VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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現実世界の今は如何に

※今回は少し短めになります




インパクト・オブ・ザ・ワールド ~クソゲーハンターが動き出す~

ペッパーの情報が掲示板を通じて、シャンフロを遊ぶプレイヤー達に広がった同時刻。

 

現実世界に在る、ユートピア社・地下10階にある原典閲覧室では、シャンフロの産みの親たる創世が、ディスプレイ画面を見つめて、苦い顔をしている。

 

「ッ━━━━━━━━!」

 

画面に表示されていたのは、シャンフロの『とあるクエスト』のリザルト画面。本来なら其れは、こんな序盤ではなく『ずっと先に』なる筈だった。

 

しかし結果は、彼女の予想も思惑も超えた形として、静かに。然れども残酷に、電子の文章が其処に示されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ユニーククエスト【インパクト・オブ・ザ・ワールド】 第三段階(サードフェイズ):【颶風を其の身に、嵐を纏いて】のSクリアを確認。

 

クリアユーザー:ペッパー

 

称号:【夢の継承者】【蒼天(ソラ)を舞う勇者】【新武器の開拓者】を獲得。

 

シャングリラ・フロンティア内の各街の武器屋にて、武器カテゴリー【籠脚(ガントレッグ)】の解放完了(アンロック)を確認。

 

第三段階クリア時の総合評価A以上、並びに1つ以上のSクリアの条件達成により、ユニーククエストEX【七星の皇鎧よ、我が元に集え】の解放完了(アンロック)を確認。

 

残された最強種を模倣せし遺産は6種』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………嘘、でしょ…?」

 

よりにもよって、此のタイミングでの解放に創世の表情は更に険しさを帯びていく。ユニーククエストEXは本来ならば(・・・・・)、自分が難易度調整を施した、第五段階(ファイブフェイズ)クリアと同時に第六段階(シクスフェイズ)共々解禁される筈だった。

 

一応第三段階クリアまでの間に、受注プレイヤーが行ってきた行動により、出現するようにはなっていたものの、此の段階で鍵を握っていたのは、神匠及びジークヴルムがプレイヤーに投げ掛ける『質問』に対する回答で、其の回答によっては手にしたユニーク遺機装(レガシーウェポン)の能力が、時が来るまでは使用に制限(ロック)が掛かるようになっている。

 

しかしSクリアをしている為、ペッパーは現状のユニーク遺機装の機能を、ほぼ100%出し切る事が可能となり、創世にとっては想定外どころの話ではないのだ。

 

第三段階クリアより先のクエスト(・・・・・・)は、受注こそ出来たとしても、シャングリラ・フロンティアの『ワールドクエスト』が第二段階へ進行しなくては、そもそも先に進まない。

 

しかしユニーククエストEX受注により、最強種を模したユニーク遺機装を探す事が可能となる為、見つける種類によってはユニークモンスター攻略へ、大きな足掛かりを作る事が出来るのだ。

 

「ペッパー…コイツは一体、ヴァイスアッシュとジークヴルムに、何て答えたの…?」

 

創世はペッパーというプレイヤーが解らない。

 

難解な此のユニーククエストを発見し、短期間の内にシャングリラ・フロンティアのワールドクエスト第一段階迄の間にクリア出来る、全てのクエストを制覇してしまった。

 

彼女は知らない、ペッパーというプレイヤーがヴァイスアッシュに対し、己が神代の夢を受け継ぎ守る勇者に成ると答えた事を。ジークヴルムの英雄たる者の質問へ、満点に等しい答えを提示してみせた事を。

 

ならば、自分がやるべき事は決まっている。

 

「次にペッパーが探しそうなのは何れか………可能性なら『リュカオーン』か、あるいは『オルケストラ』かしら?なら此のクエストに派生させて、此のモンスターを此処に……」

 

創生の神が、再び世界に筆を走らせる。

 

プレイヤーの思惑通りに、事を運ばせぬ為に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヨッシャアアアアアアア!遂に『フェアクソ』をクリアしたぞぉぉお!」

 

そして時を同じくして、1人のゲーマーが『試練』の時を越えた。

 

「しゃあ!今までの鬱憤に憎悪やら、まとめて『邪神(フェアカス)』に叩き込んでやったぜ!………しっかし、噂に違わぬ大作『クソゲー』だったわ。もう二度とやらねぇ」

 

VR機材を頭から外し、ソフトをパッケージに納めて、部屋の一角に在る本棚タイプの物置。其の中の『二度とやらない』に区分されたスペースに、パッケージを差し込んで、彼は大きく背伸びする。

 

「随分遅れちまったが、此れで心置きなく挑戦出来るって訳だ。問題は注文してから、届くのが『5月の初日』ってのがな…」

 

窓を開けて薄暗くなった空を見上げて言った。

 

「先に始めた『鉛筆戦士』や『モドルカッツォ』、それに『ブラックペッパー』……早いとこ追い抜かなきゃだな。待ってろよ、アイツ等!ぜってぇブチ抜いてやらぁ!」

 

彼の名は、陽務(ひづとめ) 楽郎(らくろう)。アーサー・ペンシルゴンが、ユニークモンスター・墓守のウェザエモン攻略メンバーとする最強のクソゲーマーが、誰もがクソゲーと叫ぶ『フェアリア・クロニクル・オンライン』を終え、誰もが認める神ゲー『シャングリラ・フロンティア』へと向かう。

 

世界が━━━━━動こうとしている。

 

 

 

 






クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす



※新章に向けての構想や骨組みの組み立ての為、1週間程お休みをいただきます
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