VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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七天極星(グランシャリオ)会談、彼の者が持つ価値

ワールドストーリーが第四段階に進み、世界に現れただろう始源存在達に対する警戒をシャンフロ廃人や上位勢のプレイヤーに伝えた後、幾つかの質問やらが飛んで来たり応対したりと兎にも角にも大変だったが、色々と有意義な情報も幾つか手に入った。

 

旧大陸に居る一部プレイヤーからは『六本足の黒い風船みたいな蛙らしきモノを見た』という情報や、別のプレイヤーのフレンドは『滅茶苦茶痩せた青い仔馬を目撃した』という情報が出て来た事で、キョージュは『おそらく其れが旧大陸の黒と青のレイドモンスターだろうね…………』と仮説を唱え、ベヒーモスに永住を決め込んだライブラリのメンバーを調査に当てる事にして。

 

大陸側を開拓するプレイヤー達にも始源存在へ警戒を厳重な物にしつつ、樹海突破を邪魔しかねない『ドラクルス・ディノサーベラス"緋色の傷(スカーレッド)"の撃破』を目下のタスクとしつつ、樹海から先のエリアで『変なモンスターを見掛けたたら情報を専用スレに投稿する』事で話は進んだ。

 

「ペッパー君。私から君に質問が有るのだが…………良いか?」

 

次に問いを投げ掛けるは嘗て黒狼(ヴォルフシュバルツ)と名乗り、今は結成当時の目標たる『夜襲のリュカオーン討伐』を果たす為に分裂した、クラン:黒剣(シュバルツシルト)の団長・サイガ-100。

 

「はい、サイガ-100さん。何でしょうか?」

「白竜ブライレイニェゴを君が城帝闘壁爆技鎧(キャヴイナス・ストゥナー)シリーズを纏って、サマーソルトキックで大打撃を与えた時に言っていた『同調連結(ハイコネクション)スキル』という物だが…………アレは『どうやって手にしたんだ』?」

 

同調連結スキル─────────ペッパーやサンラクが己の持つ培ったスキル達を銭ゲバ兎(エルク)の元で複数束ねて重ね合わせる事で産み出された、小回りが効かないながらも絶大なる出力を誇る、文字通りの『切札』に等しい力を齎す存在。

 

おそらくサイガ-100は『対リュカオーン』を見据えて、同調連結スキルで更なるパワーアップを目論んでいるのだろうが、此のシステムに関して『特段隠す事も無い』ので、プレイヤー達と共有しても良い。寧ろホルダー持ちとして、自分を越え得る後発のプレイヤー達の一助となるならば、教える甲斐が有るという物だ。

 

「先ず大前提として、同調連結スキルは『レベル100以上のプレイヤーがスキル剪定所(ガーデナー)を利用する事で手に入るスキル』であり、プレイヤーが習得しているスキル同士を連結させる事で、合成スキルとはまた違う意味で強力なスキルを作り出す方法です。

同調連結スキルの特徴に『連結するスキルの上限が存在しない事』、攻撃や防御に機動系や視覚等のスキル属性が合成では引っ掛かるのに対し、同調連結スキルは『一切の縛りが存在しない事』、そして『同系統のスキルを纏める事』で更に強力な物に変貌していきます。おそらくですが、スキルで同調連結が出来る様に『魔法でも同調連結は可能』と睨んでいます」

 

エルクに教わり、自分の手で作り上げ、練習と実戦で用いたからこそ理解出来た力。其れを如何にして理解しやすく、他のプレイヤーへ伝えるかを意識した言葉を選んで紡ぐ。

 

「自分が同調連結スキルに抱いた感想ですけど、同調連結スキルは連結元のスキル達の特色や能力を良い所を取り併せながらも、デメリットも顕著になっている一つ一つがハイブリッドで強力ながらも、同時に小回りが効かない雑種剣(バスタードソード)の様な存在で。

剪定所の店主にもよりますがスキルの連結には『レベルかマーニ』を要求され、一連結毎に『一レベルか一億マーニを支払う必要』が有り…………連結は剪定所で何時でも『解除』出来る代わりに、解除にも『同額の費用が掛かる』ので御利用は計画的に」

 

スキルに魔法を重ね、一つに纏めて新たな力とする同調連結スキル。魔法でも同様な事が出来るともなれば、竜災大戦で産まれた最大魔導(マギストスホルダー)にも届く可能性が見えてくる物だ。

 

「其れから留意点として『フラッシュメモリーや職業系のスキル』……………マクセル・ドッジアーツやパトリオ・ストイック含めたベヒーモス産のフラッシュメモリースキル、晴天流(せいてんりゅう)星天秘技(スターアーツ)は同調連結に組み込め……………あ」

 

『やっべミスった』と言いた気な表情をしたペッパー、其れをペンシルゴンやキョージュが見逃す筈が無く。

 

「ペッパー君、ペッパー君。今さっき君が述べた、スターアーツってのは何なのか…………私達と確り『オハナシ』しましょうかぁ〜???」

「スターアーツ…………また気になるワードだね。ペッパー君」

「解った、解ったから………。そんな目で見ないでペンシルゴン、目が血走っててちょっと怖い…………」

 

何れは誰かが職業を開示するだろうと思っていたが、此の反応からすると自分以外で誰も辿り着いていない様で。

 

自分でやらかしたからには仕方無し、やるならば徹底的にやると決意した彼は、此処まで隠してきた己の秘密を此の場に集った全ての者達へ開示する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「星天秘技…………其れは黒狼時代のサイガ-100さんと大将戦をした時、夜空をヘルメスブートの様な形で走ったスキルを含めて、現在(いま)は重力ベクトルの変更と一歩限定の超高速化に、実体の感触を持つヘイト付与の虚像(デコイ)の置き去り、そして天地両方での円周移動と言った挙動を『夜の時間帯限定で使用可能な機動系スキル群を扱い、其の再使用時間(リキャストタイム)も数分感覚で使う』といった………………『()()()()()()()()()()()星化(スターアップ)した職業の星駆ける者(スターランナー)職業(ジョブ)スキル』になります。

其の就職条件は、ユニークNPC『極星大賢者(スターラウズ)のポポンガさん相手に、個々のプレイヤーが特定の職業に就いた状態で好感度を一定以上持っている事』で、星化職業にジョブチェンジ出来るのですが…………其の試練はおそらく『其のプレイヤーが越えなきゃならない事を算出してる疑惑』が有り、詳しくは自分でも把握していません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天地無用三次元高速疾走軽戦士─────────其れが狼双戦争(デュアルウルフウォー)を通じて、ペッパーというプレイヤーに抱かれていた『大方のイメージ』であり。

 

今此の瞬間に本人(ペッパー)の口から語られた言葉によって、其の積み上げられていたイメージは崩壊から新しい物へと組み直(クラッシュ&リビルド)される。

 

其れは此迄『軽戦士として見続けていたプレイヤー』にすれば、彼へのイメージは根底から覆って引っくり返って。軽戦士という認識で見ていたサイガ-100からすれば、衝撃と共に膝から崩れ落ちて放心状態となり。

 

そして其の後に待っていたのは、ペッパー及びサンラクの二人に対する様々な質問の雨霰だったのである……………。

 

 






勇者の秘密


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