龍と竜が揃い踏み
「プレイヤーにNPC、マジで大混乱が加速してる………なァ!」
「
『ワゥン!グルルルルン!』
「皆、戦ってるのさ!ワイも負けられないさね!」
「私もだ、此処でヘタってはヴォーパル魂に恥ずかしい!」
ノワルリンドの襲来とジークヴルムへのタックルによる激突、其れ即ち
故にペッパーは白竜ブライレイニェゴ狙いを一旦中止し、アイトゥイルとディアレにノワとヒトミと共に大混乱の戦場を駆け、件の秋津茜を探して空を走りながらに
効果切れになった
歴積重大戦斧に搭載された能力は非常に判り易く、投擲時や攻撃時のモーションが大振りで有れば有る程に、其の攻撃で発生する『空気抵抗が大幅に軽減される』という、幕末で言う所のレイドボス・ユラが持つ『
此の時に振るった速度が一定以上になると、斧の刃先に『強力な装甲破壊と切断属性付与』という、兎にも角にも『相手を叩き割る事に特化した武器』である。
「此の手の武器って、サンラクの持ってるアクセサリーとの相性が良いんだが…………空中走りつつ質量差で仏陀斬るのも悪くは無いか!」
モーション感度上昇の
「ペッパー殿!其れにアイトゥイルとディアレでは無いか!?」
「ペッパーさん!何か凄い事になってません!?」
「秋津茜、シークルゥさん!無事みたいで安心しました!」
「シー兄さん、御覧の通り混沌としてるのさ!」
「シークルゥ兄上!」
モクモクと雲の鎧を纏い巨大な雲の腕を生やしながら巨大で鈍重な大戦斧と、機械的とも生物的とも取れる片手剣に
「秋津茜。シークルゥは此方で預かって置くから、ノワルリンドの援護に行ってくれ。おそらくジークヴルムさんはスキルを封じる能力以外に、自分に対する『魔法を封じる能力』を持ってる」
「魔法を…………ですか?」
「あぁ、俺が一度戦った時もスキル封じを使って来た!ただ其の二つは『片方を使用中はもう片方は使えない』、そんな疑惑が……………有るッ!」
接近する子竜達をブーストを乗せたエンジリング・ブレードの連撃で叩き斬り、ボーリングストライカーの渾身のキックでサッカーボールにして吹き飛ばした所、此処まで立て続けに稼働して来た片手剣と籠脚の耐久値が限界一歩手前に来た事を持ち主に報せて、武器変更を促す
開幕から何方も
「ノワルリンドのブレスが仮に魔法扱いなら、其の時は無効化されるとノワルリンドに伝えてやって欲しい!俺が動けばジークヴルムさんのヘイトは一気に傾くだろうし、其の時に備えて動いた方が良いと思う!」
「は、はい!シークルゥさん、ペッパーさん達の援護を頼みます!」
「任された!御武運を!」
「其れからコレを!コイツに関しての質問はユニークシナリオが終わってからで頼む!」
「譲渡申請?えっと……………わぁ!」
シークルゥを預かる事で秋津茜がジークヴルム相手に集中出来る様にしつつ、上空で戦うジークヴルムとノワルリンドの状況と子竜達や他プレイヤーにNPC達との位置関係を見つつ、彼女に譲渡申請を飛ばし。
受理を確認して受け渡しながらも子竜を大戦斧で斬り払い、双節棍でブッ叩き、晴天流「
「スゥゥ……………ぉおおおおーーーーーーーーい!ノワルリンドさぁーーーーーーーーん!!」
『ぐぬぅ………ッ?!…………秋津茜に、アレは……………!』
「ノワルリンドさーん!」
対するノワルリンドもまた、ジークヴルムに格闘戦を仕掛けてぶん殴られながらも、秋津茜がペッパーと共に此方へ向かって走って来ている事に気付いたのか、上昇では無く降下を行なって近付いて来た……………というより何故か、ノワルリンドが此方に視線を向けて…………あ、何か引っ掴まえられそう。
『貴様がペッパーとやらかッッッッッッ!!』
「「「どぉおおおお!!?」」」
「「「わぁああああ!?!」」」
着陸しガリガリと地面を削り、序でに子竜やプレイヤー達をブッ飛ばし、物凄い視線で此方を睨んで来たノワルリンドに、危うく巻き込まれそうになったプレイヤー達は悲鳴を上げる。
『貴様だなッ、奴の……………ジークヴルムの心に火を着けたという虫は!!』
「えっと…………はい、そうですが」
ヒトミにポーションを渡してハンドサインで他のプレイヤー達の回復をさせる中、ノワルリンドの視線が彼に突き刺さり注がれる。一瞬の静寂、そしてノワルリンドの口から出て来たのは………………
『…………………カンシャスル』
「アッハイ」
物凄く不機嫌で物凄く嫌悪感を抱き、おまけに上っ面だけでしか無いが、ノワルリンドの放った
『行くぞ、秋津茜!』
「あ、えと、ハイ!皆さん、行ってきます!!」
まるでツンデレキャラの様に述べた後、ノワルリンドは秋津茜に手を差し出し、彼女が乗った瞬間に翼を羽撃かせて夜空へと再び舞い上がって行った。
「ツンデレかよ」
「ノワルリンド御礼言えるんだ…………」
「……………何か凄い物見た」
ヒトミがポーションを振り撒いて回復し、ペッパーとノワルリンドのやり取りを見ていたプレイヤー達の口から、驚きやらを含んだ言葉達が溢れていき。
「やぁやぁ、あーくん!随分暴れてる様だけど、色々戦況が動き出したよ!」
「ペッパー君、カローシス達が傷だらけを何とか緑竜に当てに行ったぞ!」
「ペンシルゴンにサイガ-100さん!」
此の戦況で一番の不確定要素を宿している
『成程、成程……………強大な苦難を叡智で突破する事は『悪くは無い』。だがなァ、それは
上空で翼を羽撃かせる黄金の龍王が宣いて、出現して直ぐに放たれた黄金の重力空間が『更に重みを増した』のである。
「『B.I.G.3』になりやがった?!」
「ヤベーぞ!B.I.G.2でリスポーンした時の『ペナや状態異常付与』に加えて、今は低評価だと『スキルのリキャストタイムや魔法の出力』に影響が出てやがる!」
「ウソでしょ!?」
「悪化すんのコレ!?」
勇者を英傑を求め、望みし黄金覇龍が放つ強き輝きは、其の行いに沿わぬ者の来世へ、持ち得る技能や魔術に対し、更なる罰という『理不尽』を課す。
だが其れはジークヴルムが人の未来を、そして先に待ち受ける始源を越えていける力を示せと叫ぶが故の、確かなる願いを込めた『永き想いの結晶』なのだ。
「皆さん!俺達で白竜ブライレイニェゴを落とし、緑竜ブロッケントリードを撃破に行った戦力を援護します!我こそはと思う者は付いて来て下さい!」
「スローター防具のR.I.P持ちが居るならば、私達に協力してくれ!其れと複数体の敵を巻き込む範囲攻撃持ちが来てくれると助かる!」
「此処等で本体狙っちゃおうぜ皆の衆!!」
ペッパーが大戦斧を高らかに掲げ、サイガ-100とペンシルゴンの号令の後に三人と四羽に一匹と二機を先頭に、彼と彼女等に感化された他のプレイヤーや亜人種のNPC達が、ブライレイニェゴ討伐を成すべく一斉に動き出した。
勇気有る者を、不屈の闘志を持つ者を、己だけで無く周りをも奮起させる者を、ジークヴルムにとって其れは『勇者』であり、そして『英傑』として素質を持つ者と認識する。
だからこそ……………人が人を奮い立たせ、絶望や死というほんの些細な躓き
進め、戦え