一行の向かう先
「
「ペッパーさん、ペッパーさん!コレを是非とも私、いえスペリオルアビスのメンバー達に使わせて貰いたいのですが!!!」
「ペッパー、八つの蛸足全てを卒無く使い熟せている時点で、貴方には複腕か複脚のネフィリムに適正が有る。だからこそネフホロで其の手のネフィリムを作るべき…………!」
「家のルストが本当にすいませんッッッッ!」
「SOHO-ZONEさんとヒュクノティムさんには予め言っておきますが、深淵を見定む蛸極王装はオイカッツォが一番乗りを予約しているので、其れが済んだ後にして欲しいのと、地上に帰った後でペンシルゴンを交えた交渉と日程含めて決めて、自分が監視している事を含めた諸々の条件を承諾した上で御願いします」
『レーザーカジキよ。ペッパーはクターニッドとやらの関係者か?』
「えっと、詳しく説明しますと……………」
ルルクヌス20世とジニシィを説き伏せて、アスカロンの所持者となる為にコレを開示する覚悟を決め、実際に纏ってアスカロンを再生成のルートで直す事を宣言した。
───────が、やはりと言うかシャンフロで武器防具の解明に心血を注ぎし武器狂いの
「おい、アンタ達。そろそろアタシの仕事場に着くよ」
そんなこんな有りつつも、ルルクヌス20世との会合を果たした一同が現在向かっているのは、ゲネテレの子孫の魚人たるジニシィが持つ『別荘』、或いは魚人族で持つ者はそうは居ない『離れに在る独立した鍛冶場』だ。
「外からの見た目は、まさに残骸が積み重なった物…………だな」
「ゴミ捨て場に家作ってるホームレスみてぇだ」
「そりゃ海中に居るモンスターからすりゃ、アタシ等は墓場で暮らしてる他愛無い生き物程度の印象だろう」
「相変わらず君は其処に関しては、干上がりと言うか何と言うか………」
『ジニシィ、カラカラ』
「御黙りネレイス、アタシはまだピチピチだ」
瓦礫の扉を退かし、中へと入るが周りは暗く。ジニシィが近くに置かれた骨らしいオブジェクトに手を翳すと、青い淡色の発光が起きて辺りが薄っすら明るくなる。
「此方だ」と彼女が瓦礫を退かせば、下に続く階段が現れ、後に続けば上よりも広い空間となり、同じ骨のオブジェクトに手を翳すと、明るくなった事で全体像を目視出来た。
「おぉっ………!おおおおおおおおお…………!」
「此れが、魚人族の鍛冶場………!」
「わぁ………!凄い………!」
「こりゃまた………」
SOHO-ZONEが、ヒュクノティムが、レーザーカジキが興奮するのも無理は無い。
地上で見られる鍛冶炉の形状ながらも深海由来の物で作ったと判る炉や金床、鍛冶に必要不可欠な数多の鍛冶道具達は年季を帯びて、立て掛けられた海中生のモンスターから作ったと判る武器と防具達は、何れも上等な出来栄えを誇っていたのだから。
「深海の王やらが『マウアナ海窟』付近を根城にするまでは、アタシや他の鍛冶師達は海の獣の骨に牙や鱗なんかを扱い、
マウアナ海窟…………魚人族の王にして里長のルルクヌス20世が言うには、魚人族が保有する数在る採掘場の中で最大規模の採掘場であり、海中で燃える鉱石の水熱源石が豊富に採れる場所。
「………だが奴が其処を根城にして以降は、鍛冶を昔から交流を持っている
元々其処に在った高純度の水熱源石により、魚人族の鍛冶師達は武器を防具を造り、己の持つ鍛冶技術を磨ていたが、深海三強含めたモンスターが跋扈する危険地帯となってからは嘗ての勢いは陰りを見せ、今ではジニシィやル・ザナガ含めた僅かな者が細々と繋ぎ紡いで、技術を断絶させぬ様にしているのだと言う。
ともすれば彼女が其の後に言う台詞から、此方がやる事は決まっている。
「任せて下さい。ルルイアスの環境下とは言え、三強達をブッ飛ばしたり海中でアトランティクス・レプノルカを倒した事が有りますから、適度に間引いて水熱源石を持ち帰りますよ」
「……………頼もうとした事を、そっくり其のまま言われたんだが…………。アンタ、本当に人間かい?」
「人間ですよ???」
「
「思考深度のやべーやつ」
「深淵みたいな思考深度持ち」
「人型学習ロボット」
「家のルストが本当にすいませんッッッ!」
サンラク・ヒュクノティム・SOHO-ZONE・ルストがボロクソ言い、モルドが謝ってジニシィは呆れていた。そうして彼女から人数分の深海環境に適応し、搭載された能力も『水圧耐性:極&水中に置ける採掘挙動を補助』という、凄まじい性能を誇る彼女謹製のツルハシ『群晶の鶴嘴』を渡され、目的地のマウアナ海窟に比較的安全に近付ける
「クターニッド!!?!」
「いいえ、ペッパーです」
「あ、ホントだ…………いや、クターニッドでしょどう見ても!!?」
「いいえ、ペッパーです」
「ペッパーさん、まさかクターニッドのユニークパワードスーツですか其れ?!」
「おぉ、スペリオルアビスにウェポニア、ライブラリや他プレイヤーの諸君!!魚人族に
ジニシィから話を聞いて、アイテムやらを確認。
プレイヤー側の視点に立つと、此方がクターニッドの一式装備を纏った状態かつ、其の蛸足触手に魚人族の
そして今回、アスカロン修繕の為に魚人族の里・海底都市アルトランティアに着いて来たメンバーが、考察クラン:ライブラリや海洋調査クラン:スペリオルアビス、武器防具解明クラン:ウェポニアが大多数を占め、今後の事を踏まえて魚人族へと改宗を行ったのだと言う。
「因みに改宗の祭壇みたいなのって何処に在りました?」
「此の都市の瓦礫の底の、更に底に在りましたよ〜。いやぁ、此処まで来ないと改宗出来ないとは本当に大変でしたね…………」
「魚人族に改宗した御陰で水中呼吸と水中機動がパッシブ効果として乗ってますし、ル・ザナガさん達が作ってくれた防具で水圧にも耐えられる様になりましたから、此処からは戦力として数えて良いですよ!」
「まぁ其の分、地上や空中ではパッシブ効果がデバフ効果に逆転しそうなんっすよねぇ…………。水中海中で行動を生業にする種族の性質上、仕方無いと言えば仕方無いと思いますか…………」
ル・ザナガを中心とした魚人鍛冶師達により、此の深海環境下でもスリップダメージを受けない耐性を得たものの、武器に関しては防具にリソースを回した為に手を付けらなかったそうで。
『最悪俺達、海中のモンスター相手にブン殴ったり噛み付いたり、引き付けの生き餌ポジションとして使い潰して構わない』
──────と、死んだら終わりのシャンフロ世界の
彼等彼女等の覚悟に、最悪の状況によっては其の手段を切る事も決めたペッパーは、自ら先陣を切ってジニシィから教わったマウアナ海窟行きの海道を進み、其の後をサンラク達が追い掛ける形で一行は出陣したのである……………。
持ち帰れ、水熱源石