勝負の行方
『マジか………フィドラークラブのハサミで届かない、だと………?!』
「いやいや。もう数cm踏み込まれてたら屍晒したのは此方だったし、おまけにギガノトフォートレスの『中身』を引っ張り出されたのは、サンラクとフィドラークラブが初めてだよ」
『つまり乱数の女神か、チクショーめ…………!』
結論から言えば、フィドラークラブとギガノトフォートレスの戦いは、六式断砕シザーユニット【ブックメーカー】に巨大実体盾二枚を半壊させられ、其のブックメーカーを破壊したと思った所に
盾及びアタッシュアーマーが次々に切り崩されながらも、至近距離でショットガン二丁流&
リスポーン後に休憩がてらサンラク達と対面、そして解き明かされたギガノトフォートレスの特色を、サンラクはヤカン頭のアクセサリーからでも解る『お前マジかよ』の雰囲気を醸し出しながら、答え合わせを行った。
「腕四本のネフィリムを覆う様にアタッシュアーマーを『被って』、其の上に四枚の巨大実体シールドと頭上は円型シールドを載せて保護しつつ、ジャミングユニットで誘導兵器を妨害しながらガードによる時間稼ぎ。そしてアタッシュアーマー内に積載した武器やパーツを戦闘中に
「一応別のゲームで四本腕を操るって行動してるのと、予めアタッシュアーマーの何処に何を入れてるかを
「あのなぁ……………其の『大抵』が出来る奴、ネフホロや別ゲーでも『数えられる程度しか居ねーんだわ』。自分が普通じゃないって、ちゃんと自覚して?」
先輩プレイヤー達も唖然やら驚愕やらの雰囲気を醸し出し、とんでもない劇物プレイヤーがやって来たと溜息を付く。
何せネフホロ…………
ゲーム評価でも『多重人格者推奨ゲーム』やら『一人でボーカル・ギター・ベース・キーボード・ドラムをこなすような操作性』と揶揄され、其れを恙無く行える時点で『普通側の人間』では断じて無く。仮にホットペッパーが操作か指揮の何方かに役割を絞って行動しようものならば、唯でさえ異質な其の強さは『より際立つ』事になるだろう。
「まぁギガノトフォートレスって爆弾や弾薬をアタッシュアーマーに積載してて、火炎放射系の武装で炙られたりするとアーマーパージするしか手が無くなるし、本体の耐久は其処まで高い訳じゃないからアタッシュアーマーの上からパイルバンカー系で貫かれると簡単に落ちるんだよね。後は装甲の隙間から爆弾系を放り込まれても、連鎖爆破でジ・エンドになるよ。所謂『トーチカ』みたいな物だと思って貰って良い」
「……………其れ仮にアーマーパージで『タンクタイプからスピードタイプに変わって、吹っ飛ばしたアタッシュアーマーの武装でゲリラ戦』やっても同じ事が言えんのか???」
「おぉ、其処まで気付くとは…………流石サンラクだね」
「うん。間違い無く『イカれてるわ』、お前」
サンラクの発言に先輩プレイヤー達もコクコクと頷いて同意を示し、そしてギガノトフォートレス攻略にやって来たルスト&モルドが、スピードタイプながらも火炎放射やパイルバンカー等の迫撃武装を満載に搭載した、対要塞型攻略を主眼とする新型ネフィリムを持って来て、ホットペッパーに挑戦状を叩き付け。
其れを受諾して挑んだホットペッパーとギガノトフォートレスは、三分後にはネフホロチャンピオンによって文字通り『丸焼き』にされて、飛び出して来た所をルスト&モルドのネフィリムにボコボコされたのであった…………。
「やられた…………流石ネフホロチャンピオン、GGです」
「GG…………でも、二分で潰せなかったのは悔しい。…………ので、もう一回…………!」
「いやいや、流石に沢山やったから休ませてくれよ…………」
「家のルストが本当にすいません…………」
ルスト&モルドによるリベンジの完遂、チャンピオンコンビの代名詞たる機体を退け、新機体を引っ張り出させる程の堅牢な防御力と武装の数や種類を絞り込む事で、他のプレイヤーにも使う事が可能になる、現代型クアトロキャノンこと『要塞蓑虫構築』の躍動。
嘗て新たな環境として広まった『望潮型双脚構築』ならば五分の状況に持ち込めるというサンラクの証明、其の構築に『キングスギャンビット型』ならば七割優位を取れるという実証結果の提示、キングスギャンビット型相手に優位を取れる『翡翠構築』の存在。
其のキングスギャンビット型や翡翠構築相手にも専用武装無しでは通らない要塞蓑虫構築の出現が、ネフホロに新しい風を吹かして環境が目まぐるしく変わって行くのを、ルストやモルドにサンラクは感じたのだ。
「ホットペッパー、出来るなら…………ネフホロを続けて欲しい。出来る事なら、毎日ログインして対戦を…………。次は
「………数日に一回くらいなら良いけど。あとギガノトフォートレスとは別の機体も作って試して、色々な答えを導き出したいのは有るから、やるのは其の時にね」
「其れなら良い。……………あとネフホロ2、ホットペッパーも当然買うよね?」
グイグイかつズズズイッと迫りつつ、物凄い眼力で此方を見るルストに、ペッパーは御約束とも言える台詞を以て問う。
「…………じゃあ買わなかったら?」
「『ネフホロは良いぞ!』と………、ホットペッパーの記憶に染み付くまで言い続ける」
「其れもう洗脳じゃん」
「家のルストが本当にすいませんッ!!!」
サンラクがルストを妖怪ネフホロ狂いと言ったが、此処まで関われば表現に間違い無いと納得するには充分で。彼女の瞳には燃え滾る
「来るネフホロ2の世界に備えて、シャンフロも無印も手を抜かずに全力でやる。新しい戦術機をベースに、私だけの
ネフホロの世界を通じて、作り手の『情熱や願い』が
また何時の日かやろう