始まる
9/3、午後十時半─────────天覇のジークヴルムとの決戦によるダメージが残りながらも、新大陸の各地に点在していた亜人種達の協力を得る形で更なる発展を遂げていく前線拠点。
其の象徴とも言える元ノワルリンド討伐派閥こと『黒竜討伐隊』、現在は『新大陸建設』と命名を改めたプレイヤーの中でも、建築職の最高峰:大棟梁の笑みリアを中心とした建築職プレイヤー者達の手により建てられた装骨城砦スカルアヅチ…………其の謁見の間にて集った七クラン連盟『
海洋調査という点で連盟クランのSF-Zooやライブラリとも関わりを持ち、シャンフロの『船』に関する情報を少なからず持つ、クラン:スペリオルアビスのリーダーたる『ヒュクノティム』に、スカルアヅチの代表者たる『笑みリア』にスカルアヅチの城主たる『
シャンフロプレイヤー最高峰の鍛冶師たる『イムロン』に、シャンフロプレイヤー初の
「さて、諸君。今日は忙しい中、こうして集まってくれた事に感謝すると共に、此の話し合いがより良い時間になる事を祈ろう」
きゃるんきゃるんなロリ魔法少女ながら口から出るのは、激渋おっさんボイスという初見では噴く可能性が極めて高い、考察クラン:ライブラリのリーダー・キョージュが一言述べ、参加者全員の視線がキョージュに向いた後に数秒の間を置いてペッパーへと向けられる。
尤も此の会談の主目的が『クラン:
ストッパーを担う為にサブリーダー兼交渉役のアーサー・ペンシルゴンと、鉄砲玉ながらも同じホルダー持ちであるサンラクも同席しては居るが、此の二人も旅狼外道四人衆の中のプレイヤー達の為、会談の内容次第ではあっさりと裏切って利益の為に売り飛ばす可能性が引っ付いている事からも、ペッパーは此の談合を実質『一対多数の中での戦い』と認識を改めて身構えており。
そんな彼の思考と裏腹に、各陣営が其々で叶えるべきタスクと思惑を孕んだ中、此のオハナシ会は幕を上げて。其の口火を切って初手に動いたのはエリュシオン・オートクチュールだった。
「先ずは私から。本当であればジークヴルムとの決戦フェーズにおいて、大々的に公表と行きたかったのですけれども、やはり人数分製作ともなれば相応の時間を有しました。ですが!今此処に示せるだけの逸品を───────此のシャンフロの地に立つ数多のメイドスキー達の為の逸品は、此処に完成と相成りました!!」
そう言ったメイド服のナイスガイがパチン!と高らかに指を鳴らせば、クラシカルタイプのメイド服を着た一体の褐色黒髪モデル体型の
「彼女は私と契約したアズハール=
「おぉ。其れが前に言ってた破損を、修復でゴリ押し回避するメイド服か」
「うむ!ペッパー氏含め、数多のプレイヤーに着て貰う為に相当数を用意し、こうして今在る全てを超一品として仕上げ切るに至れた訳だ。何れ数着売る予定も有るが、やはり先ずはパトロン氏に着て貰いたい」
「OK、解った。取り敢えず俺も準備するわ」
そう言ったサンラクとサイナがヨヨから説明を受ける中、他のプレイヤー達にエリュシオン・オートクチュールは直々に説明を開始。
決闘級メイド服「千古不易」は防具としての頭・胴体・腰・脚装備に加えて、修繕を行う為の『カートリッジアクセサリー』を併用する必要が有り、アクセサリースロットを五枠消費した運用を行うそうで、四枠運用自体は出来なく無い物の、万が一を想定した五枠消費を推奨している。
そして仮に装備者が戦闘中に一切のダメージを受けず、リュカオーンの
ただし此のメイド服は、宝石匠の極致たる宝石織の技術特性によって宝石や鉱石の特色が反映された結果、打撃武器の面による衝撃や氷属性の凍傷効果等の『プレイヤーに直接ダメージを与える攻撃』には弱く、特にペッパーが持つユニーク小鎚三兄弟の『鉱石吸収効果』は、面による打撃+鉱石や宝石の特性を持つ此の服には『天敵レベル』でブッ刺さるといった弱点を抱えていると、エリュシオン・オートクチュールは言ったのだ。
何時の間にかユニーク小鎚の情報が流れていたと考えたが、おそらくロックオンブレイカー・マッドネスブレイカー・ギルフィードブレイカー・ライダメイズブレイカー・ヴァンラッシュブレイカーの事を粗方調べ尽くした、武器狂いのSOHO-ZONEと彼のクラン:ウェポニアが公開した情報なのだろう。
(とすると、ソウちゃんの議題は『ユニーク小鎚三兄弟の量産を可能にする製造秘伝書』の閲覧は確実に議題に上がるとして、他には………
エリュシオン・オートクチュールの発言、此の場に居るプレイヤー達の状況を踏まえて話を精査し、何を仕掛けて来るかを予測したペッパーが備えておく中、エリュシオン・オートクチュールからの話は終了。
ヨヨから決闘級メイド服「千古不易」に必要なガジェット一式を貰い受け、インベントリアへ入れた所で次なる議題へと移り。
「次は私で良いかしら?」
ペッパーの活躍によって高き壁を越え、シャンフロの世界でプレイヤー初の宝石匠となり、三人の弟子を抱えたラピスが発言で。
其の表情は『何か報告をする前の緊張感を含んだ様子』と見られる中、彼女の口から告げられたのは──────
「コホン。えー此の度、宝石匠の私ラピスは!ジークヴルムの決戦フェーズの果て……………『鍛冶師職最上位職業:名匠に就職しました事』、此処に御報告させて頂きます!!!」
ラピスの発言─────────其れは嘗てイムロンが立っていた、鍛冶師職の
現在はペッパーによってイムロンを通じ、神代の遺品たる
「おぉ、おめでとうラピスちゃん。もしかして其のまま古匠も目指しちゃう感じ?」
「先にプレイヤーやNPCから依頼された、武器防具を全部直してからね。リヴァイアサンとベヒーモスには、古匠就職に必要な銃火器と魔力運用ユニットが在るってイムロンさんが言ってたし、一通りやるべき事をやったら就職するわ。其れから後でペッパーさん達と個人的な『ビジネス』について話がしたいのだけど良いかしら?」
「OK、其れじゃ会談終わったらね」
ペンシルゴンが予定を問い、ラピスが其れに答えて。サンラクとペッパーとペンシルゴンはメモ用紙を渡し合って、状況を共有から会談の進捗とボルテージ次第で『神匠の就職条件開示』も視野に入れた発言をする事と決めつつ、ラピスから舞い込んだビジネスを見据え。
そして次なる一手を仕掛けるは…………
「では、次に私からの発言を」
シャンフロで武器狂い、未知なる武器や防具を調べ尽くして解き明かす事を主とし、活動するクラン:ウェポニアにリーダーのSOHO-ZONEが早くも動いたのである。
新たなる到達者と新たなる質問者