VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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激戦を越えて





夏休み明けで一皮剥けた奴等は、大体が何かしらの柵を越えたか体験した側

「ふぁぁあ……………」

 

天覇のジークヴルムとの決戦終結、及びジークヴルムの復活(リスポーン)という奇跡が起きた後、シナリオクリアのプレイヤーの皆さんから『オハナシ圧』が強まったが、始業式や出社等のリアルイベントに人は勝てなかった。

 

自分含めて多くのプレイヤー達がシャンフロから現実世界へと戻り、朝食やらシャワーやらの後に其々の戦いへと一歩踏み出して行くのである。

 

「久し振りの大学だ、気合入れて行こう」

 

サングラスを掛けて身形を整え、いざ大学の講義に赴かん─────────!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「永遠様の彼氏ってマジなの?!?」」」」」

 

うん、知ってた。というか大体こうなると頭の片隅で予想はしてた。

 

大学到着から講義が始まるまでの時間帯、此方が準備に勤しんでいた所にやって来た大学生達に囲まれて、サングラスを取ったら全員から視線を向けられ、全員から質問されたんだから。

 

「マジだよ。其れがどうしたの?」

「いやいやいやいやいやいや………!?俺は認めない、こんなん夢だ、悪い悪夢………!」

「残念だけど現実だよ。時に痛みを受け入れ、人は前に進む事でしか傷は癒せないんだよ」

「「「うわあああああああああああああああ!?!」」」

「ウソダドンドコドーン!!?」

 

誰だったか知らないが、数人の男子と女子が悲鳴を上げて崩れ落ちる様を目の当たりにし、其の人達は天音(あまね) 永遠(とわ)邪教徒(ファン)(強火か過激派)だと認識しながら、他の人からの質問攻めにも遭った梓だった。

 

尚、大学での講義の合間やらも含めて質問攻めに遭ったり、バイト先でも利用客からの質問攻めを食らったり、同じシフト内の店員からも同じ質問やらを受けたりしたが勤めて冷静に返答したり、店長達が新商品プロデュースをする事で事無きを得たのである……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バイトを終えて夕食を取り、講義の復習をしてシャワーを浴びれば、楽しい楽しいシャンフロの時間。GGCの報酬・最新型VRシステム(チェアバージョン)の動作確認を含めたチェックを挟んでシャンフロへログイン。

 

ジークヴルムとの決戦を終えてラビッツに戻り、兎御殿のベッドでログアウトしたので、目を覚ませば兎御殿のベッドの上に寝転がっており、此方のログインに気付いたかアイトゥイル・ディアレ・ノワ・ヒトミが顔を覗き込んで来る。

 

「あ、ペッパーはん!」

「やぁ、おはよう。ペッパーさん」

『ワゥ!』

「おはよう、契約者(マスター)。貴方が寝ている間に『色々な事が起きていた』。其れから個体名アーサー・ペンシルゴンから契約者(マスター)へ、伝達を記載した紙を手渡されている」

「色々、ですか………」

 

ヒトミからペンシルゴンが書いた伝達事項入りの紙を受け取りつつ、彼女から其の色々な事を聞いたのだが…………。

 

「…………マジですか?」

肯定(えぇ):此の兎御殿に個体名イムロン並びにオイカッツォが、個体名アルフィオンス及びユーゼオの案内で来訪。ヴァイスアッシュとの面会を行い首輪を賜り、先程まで就寝中でした」

 

数多存在するシャンフロ鍛冶師プレイヤーの中でも、現状唯一の名匠&古匠鍛冶師にガンスミスライセンスを持つイムロンと、緑竜ブロッケントリードのフィニッシャーとなったオイカッツォがラビッツのユニークシナリオの発生条件を満たし、ヴォーパルバニーに案内されて兎御殿にやって来たという。

 

因みにイムロンの担当はジェータ、オイカッツォは案内したユーゼオがサポートに回ったらしい。

 

「此れから先、また賑やかになりそうだな………。取り敢えず先生の元に行って報告しなくちゃね」

 

ジークヴルムの復活含めて報告は大事、故に迅速に終わらせるに限る。

 

パーティーメンバーを連れて謁見の間へ赴けば、其処にはヴォーパルバニー達の大頭、或いは七つの最強種(ユニークモンスター)の一柱、シャングリラ・フロンティアという世界(ゲーム)の根底に関わっている疑惑が有る『ヴァイスアッシュ』が、古き友である『ポポンガ』と一緒に居り、ペッパーはジークヴルムとの決戦や戦の後に復活したを含めて話しつつ、全員五体満足で生還した事を伝え切った。

 

「そうかぁ、ジークヴルムが蘇ったかぁ………」

「フォッフォッフォッ………。おぉ、あやつが蘇ったか」

「えぇ、灰の中から不死鳥の様に………。とは言っても、人間大のサイズでしたが」

「カカカ………アイツはァ、驚いてたかい?」

「はい」

「…………そうかぁ、そうかぁ」

 

年代物の味が入った人参型の煙管で煙を吸い、天井を見上げて息を吐くヴァイスアッシュと、瞑目し喉を鳴らしたポポンガが何を考えているのかを、ペッパー達が知る術は無い。

 

そんな中、ヴァイスアッシュがペッパーをジッ…………と見詰め、軈てこんな事を聞いてきた。

 

「そういやぁペッパーよぅ。おめぇさん………『俺等(オイラ)ぁの鎧』はまだ使ってねぇみてぇだな?」

 

ヴァイスアッシュが言った鎧…………其の名は世界を知り得し旅兎王装(モポルシィーヴ・リフトゥルー)であり、神の御業を持つ至高の領域の鍛冶師たる神匠の彼が、十日十晩の時間を掛けた果てに『不滅』の最強種たる力の粋を注ぎ、此の世界に産み出された凄まじい鎧だ。

 

「はい。自分はまだまだ修行が足らないと自覚しています故、更なる精進をせねば…………と考えています」

 

此れは事実でも有り、鍛冶を執り行うにしても『火を入れる炉』や『鍛冶を行う場所』等の問題も解決しなくてはならない上、少し時間が掛かってしまう。

 

しかもペンシルゴンからの伝達によれば、9/3には『装骨城砦スカルアヅチの謁見の間にて慈愛の聖女イリステラを踏まえた、七天極星(グランシャリオ)のリーダー格達と元ノワルリンド討伐派の首領達+スペリオルアビスのリーダー・ヒュクノティム、イムロンとラピスを交えてのペッパーやサンラクに対するオハナシ大会を開く』という物だった。

 

「ほぅ…………。おめぇさんが纏う『ヴォーパル魂』からすれば、鎧の持つ御業で『良い逸品』が作れるたぁ思うんだがなぁ………」

「……………と、言いますと?」

「……………フッ。そりゃあおめぇさん───────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジークヴルムの角を使って、俺等(オイラ)ぁが持ってる鍛龍(タンリュウ)()()()()を打てるってぇ事だぜ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………はい?」

「ほぉ、お前さん程の漢が其処まで言うとはの」

 

いや、マジで?あ、マジだわ。ヴァイスアッシュの目、アレは本気(マジ)で言ってる目だ。

 

えっ、何?ヴァイスアッシュが打ったっていう、オルケストラとウェザエモン以外の最強種達(ユニークモンスター)に関係有る天下五剣(てんかごけん)を自分が作れると?

 

「そうさなぁ………おめぇさんが持ってる『ジークヴルムの角で作った逸品』が出来たらよぉ。オイラに見せてくれや」

 

何処か期待するかの様な、何処か試す様な言い方でヴァイスアッシュが笑みを浮かべれば、目の前に新しく画面が表示されたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

『ユニークシナリオ【神の御業:龍角を覇刀に変えて】を開始しますか?【YES】/【NO】』

 

 

 

 

 

 

 

突発的に起こった、ヴァイスアッシュからのユニークシナリオ……………其れは彼の造り上げた鎧の力で、彼が持つ得物の一つを作ってみせよという『試練』で有ったのだ。

 

コレをビィラックやイムロンに話したら、頭から引っ繰り返りそうな予感がするのは、最早気の所為じゃ無いと思いつつも、ペッパーはポポンガに話を聞いてみたのだが─────────

 

 

「………………ホッホッホ。ワシから言えるのは鍛龍を創り出すならば、お前さんが其れを用いて『何を成し遂げたいか』を、強く意識して鎚を振るう事じゃ。ヴァッシュが託した鎧の力を引き出せるとは、即ち其れを作る『作り手の姿勢』が武器に現れる事でも有る…………。其の意味を良く考え、何を目指すかを見定める事が必要じゃよ」

 

 

─────────と言った事で、肝心の鍛龍に関する情報は何一つ手に入らなかった。恐らくヴァイスアッシュが口止めしたか、ポポンガ自身が友を売る様な真似を嫌った可能性が高いのだろうが…………。

 

どうにもポポンガの言葉に、何かしらの『含み』が在る気がするのは気の所為では無かった。

 

 

 






其の手で打て




※尚、楽郎と玲は一緒に高校に登校したのを同級生にバッチリ見られ、関係に関して問い詰められて恋人同士になったのが知れ渡り、一部の生徒が阿鼻叫喚になった

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