白竜暴走
※脳内BGMを『デジモンゴーストゲーム』の究極体進化で流れる『MAKUAKE』で御楽しみ下さい
白竜ブライレイニェゴ、
ジークヴルムのユニークシナリオに登場する五色の竜達が持つ『発狂モード』であり、ブライレイニェゴが持つ命の危機に瀕した事で移行した其れは、蝦蟇口財布を引っ繰り返して外側と内側を『裏返る
単に裏返るだけならば何も脅威では無いのでは?─────────そう思う者も少なからず居るだろうが、そう単純な話で片付けられないのが色竜の災害状態である。
「子竜がウザ過ぎる!!」
「オマケにブライレイニェゴのダメージ無くなった疑惑無い!?」
「いや発狂モードに入ったし、ダメージは其のままだろ流石に!」
此の裏返り、此処までブライレイニェゴに対して『蓄積したダメージや状態異常に欠損』といった情報が、災害状態突入による裏返りで『リセット』されたのである。
幸いブライレイニェゴ本体の体力損耗は『其のまま』という事実は揺らがない物の、子竜の生産能力は一切落ちていない所か、寧ろ一体一体の能力値が『高くなっている』様で、発狂モードに嘘偽り無しと言って良い。
『ゴォろロロロ!!!つぶす!ツブズ!潰すうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!!!!』
「プレイヤーが食われた!」
「気を付けろ、ヤツに食われたら其の者の特性が『利用』される!」
「マジで!?」
「ブリフリニャンニャンめ!命の危機に瀕して四の五の言ってられんくなった様だな!」
「姉さん、数が今までの比じゃないぞ!」
「解っている!
プレイヤー達が性能強化を受けた子竜の雪崩に押し潰される中、巨人族のNPCは更に闘志を燃やして力強く振るわれる武器達が猛り、巨人族の姉妹の号令と勇姿が白竜との戦場で示され。
そんな姿に感銘を受ける者達が奮い立ち、己が得物を手に取って白き津波に立ち向かう中、ペッパーは仲間達と子竜に対処しながらも、視界の隅に堂々と建つ『装骨城砦スカルアヅチ』をチラリと見る。
戦闘中に他のプレイヤーからの伝令で、あの城が放った強大かつ広範囲のバフは敵対対象を指定して発動するらしく、戦闘領域内のプレイヤーやNPC達に凄まじい恩恵を齎したという。
つまりアレがたった一体の敵へ、即ちノワルリンドに向けられよう物ならば、レイドボスレベルの性能を持つモンスターで有っても数の暴力で殴られ、倒されるまで時間の問題になってしまう。
少なくとも『対スカルアヅチ』に備えて準備や呼び掛けはしたが、相手に取られたイニシアティブを如何にして奪い返すかという問題点が此方側には存在しているが、幸い其れを成し遂げる為の『切札』が手中に在る。
後はバフの対象がノワルリンド討伐の為に向けられた瞬間に発動を………とやら思考していれば、狐耳を揺らして刀で子竜を斬り伏せながらに
「やぁ、ペッパー御兄様」
「京極か、巨人族達を連れて来たのか?」
「僕は獣人族、大体はAnimaliaさん達だね」
子竜相手に戦う鳥人・蟲人・獣人・巨人・鉱人・蜥蜴人・竜人等々、一目では亜人種博覧会か何かと思ってしまう戦場で、彼は状況判断から『覚悟』を決めた。
「………………よし」
「ん?何がよしなの?」
「此方の事。あ、そうだ、一応コレ渡しておくよ。ただ質問はユニークシナリオEXが終わってからで」
「まぁ、良いけど。……………譲渡申請ねぇ、一体何…………えっ」
「さてと、ノワ!アイトゥイルとディアレさんにエムルさんを背中に乗せて、戦いの補助を頼む!此れはノワにしか頼めない重大任務だ!!ヒトミさんは俺の援護を、勿論『アレ』を使って下さい!」
「は、はいな!」
「頑張ってなのさ〜」
「ペッパーさん、武運を」
『ワゥン!』
「了解:取り掛かります」
京極が譲渡申請を受理して受け取った物に目を丸くする中、ヴォーパルバニー達とリュカオーンの分け身、契約した
あの日のラビッツで、シャンフロに散らばった『此の鎧』を構成する三つの要素を集め切り、神代の技術で出来た物品を直せる神の技を持つ鍛冶師、或いはユニークモンスター・不滅のヴァイスアッシュの手により蘇りし物。
其の二人が作りて培った技術を用い、神代の機械工学では
そして天覇のジークヴルムのユニークシナリオEX・決戦フェーズで、遂に開示するに至る。
(長い、長い時間だった…………!)
重く伸し掛かっていた荷が漸く降りた気がしながら、ジークヴルムとの戦いの為に此処まで直隠しにし続けて来れたと、ペッパーは白煙というヴェールの中でジークヴルムを模倣した一式装備『
起動の合言葉『
不滅の鍛冶師により再び一つとなり、勇者と共に世界を歩み、限界という壁を越え、天覇のジークヴルムとの戦いを経た果てに、嘗ての神代人類の栄光たる時代に存在した大いなる遺産は、朽ちる事無き頂きなる黄金の輝きと威光を取り戻し、此の日此の時此の瞬間を以て『完全復活』を果たした。
白煙の中で光を放ち、帷の中で煌めきて渦を巻いた直後、夜空へと黄金の一筋が昇り、高く昇った夜空にて気高き機巧の翼が開き、勇者が戦場に晴天流「
「うぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぁぁあああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
満月の光に照らされし星と月夜の下で、
広大に広がる新大陸の地の上で、
そしてプレイヤー達は、NPC達は其れを見た……………神代の時代にて、嘗て世界に示された人が空を飛ぶという『夢の結晶』は、長く永く遠い刻を越えて今此処に再誕し。
絶句、震撼、驚愕、興奮……………其の全ての感情をゴチャ混ぜにして、自分達の脳や感情をグチャグチャにした男に、全員心の中で『『『『『ペッパーさぁ……………』』』』』という、共通の言霊を吐き出す事になったのだった。
勇者、金龍王装を纏う