目立ち過ぎるとどうなるか
バハムート二番艦・リヴァイアサンの第三殻層『
「今日は本当に疲れた…………」
カードゲーマー達の『ペッパー(さん)さぁ………』という、自分の事を取り上げているシャンフロスレでは代名詞らしい言葉が過り、質問に次ぐ質問の連鎖を乗り越えた物の、やはりあの感覚は未だに慣れる事は無い。
歯を磨いて口を濯ぎ、コップに水を注いで飲み干し、いざ就寝……………と言った所で、スマホのバイブレーションが響く。
「何だ?…………チャット案内、慧から?」
画面にはプロゲーマーからのチャット部屋への招待状。何やら内密な気配が漂い、同時に絶対面倒な雰囲気を醸し出す其れに警戒心を抱きながら、取り敢えずは
オイカッツォ:あのさ、サンラク、ペッパー。折り行って相談が有るんだけど
サンラク:何だよ、コレ断った方が楽しい奴?
ペッパー:どうした急に
オイカッツォ:待って待って待って?!コレ断ったら此方が鯖折りにされちゃう!!命の危機なんだって!!
サンラク:何其のデンジャラスシチュエーション
ペッパー:鯖折り………?
オイカッツォ:説明すると色々長くなるし、詳細は省くけど…………
ペッパー:いや其処は説明しようよ…………
オイカッツォ:まぁ率直に言うと、十一月くらいに
オイカッツォ:あと二人共、JGEにも招集しようというか………
サンラク:えぇ………、面倒な雰囲気しかしない………
ペッパー:俺も?
オイカッツォ:其れも含めて交渉しよう。でないと此方のプライベートがズタボロになる
オイカッツォ:というか既に成り掛けの手前
サンラク:えぇ…………
ペッパー:惨事って、どーしてそうなるの?
オイカッツォ:原因は君に有るんだよなぁ、ペッパーくぅん……………
オイカッツォ:先ずは一つ、アメリア・サリヴァンが長期休暇の名目で日本にやって来て、家のマンションを訪問からA-Zの住所を聞き出そうとしてる
オイカッツォ:今はシルヴィの部屋に居るが、聞き出したら其のままお前の部屋の隣を取る気だぞアイツ。というか今回の目的はお前越えの特訓と、シャンフロをプレイするのが本当の目的だってさ
ペッパー:…………………はい?えっ、マジで?
サンラク:おーおー、コリャまたとんでもない事態に発展してますなぁ〜?ペッパーくぅ〜ん???
ペッパー:えぇ…………何でさ…………
オイカッツォ:そりゃお前、GGCのエキシビションマッチでエクストララウンドまで縺れ込んだ挙句、最終的に手の内読み切ってほぼ完封勝利納めた奴にリベンジ出来るんなら、あの負けず嫌いのプロゲーマーがスッ飛んで来るのは既定路線だろ
オイカッツォ:でだ。二つ目はお前な、サンラクさんや
サンラク:は?俺?
オイカッツォ:全欧一のレオノーラ・ロジャーが、全米一位の無敗伝説に引導を渡したリアルカースドプリズンに挑戦する為に、十一月のイベントに合わせて来日予定。其の十一月イベントで、顔隠しとA-Z其々でエキシビションマッチが行われる
サンラク:いや誰だよソイツ、というか流れで確定みたいな雰囲気やめーや
ペッパー:レオノーラ・ロジャー……………マジで?
オイカッツォ:やっぱ知ってるよな、ペッパーは
ペッパー:そりゃ勿論、俺の脚技ってレオノーラのモーションが根幹に有るんだ。其処から自分なりのやり方を組み込んで、脚パリィって形で今に至ってる。
ペッパー:因みに彼女のハイキックは首の付根をもピンポイントで蹴り抜ける、えげつない正確さと鋭さが特徴。蹴り技主体の格ゲーキャラだと普通に強いし、全体勝率は七〜八割をキープ。ハッキリ言って強敵と認識して良い。
サンラク:ほーん
サンラク:というかさ、カッツォ
ペッパー:?
オイカッツォ:ん?
サンラク:フラゲでゲーム贈ってきたりとか、完全に外堀埋めようとしてない?
オイカッツォ:気の所為でしょ
ペッパー:俺にも同じ事してるよね、特にGGCの報酬が顕著
オイカッツォ:偶然じゃね?
ペッパー:……………うん、モロにダウトですね
サンラク:んじゃ聞くけど、本音は?
オイカッツォ:スターレインやダイナスカル含めた、海外チームだけは絶対ヤメロ
サンラク:海外はちょっと…………というか絶対は念押し過ぎだろ
ペッパー:俺が海外に行ったら永遠が付いてきて、邪教徒連中が大惨事不可避だぞ…………
サンラク:家の妹が発狂するわ
オイカッツォ:新聞の一面確定だねぇ…………
ペッパー:………………解ったよ。取り敢えず受けてやる。ただしアメリアに居場所は明かすの禁止、守れなかったら永遠に言いつけてやる
サンラク:十一月かぁ……………予定空けなきゃだが、まぁ…………
オイカッツォ:はい言質取ったぁー!
オイカッツォ:スクショもしたからね!
オイカッツォ:三枚!
サンラク:必死かよ
ペッパー:必死だねぇ…………
ペッパー:因みにJGEで呼ばれた俺とサンラク、一体何するのオイカッツォさんや?
オイカッツォ:其れはまだ内緒
オイカッツォ:変わりにJGEの優待券(ウルトラプレミアム)を、此方持ちで発送する。全額負担だから彼女等共々、ありがたく受け取って楽しみやがれリアチクショウ!!!
ペッパー:優待券ウルトラプレミアム…………!?嘘だろマジで???
サンラク:何それ
ペッパー:ホテルで言う所のロイヤルスイートルームに宿泊出来たり、スタジアムのスポーツ観戦で国の偉い人やVIPが座る一番良い場所レベルの奴。一枚取るのに数十万は確実に掛かる代物
サンラク:マジカヨ……………気合入り過ぎじゃね???
「アメリアを倒した事がこんな形で返って来るとはな…………」
有名に成り過ぎるのも困り物だと思いつつも、其れは其れとして此の後の事を考えた梓は永遠と百に向け、其々Eメールアプリを使って今回の一件を連絡。
そうして返信で示された答えは、永遠は『じゃあ一緒に暮らそうか、勿論私の部屋でね』であり。百は『私の部屋は…………あ、いや、気にしないでくれ。とすると…………永遠の隣の部屋を取るのが最適解か』という物だった。
─────────さらっと同棲に持って行く辺り、自分の恋人達は本当に逞しい。
そして遂に、
大いなる偉業には、大いなる責任が付いてくる