最前線は
「やっぱり硬いッ…………!」
『俺のブレスを一身に集め、他の者達を守り抜く其の姿勢!そして勇気!見事ッ、そして素晴らしいぞ!ペッパー・
「御誉めに預かり、光栄…………です!」
「今だ!魔法職と銃火器持ちよ、いけぇ!」
「ジークヴルムの脚を集中攻撃、体勢を崩して角を狙いやすくするよ!」
夜空を飛び、水晶の矢を放ち、灼閃が貫き、二振りの刃が振るわれる。出来た空隙を黄金のドレスを纏った二人の女勇者が号令し、他のプレイヤーや亜人種NPCの攻撃が飛来から、ジークヴルムの身体にダメージを積み重ねる。
「コレ本当に効いてるの!?」
「ポリゴン出てる!カスダメでも効いてるぞ!」
「チリツモ作戦だ!兎に角削って削って押し込め!!」
「マンディーズも続けー!!!」
『『『『イェァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!』』』』』
たった1ダメ、されど1ダメ、しかして1ダメ。レイドタイプのジークヴルムであろうとも、体力を削り切られれば等しく死ぬと考える大多数の意思達によって、着実にダメージが入って行き。
『凄まじい攻撃だが!まだ、まだっだ!!!』
「おわっ───────!?」
「ぎゃあああああ!!?」
其れでも自分は倒れぬと、反撃に放たれた灼滅のブレスにより、近くに居たプレイヤーが焼いて塵と変え、其の火が照らす中を駆ける黒が一つ在り。
『俺も居るぞ、ジークヴルムよ!あんな羽虫一匹仕留められんとは、龍王も堕ちた物だ!』
「私だって居ます!絶対に勝ちます!!」
『言うてくれるな、ノワルリンド!貴様の全力にも付き合おうぞ!』
『ぐぉあ!?』
「わあぁあ!?!」
「ルストッ!」
「解って、る…………ッ!」
『ぬぅっ!』
ノワルリンドの重撃が当たった箇所に、秋津茜が攻撃を加える。振り払われて殴られ、プレイヤーやNPCのいる地面を転がるノワルリンドと吹っ飛んで空に放り出された秋津茜をルストが拾い、モルドの狙撃がジークヴルムの目元を撃ってヘイトを買って出た。
『貴様、青き龍の!赤き機巧の鳥を操る者の片割れだな!』
「どうも、ジークヴルムさん!其れと隙有りだよッ」
「モルドはやらせない!」
『ぐぬっ!?』
ドラゴメンを動かす残存エネルギー、其の全てをレーザーブレスに集約し、秋津茜を背に乗せたルストが夜空の黒を貫き、ジークヴルムの角の一つ………ペッパーが剣でダメージを加え続けた場所を撃って怯ませる。
「そろそろ角を破壊しなくちゃ、なぁっ…………!」
ペッパーが渡した
「イムロンさんが作った銃…………と見せ掛けた手斧、銃の機能を搭載して作り上げた『
『ぬっ………、ぐぉ!?』
エナジーウイングが煌めき、ブースターの加速と共に空を駆け、左の雲手で握った双極撃銃斧に右の雲手で『タッチ』すれば、斧刃が赫く光りて緋みを帯びて強くなり、飛翔中の擦り抜け様に『トリガー』を押し込みながらジークヴルムの角の一つに叩き付ければ、赤い火花が散って『時間差爆発』という結果を齎し、ジークヴルムの頭が揺れた。
其のまま立て続けに『四回のタッチ』を行えば紅い斧刃は益々緋を帯びて行き、其の刃先から漏れ出る魔力の威吹は炎魔法を
其の光りを叩き落さんと腕を振るったジークヴルムの目の前で『四度の反射による軌道変更』が行われ、反射の度に鋭く研ぎ澄まされた閃光となり、彼の二振りの得物のグランシャリオと
『ぐぬぅ………!やりおるわ!』
「やっぱり特撮玩具感が否めないが………『タッチの回数分』だけ装備者のMPを消費した上で、近接が爆破属性の、遠距離が反射射撃が出来る点は面白い…………!」
何より此の武器は、クラン:
昼と夜で属性を変える暴君たる蠍の特性を斬撃と射撃に切り替え分け、近接爆斬撃と遠距離貫通射撃として攻撃属性を変え、敵を斬りて爆砕し穿ち貫き打倒する…………というコンセプトを感じる武器である。
消費分は封雲の撃鉄で回復し、ペッパーがジークヴルムへと接近して飛び乗るや、プレイヤーとNPCが放つ攻撃の中を賭け走って飛び、ジークヴルムが振り翳した腕に斧刃を叩き付け。
七度のタッチで初撃以上の破壊力を内封した斬撃と其の後に来た時間差爆破を以て、爆発と衝撃による余力で空中に逃れながらに三回のタッチから捻って銃口を向けて発射、三度の反射を空に刻んだ閃光がジークヴルムの角に当たる。
「よっこい、しょぉ!!」
『ぐん…………ぬぁあ!!』
「うおおおお!?」
其の怯みに全身全霊の一振で斧を、斬り口が出来た角に叩き付け爆発、傷口はより大きく深くなったのを見ながら飛んで行ったペッパーだが、此処で飛んだ進路先で
「あ、ヤバいッッッ……………!」
「ペッパーさん!」
『
此の瞬間を逃さぬと魔法封殺からスキル封殺に切り替えたジークヴルムより、放たれた始源灼滅の
まるで走馬灯の様に景色が引っ張られる中、パワードスーツのブースター出力を上げたペッパーが気付いたのは『偶然』で、そして、
「あ──────」
「えっ」
「な!?」
『むっ………』
青年の声と少女の声、黄金龍王の放つ威吹の中に零れた僅かな声、ジークヴルムが放った灼滅威吹を前に秋津茜とペッパーと、数多の生命達との間を遮る様にして立ち塞がった『ノワルリンド』の姿であり。
『ぐ、お…………、あぐぁ─────────!?』
黄金龍王の渾身のレーザーブレスを真正面から受け止め、ペッパーが空中で体勢を整えた最中、胸部から大量のダメージエフェクトを噴き出しながら吹き飛ばされていく瞬間を目撃したのだった。
其れは黒竜の意志