VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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白竜を落とせ




龍よ!人よ!生命達よ! 〜其の十七〜

ディープスローターが実現杖(じつげんじょう)ザ・デザイアーを用いて、緑竜ブロッケントリード相手に【最大魔導(マギストスホルダー)】を達成していた其の頃─────────子竜というクローン達を無数に産み落とし、生きとし生きる者を飲み込む白い津波を作る白竜ブライレイニェゴ討滅戦は、佳境を迎えようとしていた。

 

「おおおおおお、りゃああああ!!!」

 

黄金の閃が戦場に舞い踊り、致命兎の神匠に鍛えられた巨大鐵塊で空気を薙ぎ、子竜が殴られ夜空を舞う。空に浮かぶ金色の龍王、其の威容や権能を元に神代の天才達が産み出した、世界に証明してみせた大いなる遺産を纏い、ペッパー・天津気(アマツキ)がブライレイニェゴ本体に突貫する。

 

本来両手持ち打撃武器の巨大メイスやハンマー系を発動した戦闘中に限り、片手持ちを可能にする補助スキル『剛鐵戴神(ごうてつたいじん)』を使用しながら、象牙兎月(ゾウゲトツキ)呑黒(どんこく)】のショートメイス時に蓄積可能な王撃ゲージ上限の200%を蓄積して『巨大(ビッグスケール)メイス』に武器種変更からの、巨大メイス状態でクリティカル蓄積で王撃ゲージを追加し続け、漸く巨大メイスの蓄積上限の300%まで後一歩の段階に来た。

 

『ごろろろロロロ!!オノレおのれオノれれれレレレレれれレぁああアアアアアアアアアア!!!!!』

 

巨人族(ギガント)達にダメージを負わせられながらも、開拓者(プレイヤー)や他亜人種(NPC)から攻撃を受けども、災害状態:表裏再誕(リ・バースデイ)に突入して更に凶暴化した白い肉塊(ブライレイニェゴ)が吠える。

 

地上で戦い危機に直面した者達を救援と、次いでに子竜を叩いてクリティカルを出しながらのゲージ溜めを並行しながら進む中、其処には目が無い筈の表裏反転したブライレイニェゴ本体と視線が交わり。

 

光輝へと昇る金龍王装(レディアント・ドラゴニウス)のエナジーウイングの出力調整で飛びつつ、子竜のブレスを回避と共に、巨大化した呑黒で別子竜を殴り付けた事で、漸く王撃ゲージが巨大状態時の上限『300%』に到達した。

 

『ゴロぜぇ、我が子等よぉおオオオ!!!ジークヴルムの真似事をするアイツをぉぉぉオオオオオオ!!!』

「『ままごと』をしているブライレイニェゴよ。覚悟を決めろ、俺も覚悟を決めてやる!!!」

 

直営の子竜含めてブレスによる対空砲火が火を噴く中、ペッパーは真界観測眼(クォンタムゲイズ)を起動して思考加速を行い、コスモ・ネビュラによるヘイト切り離しを敢行と共に地上へ降下。

 

光の屈折による虚像の出現と、ブレスが襲来して実体に近い感触が齎され、刹那に天空の神眼(ラトゥルスカ・ゴッドアイズ)集律視標着目(ワーナリー・スポットヘイト)のコンボスキルで子竜とブライレイニェゴの視線を釘付け、宙域超速(スペース・ランウェイ)による空中疾走にギアチェンジから、シューティングスターによる一歩目の超加速でブライレイニェゴの懐に一気に飛び込み。

 

『ゲェレレレぇええええ!!!』

「其れはとっくに『予測済み』だ」

 

シューティングスターによる接触まで一秒足らずの一瞬、サキガケルミゴコロの未来予知によって『ブライレイニェゴが繰り出した舌による胸部貫きで即死する映像』を見たペッパーは、二歩目の踏み込みでレーアドライヴ・アクセラレートを合わせる事で瞬間転移じみた挙動で死の未来を覆し。

 

『ごギャバッッッ!?』

「カチ上げ…………そしてッッッ!!!」

 

ブライレイニェゴの顎付近に陣取って、レディアント・ソルレイアの膝部に在るドリルを超加速回転させながら、発生1フレームの超速膝蹴りと直撃で強烈なノックバックを引き起こす『勝撃突隼(ゼイル・ファルコン)』を確実にブチ当てて、ブライレイニェゴの肉塊たる巨体を真っ直ぐに…………即ち背骨を『伸ばさせた』のだ。

 

「此れで決める!!!」

 

レディアント・ソルレイアのブースターが火を噴き、エナジーウイングの出力を全開にしながら上空に駆け上がり、空中挙動補助の空戦再帰(ウェイキング・アップ)とマクセル・ドッジアーツの多重的円周運動(オービット・ムーブメント)に似た挙動を可能にする『ギャラクシア・スピニング』で最小円周挙動で体勢を立て直し。

 

星幽界導線(アストラルライン)で補強、ミルキーウェイと宙域超速に真界観測眼の効果が残る内にグラヴィトン・レイの重力変更、そして同調連結スキルの超速(マッハ)で一気に駆け下りる。

 

思考加速で引き伸ばされた視界の中、ペッパーの意思を受けた呑黒から轟々と『蒼色のスキルエフェクトが発生』し、音速越えの世界の中で肉塊のブライレイニェゴの姿が映り、其の表情は何処か『死神に魅入られた』様にも見えて。

 

『オノレぇええエエエエエエエエエエエエエエエエええええ!!!』

『【轟豪なる怒濤撃(アルガ・キュリロス)】ッッッ!!!』

 

雫の一滴が水面に落ちて波紋を広げる様に、超速の世界と共に突き立てられた鐵塊の一撃が、背を伸ばされた身体を真上から襲い、衝撃を逃す術を許さぬままにブライレイニェゴに炸裂した。

 

象牙兎月【呑黒】の切札、ショートメイスと巨大メイス合わせて500%まで王撃ゲージを溜めた果てに発動を許される、専用スキル【轟豪なる怒濤撃(アルガ・キュリロス)】は蓄積された王撃ゲージを0にまで急速に減らし、ゲージ10%毎に一回『装甲及び肉質を()()()()した合計三十回のダメージ判定を一撃に集約して叩き付ける』能力を持つ。

 

無論此れにはデメリットも有り、此のスキルを発動すれば象牙兎月【呑黒】はショートメイス状態に戻る他、同時に『此の武器に搭載された能力を其の戦闘中は使用出来なくなる』という、明確にして大きな代償を背負う事になる。

 

装甲破壊や貫通に、クリティカル発生強化や耐久値回復能力付与という、絶大極まる様々なメリット達を戦闘終了まで封じ、剰え再度の巨大化も出来なくなるというデメリットさえも許容した『一撃必殺』…………『其の矜持』をヴァイスアッシュから問い掛けられた様な大技を以て、ブライレイニェゴに叩き付けて。

 

『ごぼ、おぁ………グ…………─────────』

「白竜ブライレイニェゴ。子竜を産み出し、白い津波に変えて、数多の生物を食らいし当代の白竜よ。俺達はお前の名を決して忘れない…………戦って下さり、ありがとうございました」

 

白の肉塊(ブライレイニェゴ)の巨体が乾坤一擲の一撃に潰れ、全身の筋繊維の至る所までもが絶大なる打撃に千切れて、全身を支えた力すらも糸が切れた操り人形の如く地面に倒れ伏し。

 

同時に群体型のモンスターに見られる本体の撃破による他個体全体の死亡判定が下された事で、ブライレイニェゴが産み出した子竜達もまた本体と同じ運命を辿るが如く、次から次へと倒れて其の身を構築するポリゴンを崩壊させていく。

 

そして─────────

 

 

 

 

 

『現時刻を持ちまして、『白竜ブライレイニェゴ』の討伐を確認致しました。ラストアタッカーは『ペッパー・天津気(アマツキ)』様です』

 

 

 

 

 

戦場にて立つプレイヤー全てにシステムアナウンスが轟き、白竜撃破という敢然たる事実が証明されたのである。

 

「ほふぅ…………」

 

ショートメイスまで縮んだ象牙兎月【呑黒】をインベントリアに収納しつつ、レディアント・ソルレイアのブースターとエナジーウイングで空中浮遊を行いながら、ペッパーは緊張の糸を解す様にノワとヒトミにヴォーパルバニー達を探し。

 

此方にノワと彼女の背に乗ったアイトゥイル・ディアレ・エムル・ゼッタと、其の近辺に特殊戦術機竜ドラゴメンとパワードスーツを合体させたヒトミの他、此方にやって来るペンシルゴンやサイガ-100含めたプレイヤーや亜人種NPC達の姿を目視した。

 

地に足を着ける様に着陸し、飛び掛かったノワとアイトゥイルにディアレを受け止めれば、ペンシルゴンとサイガ-100を中心として瞬く間に多くの生命達に囲まれる。

 

「やぁやぁ、あーくん。白竜のラストアタックおめでとう。取り敢えずジークヴルムとの決戦が終わったら、私達と確り『オハナシ』しましょうね〜???」

「更に上から釘刺すなぁ、ペンシルゴン………。オハナシはするし、逃げないから安心してくれ。俺は此のままジークヴルムを地上に落としに行きたいんだけど、ペンシルゴン達はブロッケントリードの方を削って、出来るなら倒して欲しいんだけど良いかな?」

 

既に他のプレイヤーにNPCの視線だけで無く、上空に居るジークヴルムの視線までもが自分に突き刺さっている。ユニークシナリオEX【打ち立てし誓い、交せし約束を果たす時】の進行による影響で、白竜倒しのラストアタッカーとなった事でB.I.G.値を大幅に高めた事により『ジークヴルムの注目(ヘイト)を集めている』と解る。

 

此処からジークヴルムとの空中戦に加われば、ジークヴルムはテンションが爆上がり、ノワルリンドは此方に何を仕出かすか解らないのも不安要素だが、其れでも彼と交わした約束の為にも戦場へと向かわねばならない。

 

ノワ・ヒトミ・アイトゥイル・ディアレを撫で撫でしつつ、京極には当初の予定通りに『秘策』を発動させるべく動いて貰い、改めてヴォーパルバニー達の護衛を一匹と一機に頼んだ彼は、背中にてエナジーウイングを大きく展開してブースターを着火から、一気に空へと駆け上がって行ったのであった……………。

 

 

 






白竜戦決着


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