いよいよ大詰め
プレイヤー達の殴り合いや歓喜に黄色い悲鳴が上がる写真撮影と並行して行なったASMRの収録も漸く終わり、プロジェクト・オブ・ペパ子ちゃんもいよいよ大詰めの段階に入った。
ペンシルゴン曰く『写真集作りは下手に妥協するとファンには見抜かれる』らしく、昼に撮るべき写真は昼に撮って、夜に撮るべき写真は夜に撮る方向で進み、時にベヒーモスの天候操作ライセンスまでも用いて雨天を吹き飛ばしたり、逆に雨を降らせたりしながら、騎士姿ペパ子ちゃん・くノ一装束ペパ子ちゃん・スナイパーフォームペパ子ちゃん・バニーガールペパ子ちゃん・女侍ペパ子ちゃん・R.I.P(軍服形状)フォームペパ子ちゃん等の、様々な衣装やシチュエーションを写真に収め。
其の過程でティーアスちゃんを着せ替え隊の面々や参加者が、衣装姿が性癖にブッ刺さった事で奇声や黄色い悲鳴を上げてブッ倒れたり、此方を見る視線が今迄以上にネチョクなったり、途中でペパ子ちゃんにプロポーズしに来たプレイヤーが現れたり、ペパ子ちゃん強奪しに来たという不埒な輩が現れたり。
其の不埒な輩がサバイバアルを始めとした、着せ替え隊の面々にボコボコにされた上で、ペンシルゴンの提案で鎖を脚に引っ掛け吊して宙ぶらりんや、椅子に座らせ縄でぐるぐる巻きにして海に沈めたりするのを見たペッパーが遠い目をしていれば、一部のプレイヤー………ネカマやネナベだろうプレイヤーが女姿のペッパーに頷いて、途中でやって来たオイカッツォに至っては其れは其れは『物凄く良い笑顔』だった。
そして写真撮影は遂に最終局面、今後同じ様にブームが起きたとしても、一番最初という『元祖の強み』を持たせる為に選ばれたのは、旧大陸内でも屈指の危険地帯と同時に、屈指の絶景と景観を誇る表裏一体のエリア『
NPC達は当然退避させた上で、プレイヤー達だけで訪れた……………のだが。
「ペンシルゴン。ソードメン先遣隊が全滅からリスポーンして来たってさ」
「戦術機は無事でも、中の人が無事じゃなきゃ意味ないんだよねぇ………」
現時点で判明している戦術機の中でも、他と比較しても耐久面が断トツに優れたソードメン部隊で
最近は突入に採掘と討伐を繰り返したせいか、蠍達は此方が重ければ砲丸投げやボーリングにゲートボール、軽いならテニスやバレーに野球やサッカーと随分バリエーションを持った殺し方を提供してくれる。
其の内蠍達による『新競技』が開発されそうな予感がするが。
「うーん…………。サンラク君、何とか出来ない?」
「ペッパーが写真撮影で動けないからか。…………俺は自前で行けるが、他の連中は機動力重視でマブダチ達を撮影エリアから引っ張る。他はドラゴメンで兎に角滞空して回避行動を意識かなぁ。一応アイツ等が出現する数には『下限』が在るっぽいから、其の数引き出させりゃ何とかなるだろうが…………」
あーでもないこーでもないと作戦会議は続いたが、最終的にペッパー・サンラク・オイカッツォ・ペンシルゴンが持っている、特殊戦術機竜ドラゴメン・専用パワードスーツ・予備の専用リアクターを機動力と空戦に強いライブラリのプレイヤーが持ち、サバイバアルが着せ替え隊の中でも機動力系統に強いメンバーを選出。
サンラクが水晶巣崖内に置ける水晶群蠍の思考ルーティンをアドバイスし、ペッパーが更に補足を加えつつも最終的に『迅速に撮影を終わらせて迅速に水晶巣崖から脱出する』という事となり、ドラゴメンのエネルギー温存の為に
撮るべき姿はペパ子ちゃんをペパ子ちゃん足ら占める原初装備、ユニークモンスター・
そして案の定というか、悲鳴や叫び声が水晶の地に立て続けに木霊すのが聞こえ、プレイヤーの屍も磨り潰されて大地の肥料にされて行くのを尻目に撮影は進「ヤバい、ペンシルゴン。水晶蠍達の
ペッパーの言葉の直後に水晶巣崖『其の物』が激震、更には揺れに連動して周りから水晶群蠍達が出現する中で囮を買って出たプレイヤー達が此方に来る最中、ペッパーとペンシルゴンに撮影協力者達は『馬鹿デカい水晶群蠍の尾と針』が大地を引き裂き、音を立てて現れるのを見た。
一匹でも充分な、否………充分
「ねぇ、あーちゃん。コレどーするの?」
「まぁ、機材やらはインベントリやインベントリアに収納するのが一番だね。俺は奴さん相手に『やる事』があるから」
「俺もだ、ペッパー。奴は歩く此のエリア其の物、つまり歩く宝石箱みてぇなモンだ。つまり『採掘出来る』、なら掘らなきゃ損だろ」
「あ、其れ私も一枚噛める?」
「俺も良い?」
「カカカ!其れを聞いちゃ、見過ごせねぇなァ!」
ペッパーがアーテクレイブレイカーを、サンラクが剛掘の鶴嘴を取り出して、水晶群老蠍を見上げる様に商機を勘繰ったペンシルゴンとオイカッツォにサバイバアル、他プレイヤー達も撮影機材を収納から、各々が持つ採掘アイテムや打撃系武器を手に取る。
一瞬の静寂、プレイヤーと蠍による戦争、破砕と爆発のコーラスと。そして最後に残されたのは─────────蠍達の勝利に沸き立つ、無機質な鋏の音色の数々だった。
だが其れでも。
プロジェクト・オブ・ペパ子ちゃんの面々は遂に、今回やるべきタスク全てを完遂に持って行く事が出来、最後は編集のみという段階まで漕ぎ着けたのである……………。
タスクコンプリート