VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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始まる計画




声よ高らかに、君の脳髄に刻み刻みて

プロジェクト・オブ・ペパ子ちゃん……………廃人狩り(ジャイアントキリング)にして元阿修羅会No.2、そして現在の七クラン連盟:七極天星(グランシャリオ)の頭目となったクラン:旅狼(ヴォルフガング)のサブリーダーたるアーサー・ペンシルゴンによって発表された、新旧二つの大陸を叉に掛けたペパ子ちゃんの布教活動を念頭として、始源存在達(レイドモンスター)の発見・討滅を行う─────────という目的を以て始動し。

 

本日はASMR含めたペパ子ちゃんの声、即ちクターニッドの討伐報酬の青色の聖杯の力で性別反転した、女性アバター状態時のペッパー・天津気(アマツキ)の声を、ペンシルゴンやジョゼット達が中心となって前々から用意していたという『台本』を読みつつ、録音可能アイテムを使って録音を並行して奏でる者の旋律羽衣(ダ・カーポ・シェイルンコート)+ライノベレーの帽子を着けた『ペパ子ちゃん代名詞形態』の写真撮影(屋内版)を敢行。

 

ペンシルゴンやサイガ-100にティーアスちゃんを着せ替え隊の協力を含め、ファッション撮影やスクショに精通したプレイヤーによるアドバイスと、撮影を迅速に終わらせてヴァイスアッシュの宿題に取り掛かりたいと思うペッパー本人の仕事に対する姿勢を含んだ事で、彼女()と契約したカルネ=ヒトミも含めた声の収録と衣装写真撮影は着実に進行していき…………。

 

 

「死ねおぁらっ!?」

「黙りゃくぉらあ!?」

「セーラー服だろうが!?」

「いやワンピースじゃろ!?」

「ペパ子ちゃんにはR.I.Pのアオザイが似合う!!」

「ウェディングドレス一択以外有り得ませんんんん!?!」

 

 

今し方、着せ替え隊同士による殴り合いからのクロスカウンターで両者共に戦闘不能、そして他のメンバーも倒れ倒される光景を、彼等彼女等は目の当たりにする事となった。

 

「……………ペンシルゴン。着せ替え隊の皆さんが暴れてるんだけど、大丈夫なのコレ?」

「此方の手伝いするから優先購入権をくれって言ってたのと、衣装製作の人脈橋渡しするから衣装着てくれって言ってたんだよね〜。使い潰すつもりで使って良いって言ったし」

「アイツ等こんな感じだし、馬鹿とバカのやり取りだし気にすんな」

血腥(ちなまぐさ)い戦いなんだよなぁ…………」

 

ヤレヤレ顔をするペンシルゴンとサンラク(女アバター)に思った事を口にし、ヒトミとサイナにニーナ含めた征服人形(コンキスタ・ドール)達と数多のプレイヤーが見守る中、勝ち残った着せ替え隊の面々を全員殴り倒して勝利したのは、元阿修羅会No.3のサバイバアルだった。

 

「テメェ等!俺が総意(テッペン)だ、わ"ぁったか!!」

 

スク水やウェディングドレスにアオザイ、ビキニやら軍服やら執事服にメイド服含めた着せ替え隊同士の蠱毒の果て、チャイナドレスを掲げた中身男の女アバター(サバイバアル)が実物を…………露出が多めなチャイナドレスを持って来て。

 

「実際着てみたけど……………、どう思うよ総監督(ペンシルゴン)?」

「ペパ子ちゃんの魅力とパンチが弱まる」

「………………つまり?」

「まぁ、残念だけど其の形状は『不採用』だねサバちゃん」

「ぐぉあああああ!?!」

「いや座り方とか、立ち位置変えてアングル調節してみようぜ!?例えばこんなのとか?!」

「一応やってみるけど……………どう、皆さん?」

『『『『『『『『『似合わない!!!』』』』』』』』』

「グアああああああ!?!」

代替案(其れなら):此方のチャイナドレスはどうだ?露出をギリギリにし、かつ契約者(マスター)の魅力を邪魔しない物だと当機()は見ている」

「…………そうだね、チャイナドレスはコレでいこうか!」

 

悲鳴を上げて崩折れ落ちたサバイバアルを見つつ、ヒトミがペパ子ちゃん姿の契約者の状態から適切と考えたチャイナドレスを持って見せた所、ペンシルゴンがOKサインを出た事で、其れをベースとする別のチャイナドレス数着をプレイヤー達は選び出し、写真撮影用衣装に区分けして収納していく。

 

「一応今回のプロジェクト、同業他社を捻じ伏せる算段で行くから衣装は『五十着』は確実に、ASMRは『四十五分物を五種類』は確定で作るよ!ペパ子ちゃんにも予定が有るから、撮れる時と録れる時にキビキビ行くよ皆の衆!!!」

 

現実世界(リアル)ではトップオブカリスマモデルの天音(あまね) 永遠(とわ)直々の、ファッション界隈を勝ち上がる為の戦略を展開から、後々に同じ様な事態が起きた時に今回のプロジェクトで培った経験を活かす為、各々がやるべき事を成していくのである…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『……………悪い子だ、仔猫ちゃん─────────』」

「ア"ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!?!」

「ミ"ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!?」

「ホギョフッ!?」

「おわあああああああああああ!?!」

「ぐぶふぅ!?」

「みびゃあああああああああああああ!?!」

「録音者倒れたッ!?!」

「強制ログアウト…………ヤバすぎる…………」

「我が生涯に、一片の悔い無し……………ッ!!ガクッ」

「ジョゼットが声だけで沈んだんだけど!?!」

「アレが、噂に名高い、ペパ子ちゃん…………性の最大火力(セクシャルアタックホルダー)の必殺ボイス……………か─────────グフッ」

「死屍累々…………」

「ペパ子ちゃんマッマ…………」

「駄目だバブみに堕ちた奴がまた一人…………」

 

知ってた、予定調和、いつもの、実家の様な安心感…………そんな言葉達が頭を過ぎる。

 

というかASMRを作る時点から、こうなる事は予想出来てたし、ネカマかネナベが決め台詞で倒れたり、崩折れたり、或いは強制ログアウトしたりしているのを見、ペッパーは自分の女アバター時の声が『天然バ美肉発見器か何かなのか?』と、素朴な疑問を抱く。

 

「……………コレで、TAKE39か。一向に進まんな、ペンシルゴンよ…………」

「一番難関部分だと解ってたけど、コレじゃ流石に進まないね。……………よし、私が録音やるから耐性の無い人全員退避ッ!!此処でキッチリ決めるよ!ペパ子ちゃんもう一回準備、100(モモ)ちゃん達は人避けといて!!!」

「解った、頼む」

 

ボイスによってプレイヤー達が倒れ、死屍累々となり積み重ねれども、プロジェクト・オブ・ペパ子ちゃんは決して止まる事は無い。

 

其の後も最大の難所たる『悪い子だ、仔猫ちゃん』部分のテイク数は、プレイヤー達の奇声や歓喜の声と倒れた際のノイズによりNG判定が重なりに重なり続け、最終的に『撮影風景で録画してたらNG集出来ちゃった』なる報告が挙がって、其の後もNGが続きに続いて、終いには日を跨ぎ。

 

そしてASMRは総TAKE数171の果て、漸くOKが出た事でASMR製作の山場を越えた一向は、プロジェクト進捗を加速させて行くのであった。

 

 

 

 

無論プロジェクト参加プレイヤー達の幸悦で出来た屍の山を、唯ひたすらに築き上げ続けながら……………。

 

 

 

 

 






止まらない、終われない


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