VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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始まる




龍よ!人よ!生命達よ! 〜其の二〜

ペッパーによるノワルリンド討伐派へ、ジークヴルム打倒とエルドランザ並びにノワルリンドを生存させるという宣戦布告から僅か十分後、其れは突如として新大陸側の大地に立ちし者達へと表示された。

 

 

 

 

『ユニークシナリオEX【来たれ英傑、我が宿命は幾星霜を越えて】、決戦フェーズに移行します』

『クリア条件①:ユニークモンスター・天覇のジークヴルムの打倒』

『クリア条件②:赤竜ドゥーレッドハウル・青竜エルドランザ・緑竜ブロッケントリード・白竜ブライレイニェゴ・黒竜ノワルリンドの討伐』

 

 

 

 

ウィンドウ画面が表示され、開拓者達が其れを目視して僅か十数秒後には閉じられる。そして其れが引き金となり、夜闇を帯びた樹海の帷を破って『大質量』の……………否、巨大なる『緑』が現れたのだ。

 

 

 

 

 

『トットリなる虫はどこだぁぁぁあ!!!』

「えっ、は!?ブロッケントリード!?」

 

 

 

 

 

名指しされた本人が素っ頓狂な声を上げる中、樹木を蹴り潰して現れた其の竜は、兎にも角にも『巨大』だった。

 

四足歩行の鈍重なる姿は『ガラパゴスゾウガメ』を彷彿とさせ、背中には大樹や岩に茂が生えているという『大地其の物』が乗っている様な印象を与え。

 

特に目を惹くのは鈍重な見た目とは裏腹に、タコやイカの触手のように蠢く数百は在る『茨に似た触手達』で、腹部や脚部から生えた其れ等がウネウネと動き巡る光景に、蛇や蚯蚓が嫌いな者にはトラウマを植え付ける事も容易い。

 

「緑竜ブロッケントリード…………!」

「いや、何アレでっっっか!?」

「歩く大地か何か!?」

 

プレイヤー達が思い思いに言葉を零す中、ブロッケントリードは茨触手達を地面に突き刺す。其の触手の挙動は明らかに『何かを吸い上げている』と解り、其のエフェクトがブロッケントリードを経由して右前脚に収束していく。

 

そして─────────

 

『フンッッッ!!!』

 

力士が四股を踏むが如く、ブロッケントリードが踏み据え叩いた地面を中心に、緑白色の亀裂が『半径500mに迫る範囲で全方位に迸る』や、新大陸の大地が爆震して範囲に居たプレイヤーが吹っ飛ばされ、範囲外に居たプレイヤー達は体勢を崩された。

 

「何やってんだトットリぃいいいいいい!!?」

「知らねーよぉ!!?!」

 

緑竜の到来と踏み抜きによる開戦の合図は鳴らされ、ブロッケントリードのヘイトを買っていたらしいトットリ・ザ・シマーネに、プレイヤーやNPCのヘイトが集まらんとして。

 

「フランケンだかブロッコリーだか知らねーが、一番槍は貰ったぁ!!!」

 

そんな混乱の中、一部のプレイヤーが罅割れ砕けた大地を戦術機で爆走し、ハンマー等の己の武器を握り締めて振り上げた。だが其の行動は茨の触手に機体ごと絡め取られてしまい、全員地面に叩き付けられたかと思えば、一箇所に纏めて有無を言わせぬ左前脚による踏み付けを食らい、あっさりと倒されてしまった。

 

「潰されちゃったな」

「南無南無…………」

「強制では無いが、此方の話を聞くつもりが有るなら聞いてくれ!」

「皆ちゅーもーく!」

 

一番槍にならんとしたプレイヤー達の消滅、変わりに響くは強き声達。視線の先で彼等彼女等が見たのは、四本のインペリアルシリーズの剣達を浮遊させながら、黄金に輝く勇者の剣・聖剣エクスカリバーを掲げた修正前剣聖勇者のサイガ-100と、廃人狩り(ジャイアントキリング)として名を馳せて、勇者の槍たる聖槍カレドヴルッフを持つアーサー・ペンシルゴンが其処に居り。

 

そしてペンシルゴンの近くには彼女と契約した征服人形、リリエル=217(ニーナ)と耳を塞いだヴォーパルバニーのゼッタが居り、ペンシルゴンはニーナの物らしいマイクを片手に拡声器を利用して、プレイヤー達に呼び掛けたのだ。

 

「緑竜ブロッケントリードは鈍重ながら『範囲攻撃』を使って来た!もし前線拠点へ侵入され、調査船や主要施設を破壊されるとEXシナリオ其の物が『失敗する』可能性が有る!!さっきの行動からしてブロッケントリードに接近戦は悪手だ!魔法職及び銃火器等の遠距離攻撃持ちで、奴の狙いを前線拠点から切り替えさせる!」

「我こそはブロッケントリードをブッ倒すって意気込んでる勇士達!図体デカい要塞落としは映えるから、思いっ切りやっちゃおうぜぇーーーーーー!!」

『『『『いぇエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエイ!!!』』』』

『『『『イェァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!』』』』』

 

サイガ-100とペンシルゴン、二人と共に声を上げたノリの良いプレイヤー達の叫び声、更には超農民と共に何百体もの『人型植物達』─────────正式名称を『ヒューマンドラゴラ』という存在達の雄叫びが、プレイヤー達を鼓舞する。

 

時に雄叫びという物は尻込みしそうな気持ちに唾を吐き捨て、負けムード漂う雰囲気をヤクザキックでブチ壊す事も可能であったりする。其れは旅狼(ヴォルフガング)黒剣(シュバルツシルト)、七クラン連盟の七天極星(グランシャリオ)の実力者の呼び声は状況を動か…………

 

 

 

 

 

『『『グォォァァァァァアアア!!!』』』

 

 

 

 

 

『何だ今度は!?』

「!?」

「今のって……………」

「オイオイオイオイ!?マジで、ウソだろ、冗談だろ!?」

「ものすっっっっっ………………ごく、嫌な予感がするんだけど私……………」

 

ブロッケントリードも、集ったプレイヤー達も、()()()()()轟いた咆哮が、生きとし生きる者全ての視線を向けさせる。

 

其れは緑竜ブロッケントリードとは別方向から樹海をブチ抜き、此の決戦の戦場へ躍り出たのは、爆炎を伴った三つの首を持つ『巨大なティラノサウルス』で。

 

其の全身に隈無く傷を持てども、闘争して勝利を手にした果てに自分は立っているのだと、一度は機構と銃なる物の『不死者共』の物量に退けられた痛みや屈辱を晴らすべくと、あの日よりも更に巨大な、威風堂々たる恐竜帝皇(レックス)が……………『ドラクルス・ディノサーベラス"傷だらけ(スカー)"』が降臨した事を報せたのだ。

 

「ア、アイエエエエエエエエエ!?!」

「スカー!?スカーナンデ!?」

「オボボボボボボボボボボボボボボボボボ!?!?!」

「よりによって此のタイミングかよ!?」

 

ブロッケントリードだけでなく、傷だらけ(スカー)の到来という混沌、傷だらけによる蹂躙のトラウマが消えぬ者達は震えや戦意喪失に追い込まれ、レイド(クラス)のモンスターとレイド疑惑のモンスターの二体を相手しなくてはならない状況に、プレイヤー達が尻込みし始めて。

 

 

 

 

 

 

 

『妾が来たァ!!!』

「エルドランザさん、登場が派手過ぎませんかぁーーーーーーーー!?!」

『問題無い!さぁ、ジークヴルムよ覚悟!…………む?おらんな、ジークヴルムの奴は。だが…………どうやら『老害』が先んじたらしい』

「ですね………!あ、ペンシルゴンさーん!皆さーん!御待たせしましたーーーーー!!」

 

 

 

 

 

其の刹那、前線拠点の『海に面した場所』から大質量の海水がブチ上がり、海上より姿を見せてたのは巨大な『クビナガリュウ』の様相を呈して、鋭い切れ味を宿していると解る『鯨のヒレ』を持った巨大な海竜と。

 

そんな海竜の頭の上に乗っかって、大質量の海水と共に跳ね上げられた『青い竜を思わせる装備と龍頭に刃が付いた長杖の様な長銃を持ったレーザーカジキ』が、エルドランザに頭にキャッチされ、ヨイショと立った彼がペンシルゴン達を見付けて声を上げる。

 

プレイヤー達からすれば、青竜エルドランザが海からやって来た事と旅狼のメンバー・レーザーカジキが、ユニークシナリオEXの討伐対象の一体と仲良しになっている事が『一体何がどうしてこうなった!?』と思わせるに、充分事足りる光景で。

 

竜と龍に、人と亜人の、あらゆる生命達が集う竜災大戦は、誰にも予想出来ない大流となって畝り、大波は津波と化して戦局を動かしていく。

 

 

 






竜達は来る



※今のレーザーカジキの見た目は『デュエル・マスターズ』のマスター・カードの一枚、『ジョギラスタ・ザ・ジョニー』のカラーリングを青を主体にかつ強めにした物です



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