所変わって
「何か死んでから色々有ったんだって?」
「
「OK、かなり混沌としてんのは解ったわ」
決戦フェーズ開始前、ペッパーから受け取った『特殊戦術機竜ドラゴメン』によって大体の事を察したサンラクであったが、エルマ=サイナの説明でよりにもよってディープスローターが自分と同じレコードホルダーになった事を知り、更にネチョくなりそうだと心の内にて思った。
「質問:此れからどうしますか?」
「そりゃあ、秋津茜達を援護しつつジークヴルムをブッ飛ばすに決まってんだろ?」
「話は聞かせて貰ったよ、サンラク」
「ジークヴルムをブッ飛ばすなら、私も同行させて貰えるかい?」
「オレも良いか?」
そんな時に聞こえたのは馴染み深い『孤島』で聞いた声。片や西部劇のカウボーイな見た目をしたヤシロバードと、片や特殊戦術機竜ドラゴメンに対応するパワードスーツに身を包んだSOHO-ZONE、そしてシャンフロプレイヤー最高峰の鍛冶師で古匠かつガンスミスになったイムロンの姿が在る。
「お前等、調子はどーなんだ?」
「子竜相手も中々楽しいんだけど、此処等で大物も狙っておきたいとね」
「私としてはサンラクさんが使う『未知の武器』やらも気になりますので。後はジークヴルムを今持ち得る最高火力で、一発殴ってみたいと思った次第なのですよ」
「わた、コホン。………オレぁジークヴルムに一発デカいのを噛ましてぇんだ。オレの『目的』の為にも」
ゲーマーあるあるな意見を聞きつつ、サンラクはパーティー申請を飛ばしてヤシロバード・SOHO-ZONE・イムロンを加えた即席パーティーを結成。サンラクがインベントリアから『魔導推進征海船ブリュバス』を取り出し、顕現させていた其の時。
「───もし、サンラク様」
鈴の様なシャリンとした清めの音に似た声が一つ。四人と一機が見た先に、シャンフロのアイドルとも呼ばれるゲームの中ながらも、現実世界で顕現したならば男性の心を纏めて魅了しそうなユニークNPCの慈愛の聖女イリステラが、聖盾輝士団団長で
「此れは此れは聖女様。何か御用でしょうか?」
ロールプレイを展開して身構えたサンラクに、イリステラはほんのりと微笑み。
「あぁ良かった。実は『一つ』………御願いが有るのです」
『クエスト【
彼女から突発的に発生したクエスト、サンラクとパーティーを組んだヤシロバードにSOHO-ZONE、そしてイムロンも共有された事で全員がYesボタンをタッチするが、今現在四人にとって『困った事』が起きていたのだ。
「
サイナだった。何故かは解らないが突如として『バグった』様にブツブツ言い始め、あまつさえ武装を取り出さんとしていたのを見たサンラクが、彼女の行動を『物理的に』止めに入る。
「
「
「聖女ちゃん様の前でバグんな、インテリジェンス」
さてどうしたものかと考える。彼女からの依頼…………ジョゼット込みで前衛二人・補助一機と一人・後衛二人のパーティーで、イリステラを護衛するタイプかと考えてられるだろう。
「サンラク殿、イリステラ様が危害を受けると考えているならば問題無い。聖女様に襲い掛かる脅威に、私が指一本たりとて触れさせん」
「補足:今現在の
「……………えっと、つまり?」
「実質、今の聖女ちゃんは『擬似的な無敵モード』と言って良い」
「護衛要らず……………」
「え、マジで??」
「そうなの?」
「─────────マジですか、聖女様」
サイナの説明にジョゼットが目を丸くしている事から、彼女自身も把握していなかったらしい。色々解らないが、取り敢えずイリステラは大丈夫という事はハッキリしている様だ。
「有り得ない、筈です。…………ですが、しかし、現に存在する以上は『そう定義する』しか有りません」
「何か哲学的な事………なのかな、サンラクさん?」
「よく解らないが………取り敢えずサイナ、はぐらかしは強キャラムーブの中でも嫌われやすい要素だ。以後気を付けとけ………さて、聖女様。我等の行き先は何方まで?」
「ふふふ…………、
「…………………あれ?」
イリステラの説明に四人が首を傾げる中、サンラクだけは彼女の言葉の真意に気付く。
「兎の国に
「……………解りました。精一杯護衛させていただきます」
此れはヤシロバードにSOHO-ZONEや、イムロンにジョゼットから色々『オハナシ』されそうな予感を抱き、サンラクはブリュバスをインベントリアから取り出し。
ジョゼットにパーティー申請を飛ばして彼女をパーティーに引き入れ、SOHO-ZONEとヤシロバードに舟の運送を任しつつ、イリステラを護衛しながらジークヴルムの元へと進み出す。
船に武器狂いと銃火器狂いを乗せて夜空を泳ぎ、三人と一機の勇士達は聖女を連れてジークヴルムの元を目指して進み始めたのだった…………。
戦場を泳ぐは魔導の船