課題を果たす
現実世界で一日半の時間を
幕末ではイベントが開始されたが、今回はバトルロイヤルルール採用型の戦いなので、一先ずは様子見&シャンフロで課されたヴァイスアッシュからの宿題、即ちユニークシナリオを済ませると決めている。
そんな決意の下、ペッパーはヴァイスアッシュにマグヌスからの伝言を伝えた後、覇刀作りの材料を求めて
国王にして当代のミダス、ミダス28世の許可を取った上で大祭殿最奥に在る黄金の泉、其の中心部に沸き出す黄金のマグマを
再びファストトラベルでラビッツへと戻った脚で、ビィラックが使っている鍛冶場に向かえば、此方を待っていたとばかりに腕組みと仁王立ちをする彼女が居た。
「ビィラックさん、鍛冶場を御借りしても良いでしょうか?」
「構わん。そん顔見りゃ、既にワリャの頭ん中で『どんな形にするか』は決まっとろう。其れにワリャの事じゃ、ワチにオヤジの鎧を着けた上で
「………………仰る通りです」
スッと横に移動した彼女に一礼後、インベントリアから彼女を含めた頭文字にAtoZを掲げる
続いて取り出すは、神匠鍛冶師のマグヌスが
「目指す形も既に決めてるからな…………!」
此れで素材は全て揃い、作り方と方法もメモに起こし、準備も万全に整った。ビィラックが炉に燃料を焚べて全体を温める中、いざ覇刀作りを実践せりッッッッ!
「行くよ…………【
ペッパーの言霊を旅兎王装が読み取り、概念形成を行う為の水晶付き手袋が左手に嵌り、ビィラックの工房内に漂うマナ粒子を手中に収め、右手の指先を振るえば霊角の残影は浮遊を始め、魔法陣が無数に展開。
左手で掴み収めたマナ粒子を糸として、右手で顕れた魔法陣をなぞり綴って繋ぎ合わせ、概念の存在にマナ粒子との反応による質量の要素を付与、空想を現実へと変える様に、見えない霊角を見える金角へと変えていく。
─────────お前さんが其れを用いて『何を成し遂げたいか』を、強く意識して槌を振るう事じゃ。
ユニークシナリオを受注し、鍛龍についてポポンガへと聞いた時に、彼はそう答えていた。作り手の鍛冶に対する姿勢…………歴史に名を残したいのか、見果てぬ夢を形にしたいのか、はたまた其れとは別の何にも当て嵌まらない物か。
(俺は霊角の残影で、其れを物質化した
ネフホロの世界で自分のネフィリムを作り出し、様々な乗り手との戦いを通じて作り手の想いを受け止め、ティルテェナによってマグヌスと出会い、目の前で概念形成を見た事で見出した
武器に善悪は無く、担い手の心によって善にも悪にも成れ、そして到れるからこそ───────全てを無くし、全てを喪い、全てが消えた果ての果て、其れでも己という存在の奥底の、一番深き根底に宿る『決して
其れがヴァイスアッシュの鎧を用い、鍛龍に比肩する逸品を作る課題に対する彼の心意気。
魔法陣とマナ粒子の結合で
筆を一つ走らせれば物質と成った角は空中にて削られ、同時にインベントリアから取り出した黄金のマグマ入りのカイザーバケットの中身を浮遊させ、旅兎王装を通じて見たマグマの中から水を濾過でもするかの様に不純物を取り出し。
削りカスとして分けられた金の粒達と合わせ、作りし武器の柄や装飾に加工からパーツとし、残された角は濾過して力を凝縮したマグマと溶け合い、混ざり合い、
「さぁ、此処からだ…………!」
煌金の玉鋼を平箸で挟んでビィラックが温めた炉に入れ、熱を加えて鋼全体に熱を与え、そうして適切な温度…………即ち加工に適した状態へ成った事がパワードスーツを通じてペッパーに伝わり、金床に乗せて右手に平箸をオブジェクトとして握り締め、左手に金槌は握り締められる。
「想いを込めて…………!」
一度叩けば、煌金より光が溢れ出す。
「祈りを込めて…………!」
二度叩けば、金の光はより激しく輝いて。
「願いを込めて…………!」
三度叩けば、光は渦を巻きながら部屋に満ち。
「力を込めて…………!」
四度叩けば、満ちた光は流転の星々の如く彩る。
「………………!」
直後、まるで
「…………昏い夜空に、炉の炎。火花は生まれ、闇が舐め取る…………踊る金槌、歌う鉄…………。トンカラカンと、コンキンカン………お前は刃、お前は力………。
土より出でて、木を焚べ、火を育み、金を鍛えて、水にて冷やす…………。世界は巡り、しかして
明ける夜空に、剣の輝き………光を映し、闇を切り裂く………踊る剣に、歌えや世界…………!」
人は鍛冶や農業に置いて、辛い事を続けると精神が滅入り、其れが悪い流れを生み出して、結果を悪しき物にしてしまう情理が在る。
故に人は歌を唄い、疲労や悪態を紛らわせ、心を穏やかに満たし、現在より先の未来を見据えて、己が作る物を良い物にしていったのだ。
何か『大きな存在に背中を押された』感覚と、ヴァイスアッシュの鉄打ち唄を口にした事で、金槌を握る手にも力が籠もる。再び鉄打ち唄を唇で綴り、己が想い描いた覇刀の形を強く
力を集め、鐵を鍛え、刃を研ぎ澄まし、パーツを合わせ─────────
「ふぅ……………」
「出来たんじゃな。…………にしてもコリャ『随分と奇天烈な見た目』じゃけぇ…………」
「此の世界の鍛冶って、作り手の想像力と腕が鍵………と言うか『肝』みたいな感じがします」
「そうじゃの…………其れに関しちゃ同感じゃ。じゃがワチには解る…………コイツは『とんでもなぁ武器』って事がのぉ…………!」
偉業という概念存在だった霊角の残影を、概念形成で物質である覇龍の煌角に変革し、黄金のマグマを濾過して蟹脚筆を合わせ、残りカスの一つすら無駄にしない…………そんな『逸品』を作り上げ。
其の見た目は『柄尻にジークヴルムの顔が付き、ジークヴルムの両手と翼の意装に、尻尾が覇刀たる刃の部分と成った全長約90cmの、逆手持ちにするとジークヴルム其の龍を持つ』とも言える形状であった。
そうしてふと振り返れば、口から泡を噴いてブッ倒れているイムロンと、ニヤニヤニマニマ笑顔のペンシルゴンにサンラク、テレビでは絶対出せない歯軋りと情緒がグチャグチャになった顔のオイカッツォ、キラッキラな視線で見つめるレーザーカジキと秋津茜に、とんでもない物を見たといったサイガ-0が其処に居り。
「やぁやぁ、あーくん。其れがヴァッシュの兄貴から課された宿題の成果かな〜?」
「まぁね。此の刀の
装備を切り替え何時もの姿へと戻り、そう高らかに名付けを行い、ペッパーは龍神楽を掲げたのである。
そうして出来上がった品たる、覇刀:龍神楽をヴァイスアッシュに見せつつ、概念形成を実演した神匠鍛冶師のマグヌスからの言葉を伝え。
ヴァイスアッシュは龍神楽を
そして其れが持つ『力』を高らかに笑った上で、ペッパーに『花丸満点の太鼓判を押した』事により、ユニークシナリオ【神の御業:龍角を覇刀に変えて】をクリアしたのであった……………。
其れはお前だけのオリジナル
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