

『──────頑張れ、ミーティアス!』

『──────いけぇーッ!』

『──────負けるなヒーロー!』

 

 

 

 

 

「ッ、キタキタキタッッッッ!!」

「なっ、にぃ!?」

 

其れを受けた瞬間、ミーティアスのヒロイックゲージが『超加速度的に上昇し』、僅か一秒足らずでヒロイックゲージが『MAX』となった事でカースドプリズンが驚愕。其の一瞬を突いたスターロードによる加速と、飛び蹴りによる片脚に取り込んだタイヤを蹴り飛ばして、機動力を奪い取る。

 

だが其れ以上にアメリアが目を疑ったのは、スターロードで消費した筈のミーティアスのヒロイックゲージが『減っていない事』であり。一体バグか何か発生したのかと思う矢先、再びスターロードが発動からゲージがMAXに戻り、もう片方のタイヤが破壊されて脚を奪われた。

 

(何だ、何が起きて…………まさか!?)

 

自分が撃墜した報道ヘリ、インターセプトでマンホールの蓋を使って射線を切ったミーティアス、市民達の声がスピーカーやラジオで響く状況。

 

あの時のA-Zは『ヘリをくれてやる』と言ったのは、此方がヘリを取り込む事を許容するのでは無く、ヘリに乗っていたキャスターやカメラマンを使って自分に声援を送らせ、ヒロイックゲージを『リジェネし続ける為』の、最大にして最高の布石であった事に──────!!

 

「だぁらぁ!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ、オラァ!!!」

「ぐっ……………!」

 

縮地に似た重力移動とスターロードを絡めた、ミーティアスの拳が顔面に突き刺さり、其処から蹴りに拳に全身を絡めて連動した打撃達が、カースドプリズンに突き刺さり巨体が後ろに押し込まれる。

 

体力を二割に減らされながらも、両手を地に付いて爪を立て、ガリガリとアスファルトを削りながらも止まった宿敵にトドメを刺さんとするが、其の刹那に『物凄い悪寒』を感じた彼は動きが止まった。

 

「今、よぉく解った………。オマエを叩き潰すには、此れ以上無い方法をオレは思い付いた」

 

カースドプリズンの掌が、己の仮面を掴まえ握る。其れは呪われし監獄に閉じ込められた存在が、本来の力を行使する為の合図の一つ。

 

「オマエのミーティアスは、()()()()()()()。だからこそ、此の状態で『時間以内』にブッ倒す………!超必殺(ウルト)──────『脱獄(プリズンブレイク)』!」

 

カースドプリズンの内側から黒いオーラが放出され、掴んだ仮面を力任せに引き剥がした瞬間、纏っていたエンジンが装甲が弾け飛び、中から緋色の凶星が姿を現す。

 

()()を使ったな、プリズンブレイカー!」

 

脱獄維持可能時間は僅か『三十秒』、再びヴィラニックゲージを溜めるにせよ、時間が足らない中での使用はアメリア自身の覚悟『其の物』。

 

力・速さ・性能、ありとあらゆるステータスがミーティアスの()()()()()()となり、ミーティアス側はスターロードという空中機動以外で劣る、カースドプリズンの切札たる超必殺技。

 

ギャラクセウスにより力を封じられ、呪われた鎧に縛られた大いなる存在──────『ミーティアスのオリジナル』というレーベルの設定を持つからこそ許された、カースドプリズンが本来の力を制限時間に限り行使可能な、シャンフロエンジンによるリアリティとシステムの融合で成し遂げられた御業。

 

「ブッ倒す!ミーティアス!」

「掛かって来いっ!プリズンブレイカー!!」

 

 

 

 

 

 

声援がケイオースシティに響く中、此れより三十秒後──────勝者と敗者が決まる。

 

 

 






此処から瞬き厳禁


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