其々の役目
「いや此処かなり熱くないですか!?皆さん大丈夫なんですか!?」
『随分
「クーラーが一切効いてない密封空間ですよ〜………」
「控え目に言って地獄ッス」
「なのでエルドランザさんには外の海水を操り引っ張って貰って、海窟内の海水を循環させないと採掘は厳しいみたいで………」
マウアナ海窟に潜入した採掘組の一人が外で待機していたレーザーカジキとエルドランザを呼びに来て、突入した少年が青竜から分け与えられた素材で作った鎧の下で声を上げ、水の流れから海窟内部の状況を大まかに察知して把握した。
「……………エルドランザさん」
『皆まで言うな、レーザーカジキ。配下の願いに応えるもまた、力持つ妾の役目ぞ。何より此の程度の温水は、妾からすれば温い水じゃ………背に乗ったつもりで
当代の青竜エルドランザ、深海という環境に適応する為に巨体を幼竜程度に縮めては居るが、彼女の本領は『水中海中に在る水を自由自在に操り、其の身に蓄えたリソースを使って状況へ即応進化し、戦闘を優位にする』という戦略を主とする五色の竜が一柱。
此の世界を描いた神の物語では、竜災か或いは其れ以前に死して消える筈だった青い傲慢の運命は、海中の戦いで傷付き、逃れた先での青い魔術師との出会いを切っ掛けとして、定められた
竜災大戦にて力を開拓者や亜人種の者達に示し、戦乱を生き残り、人との交流を通じて威容を称えられ、そうして今は深海へと其の歩を進め、魚人族の鍛冶を支える
『ムムム………ッ!』
分厚い片刃の剣が鯨の鰭となった様な其れを一度振えば、外から新鮮な深海の極冷水が吹き込まれ、マウアナ海窟内にて停滞した水熱源石による熱水が混じり合い。
エルドランザが鰭の鋒をグルリと一掻き回せば、海水は回転し始め、回転による循環は発生から、籠もっていた海水は通され、海水温が採掘者達にとっての最適温へ変わった。
『ほれ、此れで涼しくなったろう』
「魔法使いみたいですね!」
「ありがとう、エルドランザさん!」
「よし、エルドランザさんが水温を和らげてくれた!俺達は当初の予定通り、水熱源石を迅速に掘り出して粗方確保したらアルトランティアに帰還する!」
『『『おー!!!』』』
エルドランザが自らの力を誇示し、マウアナ海窟の水熱源石採掘状況は一気に回り、動き出す。
そして同じ頃……………深海の果てを見し勇者と、其の仲間達もまた、深海という極限の死地にて戦いを続けていた。
海中にて蒼雷が迸り、数多の魚達が撃墜される。
魚達が
今まさに此処は大戦場、そう言わんばかりの騒乱に揺れて。
「
勇者に襲い掛かったコーラルホエール、暗く深い海の中で振るわれ這い寄り、海中の冷気に反作用して灼熱を帯びた
「後詰だゴラァ!」
「ルスト、三秒後!」
「…………今、ショット」
其れでも神の名を冠する武神の業を受けても尚も倒れず、踏み止まるコーラルホエールの横から隙有りとばかりに飛んで来た、
コーラルホエールの
「ペッパー!やっぱアスカロンにゃあ、魚系のモンスター引っ張るパッシブ効果有るんじゃねーの?!」
「樹液に寄る虫みたい」
「絶対何か有りそうだよ…………」
「其れは俺も思った………と、
紅蓮海の撃鞭をインベントリアに放り込み、サンラクの胴体に
と、深海の海中が突如として『暖かくなり』、其の温度も今迄が『極寒状態』だった物から『微温湯状態』にまで改善されたと同時に、アトランティクス・レプノルカ"覇頭衝角"が『海中温度の変化に気付き』。
アスカロン・リペアのヘイト惹き付けにも目も昏れず、マウアナ海窟の方向に視線を移して『一心不乱』に泳がんとした所に、ペッパーとルスト其々におんぶされたサンラクとモルドが先回りから、豪強靭包拳より
「皆、何かあのレプノルカさ…………『怪しくない』?」
「えっ?」
「何が?」
「うーん…………『焦ってる風に見える』、というか………」
「焦っている…………」
モルドが感じた違和感、其の言葉を聞いたペッパーは
「アトランティクス・レプノルカ"覇頭衝角"。お前……………『身籠ってるのか』?」
居座る真実
鞭武器系の豪武神の超技であり、発動者の技量・器用の数値を参照しつつ、発動者が『シャングリラ・フロンティアにて出逢った蛇型モンスターの中で、最も記憶に残るイメージを具現化』。振るった鞭武器の先端から蛇型モンスターのイメージを保った状態で、攻撃エネルギーを飛ばして敵に突撃させ、直撃時には鞭武器としては珍しい『刺突属性によるダメージ判定を行う』という効果を持つ。
また技量と器用の数値が合計300以上の場合、飛翔する攻撃エネルギーには『ホーミング能力』が追加され、更に合計数値が高まると『数秒間は威力減少が起きなくなる効果が搭載された状態で飛んでいく』。
ペッパーが繰り出す蛇昂咆這撃のイメージは『無尽のゴルドゥニーネが従える四体の龍蛇の一匹・
スキルのイメージとしては、ONEPIECEの主人公『モンキー・D・ルフィ』の戦闘形態の一つ『ギア4:スネイクマン』の必殺技『ゴムゴムの