VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

959 / 1075


激闘の先




キェアアアアア、シャベッタァアアアアア!!!

幕末イベント『極限月下』に置けるブラッドペッパーの最終成績は、イベント最佳境辺りでの参戦と得点の高いプレイヤーをキルした事も有ってか、初イベント参戦で『十位(トップテン)入り』の快挙を成し遂げた。

 

イベント報酬は後日プレイヤーのインベントリに入るそうで、ログイン天誅やログボ天誅に並ぶ『報酬確認天誅』が横行する未来が見える。

 

肝心の一位?レイドボスのユラです、最早幕末イベントでは当たり前の、イベントが終われば幕末イベント一位報酬を巡って『レイドボス・ユラ 対 幕末ユーザーのレイド戦が始まる』流れの為、プレイヤーの間では『何時もの』やら『実家の様な安心感』といった声が有るそうだ。

 

其れは其れとして幕末イベントから一夜明け、ネフホロで武器購入や周回に対戦をしたホットペッパー…………シャンフロ世界ではペッパー・天津気(アマツキ)たる彼が仲間達と共に居るのは、致命兎(ヴォーパルバニー)の国・ラビッツの訓練所ことヴォーパルコロッセオ。

 

「さてと……………。作った者として、『此の子』の面倒をちゃんと見なきゃね」

 

観客席で見守る者達を横目にインベントリアから取り出すのは、逆手持ちにする事で『天覇のジークヴルムを持つかの様な』意匠を施し、ペッパー・天津気が『握りし者の原点を思い出し、其れを叶える様にと願いと想いを込めて』製作した、一本の覇刀。

 

不滅のヴァイスアッシュの権能(チカラ)を宿す一式装備・世界を知り得し旅兎王装(モポルシィーヴ・リフトゥルー)を使い、ジークヴルムの角破壊者報酬の『霊角(れいかく)残影(ざんえい)』を鍛冶師系隠し最上位職:神匠にのみ扱える『概念形成(コトナリ)』で概念から物質に変え、其処に鉱人族(ドワーフ)の故郷たる地下都市ホルヴァルキンの最奥に在る『黄金のマグマ』を加えて作った、ヴァイスアッシュが持つ天下五剣(てんかごけん)の一工・鍛龍(タンリュウ)に匹敵する逸品─────────『覇刀(はとう):龍神楽(ドラグマ)』なのだ。

 

早速インベントリアから取り出し……………

 

 

 

『問おう。オレを手にして、オマエは何を成す』

 

 

 

覇刀:龍神楽の龍頭部の目に当たる箇所が『開き』、口に当たる場所が『パクパクと腹話術』めいて、生みの親であるペッパーに『問い掛けた』。

 

「……………やぁ、ドラグマ。俺はペッパー、ペッパー・天津気(アマツキ)です。俺はもっともっと強くなりたい。でも、ただ強くなるだけじゃ意味が無い。『誰かにとっての英雄に』、そして『託された想いに応えられる』…………そんな人に俺はなりたい。其れを俺は『龍神楽と』、そして『信じる者達と一緒に叶えたい』んだ」

 

ロールプレイを演じるペッパーでは無く、人としてそうなりたいと願う梓の持つ言葉を聞き、龍神楽は暫し沈黙し。

 

『誰かにとっての英雄、そしてオレだけで無く、信じる者達と叶える、か……………『面白い』。であれば、オレはオマエと共に英雄と成ろう』

「ありがとう。あぁでも、俺はドラグマの意見や想いも尊重したいからさ」

『……………そうか。フッ、キサマは随分と変わり者だ』

 

一先ず龍神楽に認められたという認識で良いのだろうが、自分に突き刺さる視線の数々が痛い。

 

何せ現時点で不滅のヴァイスアッシュのユニークシナリオEX【致命兎叙事詩(エピック.オブ.ヴォーパルバニー)】受注に漕ぎ着けたプレイヤー達、パートナーのヴォーパルバニー達に契約した征服人形(コンキスタ・ドール)、そしてヴァイスアッシュ其の兎が此方を見ているのだから。

 

「カカカ………『武器が意志を持って話す』たぁ、作る時に『随分権能(チカラ)を籠めた』のが理解(わか)るわな、ペッパーよぅ」

「先生の鎧に支えられたという事実は変わりません。更に精進し、修行を重ねていきます」

「おぅおぅ、相変わらず律儀だなぁ…………。まぁ、あんま気負い過ぎんなよぅ」

「はい、肝に銘じます」

 

ヴァイスアッシュから太鼓判を押された武器、彼の鎧を用いて作った龍神楽と共に、此の先も戦い続けていくと誓う。

 

「あぁ、そういやぁ『言いそびれた事』が有った」

「言いそびれた事…………?」

 

そんな状況で今の今迄忘れていたかの様な口調で、何かを思い出したヴァイスアッシュが見届けた後去り際、ペッパーと龍神楽を見て一言述べる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おめぇさんが作った龍神楽。其奴はよぅ、オイラからしても『かなり特殊な武器(シロモン)だァ』。見立てが正しけりゃあ─────────『オルケストラにも模倣出来ねぇ武器』だぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………………本当ですか?」

『どうやらオレは、ヤツをして『特別』らしい。誇るが良い、ペッパーよ』

 

オルケストラ…………其の名を冠するは『冥響の歌姫』であり、征服人形との契約及び其の征服人形から『コンサートへの招待状を受け取る事』で、初めて戦いを挑む権利を与えられる七つの最強種が一柱。

 

影法師の試練の時点で過去や当時に現在のプレイヤーが持つ、装備・防具・武器・アイテム・アクセサリーといった物を、一部除いて『完全模倣(パーフェクトコピー)』する疑惑を持つ存在に対抗し、戦えるだけの潜在能力(ポテンシャル)を龍神楽は秘めているらしい。

 

オイカッツォはユニークユニークユニーク…………!と歯軋り、イムロンは数割増しでネットリとした視線を向けるが、あの一式装備はヴォーパル魂が積み上がる程に力を高め、ヴォーパル魂が上昇する行動を繰り返して堅実に積み重ねれば、何れはオンリーワンの逸品でさえも創り出せる。

 

話が一区切り付いた状況で、龍神楽と会話をし始めた秋津茜(アキツアカネ)とレーザーカジキにサンラク達を横目に、次に声を掛けたのはペンシルゴンだった。

 

「あ、そうそうあーくん、ウェポニアにライブラリからの合同依頼で、ブルーポニー相手に使ってた『宝鍠趙弩剣(シャガル=ニュア)』。其の『変形分離合体形態数の検証』をしたいって、私の元に相談が舞い込んだんだ。聞けば君、魚人族(マーマーン)と海中進出予定が有るらしいじゃん?数日は帰って来ない可能性が有りそうだから、今の内にやってみようとの事だよん」

 

長距離の剣・中距離の鎌・近接距離の拳の三形態で、戦闘領域を支配した金晶独蠍(ゴールディー·スコーピオン)"皇金世代(ゴールデンエイジ)"の鋏と、皇帝陛下に付き従う水晶群蠍(クリスタル·スコーピオン)に変異個体の帝晶双蠍(アレクサンド·スコーピオン)の素材を組み込み、黄金のマグマで素材の力を引き出し切ったビィラックによる渾身の代物。

 

言霊や持ち主の手で形態を変える事により、汎ゆる状況に合わせた戦闘スタイルを構築、担い手の想像力(イメージ)が武器其の物の強さに直結する、シャンフロの世界で神代由来の技術に頼らない『変形分離合体可能武器』なのである。

 

「熱心に聞いてたもんね、ライブラリやウェポニアの面々…………。で、何処でやるの?」

「新大陸の前線拠点だってさ。因みにウェポニアにライブラリと協力して、数日前からP・O・Pと並行して観客席やチケット販売なんかもやってたよん♪」

「抜け目無いなぁ……………まぁ良いけど」

「あ、其れわた、オホン!オレも噛ませて貰って良いか?」

「良いですよ」

 

イムロンというプレイヤーはどうにも『特撮関係全般に影響を受けている』という()を持ち、帝晶双蠍の素材で作った『双極撃銃斧(パラボラル・ガナックス)』も特撮玩具からインスピレーションを受けた可能性が有る。

 

ウェポニアの鍛冶師プレイヤーも特撮玩具に影響を受けた武器を作る手合いが居るので、おそらく其の源流は(彼女)が始まりだったのでは?とペッパーは思ったが、真相は闇の中で調べる術を彼は持たない。

 

そんな一幕を経て、宝鍠趙弩剣の形態実証を行う為にペッパー・ペンシルゴン・イムロン・オイカッツォ、カルネ=103(ヒトミ)・リリエル=217(ニーナ)・ノワ・アイトゥイル・ディアレ、そして龍神楽が持ち主であり生みの親のペッパーに付き添う事になり、ゲートを開いてファストトラベルにより新大陸の前線拠点に飛んで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして新大陸の前線拠点で他プレイヤーに話し掛けられた際、龍神楽が『何か用か』と一言喋った事によって、前線拠点は大混乱に陥ったのである…………。

 

 






其の刀、特殊に付き


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。