一方の者達は
新大陸・ペンヘドラント大樹海地帯。複数の亜人種達が住まい、色竜因子によって恐竜の特色が反映されたモンスター達が闊歩し、弱肉強食のサバイバルが行われている一帯で有り。
開拓者達の活躍で樹海地帯には前線拠点と
そして今、戦場へと続く道を駆けて向かう者達の大軍勢が、各々の目的の為に石畳で舗装された道路を突き進んでいる。
「冥府の鍵杖のAnimaliaよ!奴は、ブリブリニヮンワンは前線拠点に居るのだな!?」
「えぇ、そうよ!ジークヴルムが放った領域に入った以上、そう遠く無い内に接敵するわ!私達SF-Zooは自然を壊す緑竜ブロッケントリードを、貴女達は白竜ブライレイニェゴを駆除したい!そうでしょう!?」
「「うむ!」」
頭一つ所か普通の人間の二倍以上の背丈を持ち、大地を揺らして走る大きな人、武器と共に有りて武器と運命を共にする種族『
そして他のSF-Zooの面々も後ろに続く巨人族の肩に乗り、走る事で襲い掛かる風に吹き飛ばされそうになりながらも、何とか獅噛み付いて踏ん張り。更には其の後ろに続くのは巨人族の勇士達だけに非ず。
「ペッパー殿に救われた大恩、今こそ我等の働きで報いる時ぞ!!」
「ドゥルガ殿、気合が入っておるな!」
「儂等も負けてはおれんぞ!
「世ヲ蝕ミシ竜ヨ!オォ、我等ガ父祖ヨ!我等ガ奮戦シカト御覧アレッ!!」
「ルガドドド・ル・ドドドド……オ前ハ元気ダナ」
「呵々!斯様ナ戦列ニ入リ進ムトナレバ高揚モ仕方アルマイテ!!」
「……なぁ
「此処で無駄な力を使う必要は無かろう。赤竜を討ち取り、同胞の仇を討ったペッパーに感謝を伝えねば、
「我々にとっても彼の存在は無視出来ぬ故、な。…………
「ペッパー御兄様ならきっと、色々目立ちまくりそうだけどね。でも断言して良い、彼は必ず其処に居るよ」
SF-Zooが
赤竜ドゥーレッドハウルと
そしてプレイヤー含めて総勢四百五十名に迫る多種族の大軍勢が一つとなって、各々の目的を果たすべく龍と竜に人と亜人達の、生きとし生きる者達が命や矜持を掲げる戦場へと向かっていた…………。
ノワルリンドの手に乗り、
然してジークヴルムの手に乗って空を飛んだペッパーや、現在進行形で同じくユニークシナリオの討伐対象の一体たるエルドランザの頭の上に乗っかりながらも、放水攻撃に合わせた魔法攻撃で子竜を立て続けに倒すレーザーカジキも居た為に、大混乱とまではならなかった。
『さて、どうなるか……………む、貴様─────!』
『ふはははは!自ら傷を刻んだ虫には敏感なようだな、ジークヴルムッ!!』
「御久しぶりです!えーと………私の顔を傷物した借りを返しに来ました!ジークヴルムさん!」
『ほぅ、ほう!人よ、貴様ノワルリンドと手を組むか!エルドランザと手を組んだ人といい、やはり面白い!名を名乗るが良い!』
夜空を羽搏き、黄金龍王と漆黒の竜が幾度目の相対を果たし。其の手に乗って頭の上に移動した、秋津茜を見たジークヴルムが高らかに叫ぶ。
「秋津茜と言います!其れとエルドランザさんと組んでるのはレーザーカジキさんです!」
『秋津茜!お前は敵に対しても、ポンポン喋り過ぎだ!』
「えっ、でも戦う時ってこう………名乗る物じゃないんですか?」
『秋津茜、レーザーカジキか!其の名を確かに覚えよう!さぁノワルリンドよ、掛かって来るが良い!』
『言われんでも掛かってやるわァッ!!!』
「はい!全身全霊で挑みます!ノワルリンドさん!ペッパーさんからで、ジークヴルムさんは魔力攻撃を封じる力が有るそうです!」
『そうか、ならば確かめねばなるまい!』
「はいっ!」
ノワルリンドからして以前まで『腑抜け』と感じていたジークヴルムが、ペッパーという存在と出逢って何が有ったのかは知らないが、其の言動は以前よりも増してずっと
彼からしても既に
『む…………其の短剣は。いや………『奴の意思』ではなかろうな』
ノワルリンドのタックルを往なし、其の隙を縫った秋津茜がジークヴルムに飛び乗った。そんな彼女に龍王の視線が向き、次の瞬間には彼女が握る『薄桃色の鮮やかな刃と黒く艷やかな黒い峰』、そして『桜の花弁をイメージした鍔が付いた刀』を見ていた。
「え?はい!此れは『
『ならば示せ!ノワルリンドと共に天を駆け、我が元へ辿り着きし人よ!貴様の輝きを見せてみよ!!!』
「
ジークヴルムを叩いた瞬間、黄金の巨体に鎖が這うかの如くエフェクトが走る。本来の帷子は、斬撃や刺突武器等による致命傷を避ける防具の役目を果たすが、此の忍術はジークヴルムを縛る為の魔法。
「ノワルリンドさん!ブッ飛ばしちゃって下さい!」
『ほぅ、秋津茜よ。貴様も死ぬぞ?』
「例え死んでも、また登ってくれば良いだけです!」
『死んねぇい!!!』
ジークヴルムに回避の隙を与えず、ノワルリンドの攻撃を届かせる。黒竜の口に漆黒のエネルギーが収束し、僅か数秒足らずで放たれた『
例え死を是としても勝利の為に戦う秋津茜の姿勢は、ジークヴルムのテンションを高めていき、龍王が持つ『始源を滅する力の一端』を開示させるに至らせた。
『良い!実に善いぞ!!ならば我も見せよう…………其の力の一つたる『
叫び、同時に頭部に掲げる四つの角が光り、次いで龍翼に複雑怪奇な光の模様が走り、そして最後は自分自身の身体が黄金の輝きを増した瞬間に、秋津茜の放った魔法とノワルリンドが放った黒焔が瞬く間に『砕け散った』。
『な…………!?!』
「コレって!?わあぁ!?」
『我が力の一つ、マナの具現の悉くを砕く『魔術殺しの輝き』!さぁ、我に如何にして傷を与えるか!秋津茜!ノワルリンドよッ!』
『成程、ペッパーなる虫が言った技がコレか!ならば接近戦よ!』
轟ッ!と風圧が襲い、秋津茜が空中に放り出される。魔法が駄目でもスキルならば使えるのではと考え、ヘルメスブートを起動すれば正常に働いたのを確認、空中に留まりつつ駆けてノワルリンドの背中に乗り込む。
魔法とスキルを封じる事が出来るジークヴルム相手に、ノワルリンドと心を通わせた狐面のくノ一装束の少女は、勇敢に立ち向かっていく。
「
「先ずはパフォーマンスで話題性を確保する。ペッパーは確かに凄まじいネームバリューを持つけれど、其れを上回るだけの力を発揮すれば何の問題も無い……………!」
ジークヴルムがノワルリンドと、ブライレイニェゴがプレイヤー達と、ブロッケントリードがエルドランザに
「いやーしっかし、家具職人と大工の組み合わせが『こんな形で役立つ』とはねぇ………。思った以上にシャンフロの職業は奥が深いなぁ………」
「そっちは兎も角、此方は大工というより『所有者』が、ですけどね…………」
職業:家具職人……………文字通り『家具を作る』という存在理由があまりに『意味不明』な職業故に、シャンフロ世界のフレーバーの一つとして認識され、あまり考察の手が加わっていなかった職は、家具職人と同様の理由を持つ職業:大工と共に活用する事で、笑みリアはシャンフロという世界で『答え』を……………そして『到達点』を提示した。
其れは大工系列最上位職業:大棟梁と、家具職人系最上位職業:風水導師による職業の組み合わせから起きる『シナジー』であり。
設置系オブジェクトを作成し、様々な効果を発揮する『建設生産職』とでも言うべき二つの
「敵対対象『緑竜ブロッケントリード』及び『ドラクルス・ディノサーベラス"
「ひゃっほぅ!かっくい〜!!!」
「さぁ─────────起動せよ!スカルアヅチッッッッッッ!!」
開拓する為の『休息地』ではなく、開拓した『後』を守る為の拠点を、そして城としての『本来の在り様』。其れが笑みリアが示した、ノワルリンドと傷だらけを殺す為の『答え』。
新大陸で得られた竜骨と魚骨と獣骨を、基礎となる木材や石材も含め、数多の屍と骸を糧に建ちし、大いなる城が今宵『動いた』。
起動し、復讐の時