VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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行動の答え




(おう)(おう)(おう)の饗宴 〜其の六〜

「「「あのアトランティクス・レプノルカの不世出個体が妊娠してる……………?」」」

「あぁ。今し方清明界玉到観(クリスタル・アドバンテージ)界域を見定む眼(ターゲ・ザ・ワールド)の組み合わせで体内透視したら、覇頭衝角(プロモスピア)の体内に『もう一匹の小さなアトランティクス・レプノルカが居た』のを確認した」

「本当に御座るか〜???…………本当に身籠ってるじゃねーか、マジかよ…………」

 

アトランティクス・レプノルカ"覇頭衝角"を五十メートル以内で追跡し、深淵を見定む蛸極王装(オクタゴラス・アビスフォルガ)を纏い、左手に六道極円盾(リクドウキョクエンジュン)天獄(テンゴク)と両脚に深厳戟響脚(アンピィ・トゥルリテ)、二本の巨剛触手(きょごうしょくしゅ)にアスカロン・リペアと覇刀(はとう):龍神楽(ドラグマ)を持ったペッパーが、サンラクを背負って残った六本の巨剛触手で海中を掴み、跳ね飛ぶが如く泳ぎ。

 

悠久を誓う天将王装(フォーエヴァー・ウェザリオ)試作型戦術機獣(しさくがたせんじゅつきじゅう)海王(カイオウ)】と合体したルストがモルドを背に乗せ、水海中機動形態たる人魚形態(マーメイドモード)で泳進し。

 

清明界玉到観&界域を見定む眼のスキルコンボで確かめたペッパーの発言、ジークヴルムとの決戦に備えて鍛えた先でペッパーと同じく、二つのスキルを昇華(スタンバイ)まで育てたサンラクも覗き見れば、其れが事実だと理解してか驚きを隠せずに居る。

 

「…………其の言い方だと、僕達の身体も透視してるみたいに聞こえる…………」

「…………おいモルド君、別に疚しい事考えてねーからな?」

「個人的に凄く気になった。どうやって其のスキルを身に付けたか教えて」

「打撃系武器使ってると習得するクラッシュレッジとヴァーティカルセンスってスキルが在って、其れを育成し続けると清明界玉到観と界域を見定む眼に成る。清明界玉到観はレントゲンみたいに見て、界域を見定む眼は3Dモデリングみたく生物やオブジェクトを可視化出来る」

 

シャンフロに置けるスキルの進化と派生は、其の大元となるスキルの特性が根深く関与しており、ペッパーとサンラクの二人が獲得して現在は昇華段階に在る真界観測眼(クォンタムゲイズ)も、元を辿ればフラッシュカウンターというパリィスキルから始まり、レベルアップと派生先の選択を経て至った物だ。

 

ジークヴルムとの決戦に向けた地獄のレベリング、新大陸のリヴァイアサンや旧大陸のベヒーモスで勉強と理解を重ね、シグモニア前線渓谷に水晶巣崖を含めて周回を積み上げた事で、純スキルアタッカーとしてペッパーは大きな成長を遂げて………そうして『其れ』に気付き、象牙との話を通じて『確信』に到る。

 

スキルと魔法…………シャンフロという世界(ゲーム)に置いて一号人類(NPC)と違って『やり直し』を許された二号人類(プレイヤー)の開拓者達は、限界を越える技や超常の事象を起こす魔を『無限に習得する事は不可能』だと言う事─────────即ち『習得上限』が存在する事を。

 

同調連結(ハイコネクション)システムは、スキルはスキルを魔法は魔法を連結させて、合成スキルとは別の御業を産み出すコンテンツであり、強力なスキルを手に入る程に連結時の出力は高まる傾向を持ち、強力なスキルを習得するにはユニークシナリオのクリア報酬で貰える秘伝書や、高い技量を保持するプレイヤーがレベルアップを果たす事が必須。

 

何より『スキル育成』或いは『スキルビルド』は、純スキルアタッカーとなったペッパーでも、此れ自体がシャンフロwikiでも把握し切れない程に膨大かつ底知れぬ深みを宿した、所謂『エンドレスコンテンツ』に等しい物だった。

 

二号人類素体をコピー&ペースト及び征服人形(コンキスタ・ドール)を量産して新大陸に送っているベヒーモスの統括AIの象牙(ゾウゲ)は、此の答えに行き着いた我が子(ペッパー)に『二号人類は大体職業四つ分の技能か魔法の習得上限が有り、フラッシュメモリーによるスキルインストールは職業およそ一つ分を使用する』と言い。

 

そしてペッパーはベヒーモスの役割、第十階層に在る開拓者の可能性を切り拓く多種多様な設備を見て、象牙に問い掛けた事で彼は其の習得上限の『解決策』を、幾つか知る事が出来たのだ。

 

「取り敢えず覇頭衝角がマウアナ海窟に近付くのだけは避けたい………!サンラク、確り掴まっててくれ!」

「あいよぉ!」

 

機動系スキル群点火!深厳戟響脚の機能【収着せよ(Sorptionting-up)】を自身の意識を集中させて心で唱えて、海中を空中と認識!一気に駆け走って覇頭衝角の前に躍り出つつ、天獄(大円盾)を構えてタンク系スキル起動…………からの使うべきは反刻返流(タイミング・リブラエル)

 

攻撃して来た敵対存在への反射ダメージとノックバック量が反極鳴動(リフレクトオーバー)より出力が増大、クリティカルでバッシュすればダメージ総量がブーストされるスキルなのだが、深厳戟響脚の機能【弾けよ(Poping-up)】とクターニッドの一式装備の巨剛触手と共に使えば、タンク何たるかを証明するに等しき力を発揮するッ!

 

そして其処に自身の脳内に納めた記憶と、様々なゲーム実況の技術やプレイングスタイルを組み合わせ、役割行動(ロールアクション)を行いながらに再現を成し遂げる、水晶巣崖やシグモニア前線渓谷、そして此の深海領域での地獄周回を通じ、新たに見出したレトロゲーマーとして至った新戦術の境地!

 

其の名を──────!

 

 

 

自力再現(セルクリエイド)…………嵐皇殺し(タイタニオンスレイ)!どっ………せいやぁ!!!」

『ギュイィ!?!』

「おおぉおお!?!?」

 

覇頭衝角の掲げし、突撃槍にして深海貫く覇槍を真正面では無く、下から差し込み(インターセプト)で掬い上げるや、両脚裏に高圧ガスを仕込んで起爆させたが如く、深海の帝王を押し上げて吹き飛して。

 

巨体が半回転し、仰向けの体勢で覇頭衝角が海中に転がり、視界に映りて鬼気迫る黄金の龍刃の一閃、対する帝王もまた頭部を渾身の力で動かすや覇槍を振るってぶつかり、其の閃斬を持ち得た馬力でいとも容易く跳ね返してしまう。

 

「ッ!やっぱ覇頭衝角の角は、斬撃だと効果が薄い………!」

「二属性鯱は斬撃よりゃ打撃だろな」

 

覇頭衝角と打ち合い、其の隙を突いてルスト&モルドが合流し、二方向挟撃体勢状態で深海の帝王を見定め、マウアナ海窟に進ませんと睨み付ける。

 

 

『─────────』

 

 

と、龍神楽がパクパクと口を動かして、視線は覇頭衝角を見定め続け。其れと同時に覇頭衝角の放つ闘争心は其のままな物の、身体を痺れさせる様な殺意が『少しだけ静まった』のを感じた。

 

「…………あん?何か帝王の様子おかしくね?」

「確かに………」

「ちょっと大人しくなった」

「龍神楽、一体何をしたんだ?」

 

アスカロンを仕舞いながら問い掛けるペッパーに対し、覇刀:龍神楽は─────意志を持ち、マナ粒子を通じて様々な事象へ適応し、自己進化と自己変革を続ける生きた武器たる其の覇刀は、四人の勇士に衝撃的な言葉を発したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『今し方、奴の覇槍とオレの刃がぶつかり合い、マナを通じて奴のコミュニケーションに『適応』した。どうやら奴は『身籠った子が凍え死なぬ様、産む場所としてあの海窟を選んだらしい』。其れから『出産が済んで子が海水温に慣れれば、あの場所に用は無くなる』とも言っている』

「もしかして、覇頭衝角に『此方の言葉を伝えられたり』とか………出来る、の?」

『無論だ』

「えぇ………」

「マジカヨオマエ」

「凄くない………?」

「…………ドラグマ翻訳機」

 

 

 






進化は止まらない


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