VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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ヴァイスアッシュからの試練




鍛冶師非ずとも、課された試練は越えねばならぬ

ヴァイスアッシュからのユニークシナリオ【神の御業:龍角を覇刀に変えて】。

 

内容がジークヴルムの角…………正確にはアクセサリー・霊角(れいかく)残影(ざんえい)を用い、彼が作った天下五剣(てんかごけん)が一工・鍛龍(タンリュウ)を作ってみせよという、彼の鎧を受け取った者として課された試練を越える為、ペッパーは有識者達に鍛龍の事を聞くべくビィラックの元を訪ねたのだが─────────

 

「姉弟子………!!!」

「な、何なんじゃワレは!?」

 

彼女の鍛冶場で中年鉱人族(ドワーフ)のおじさん、頭上に『イムロン』と掲げるプレイヤーが其れは見事なまでの『土下座姿勢』でビィラックに頼み込んでいるという、何とも奇妙(カオス)な光景が生み出されている状況だった。

 

そして室内にはサンラク・ペンシルゴン・オイカッツォが其々のヴォーパルバニーと共にやり取りを見守っており、いの一番に気付いたペンシルゴンが声を掛ける。

 

「やぁやぁ、()()あーくん。伝達は見てくれたかな?」

『グルルルルル……………!』

「お、ペッパーじゃん」

「やぁペンシルゴン、サンラク、オイカッツォ。ヒトミさんから大体の事情は聞いたけど、何が起きてるの?」

「まぁ、俺達も詳しく把握してる訳じゃないんだが…………」

 

外道三人衆の話を聞いて情報を纏めて要約した結果、イムロンは大鎚のオイカッツォは篭手の致命(ヴォーパル)武器を用いて、ジークヴルムの決戦フェーズにて条件を満たした事により、ラビッツからのユニークシナリオを受注して兎御殿にやって来た。

 

オイカッツォは先程ヴァイスアッシュに謁見して首輪を受け取り、此れからタンクな見た目をしている『ヴォーパルバニーのユーゼオ』の案内で実戦的訓練に赴くそうだが、イムロンに関しては朝方に兎御殿をジェータと探索中、ヴァイスアッシュの鍛冶場面を偶然にも目撃し、そうして『鍛冶師としてマジリスペクト』やら『モーションがエモい』との事で、直接弟子入りは畏れ多いとビィラック経由で口添えを御願いした…………というらしい。

 

「うーむ………」

 

イムロンには武器に関しても世話になったり、此方が流した情報で古匠就職とガンスミスライセンスを取得した点を含めても、信用に値するプレイヤーでも有る。

 

当初の目的である『鍛龍に関する情報』をビィラックから得る為にも、取り敢えず土下座体制のイムロンをどうにかしなくてはいけないと思っていた所、漸く(彼女)が此方に気付いた。

 

「あ、ペッパーさん!?」

「やぁ、イムロンさん。ラビッツのユニークシナリオを受注したみたいですね」

「此の件を掲示板に流さないと約束するから、何とか『先生』に弟子入りしたいから力貸してくれない!?」

「実戦的訓練で十体抜きしてからじゃないと、多分話聞いてくれないかも知れませんよ?」

「じゃあやってくるッッッ!」

 

そう言ってイムロンはジェータを抱え上げるや、ドドドド!とヴォーパルコロッセオに向かって走り出し。そんな中でも此方に視線を送っている外道三人衆から、色々と『オハナシ』されそうな予感を抱きながらも本命を聞き出すべく、ペッパーはビィラックに話し掛ける。

 

「ビィラックさん、ビィラックさん。ちょっと聞きたい事が有るんですけど良いですか?」

「ん、何じゃ?武器や防具の改修か?」

「あ、いいえ。実はですね……………ヴァッシュ先生から『先生が作った鎧の力を用い、ジークヴルムさんの角を使って天下五剣の一工・鍛龍を作れ』という課題を受けたのですけども……………」

 

そう言い切ったペッパーに、ビィラックは事の重大さから口をあんぐりの両目をかっ開いて引っ繰り返り、オイカッツォはヴァイスアッシュに関係する様々なパワーワードの連打に『ユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニーク………………!』と呟き出し、サンラクとペンシルゴンは視線を送り合った後に無言で頷くや、オイカッツォも含めてペッパーの肩へ其々手を乗せる。

 

「「「ねぇねぇペッパーくぅん???取り敢えず我々としっっっ………かり『オハナシ』しましょうかぁ〜〜〜んんん???」」」

「アッハイ」

 

 

 

 

*****************

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ペッパー、説明中……………

 

 

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「という訳なんだけど…………」

「そりゃジークヴルムの角を再生前と再生後に二回も斬り飛ばしたり、水晶巣崖にシグモニア前線渓谷(フロントライン)で死なずに討伐周回し続けりゃ、ヴォーパル魂も高まるわな………」

「成程ねぇ…………あーくん、ヴァッシュの兄貴から随分『気に入られてる』みたいだねぇ〜…………」

「ユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニーク………………!」

 

三者三様の反応、兎達に至っては『とんでもない奴』と言った視線を向けられている中、漸く落ち着きを取り戻したビィラックと言えば、其れは其れは大きな大きな溜息を吐き出した。

 

「っはぁあああああ。…………ワリャはワチから見ても『だいぶイカれちょる』と思うとったが、此処まで来れば頭が痛くなるけぇの…………」

「……………怒ってます?」

「んな訳有るか。親父が『其処まで』言うんなら、鍛冶師の端くれのワチも手を貸さなぁアカンわ」

 

彼女がポンポンと金床を軽く叩く、其れをやる時は決まって『彼女が話をする時』であり、同時に『座って話を聞け』という暗黙の合図となっているので、付き合いの長いペッパー・サンラク・ペンシルゴンの三人は正座をして座り、遅れる形になったがオイカッツォが正座体勢になったのを見て、ビィラックは話を始めた。

 

「親父が作った天下五剣…………其の一振りの鍛龍は、嘗て親父が黄金の龍王たる天覇のジークヴルムから『友情の証』として自ら角を折って贈呈された(モン)を、神匠が持つ究極の御業……………『概念形成(コトナリ)』っちゅうモンによって作ったんじゃ」

 

ビィラックの口から出て来たパワーワードに、四人と兎達は顔を見合わせ。此れはイムロンも踏まえた方が良かったのでは?と、若干引き攣った表情をしつつも頷き合っていれば、ビィラックは話を続ける。

 

「………ワチは古匠故、概念形成はまだ使えん。使えるんは親父と、親父が作った鎧を纏って力を引き出し切れる者、後は…………『親父が嘗て逢ったという人間の鍛冶師』だけじゃな」

「「「「……………ん?!」」」」

 

彼女の口から出て来た情報に四人の視線が一気に向いた。其の言葉を正しく理解するならば、其の人間の鍛冶師が存命か否かは不明である物の、其の人は『ヴァイスアッシュと同じく神匠の領域に足を踏み入れた存在』だと、そう理解出来るのだから。

 

「あ、あの、ビィラックさん。其の人間の鍛冶師って…………まだ『存命』だったりしますか?」

「其処はワチには解らん。親父か大賢者殿か、或いは…………」

 

取り敢えず解った事、其れはヴァイスアッシュ以外にも神匠が居て、其の存在が明らかになれば旅狼(此方)が持っている鍛冶関係のアドバンテージが、少なからず揺らぐという事だ。

 

其れでもイムロンが兎御殿にやって来たので、何れにしても『神匠の就職条件開示』も視野に入れるべきだろう。

 

「………どーしよっか、コレ」

「まぁ、無難に秘匿って事で良くない?」

「だよねぇ…………」

「俺は此れからエードワードさんに会って、鍛龍の事を聞いてみようと思う」

 

そんなこんな有って、ペッパー・サンラク・ペンシルゴン・オイカッツォはビィラックに装備修繕を依頼し、ヴォーパルバニー含めた仲間達と共にエードワードに鍛龍の事を聞く為、早速行動を開始したのであった…………。

 

 

 






人捜し(難易度:神級)




概念形成(コトナリ)

此のユニバースに置ける、鍛冶師系隠し最上位職:神匠の領域へ至った者のみに許された最高峰の御業であり、概念の存在を物質化させて加工する事が出来る技術。

ヴァイスアッシュは此の力を応用した『概念■(こと■)■』で、嘗て存在した大陸級超規格台風・津波・地震の三つを調伏し、三振りの■■■■■を作り出した…………という設定が有る。

現時点で使えるのは神匠のヴァイスアッシュと、ヴァイスアッシュと関わった人間の神匠、そしてヴァイスアッシュの力を込めた一式装備を纏った状態のペッパーとサンラクのみ。

但し此の御業を使うには神匠持ちに実演して貰い、目視する必要が有る。つまりは─────────

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