海賊世界で百鬼夜行   作:風人雷震

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百鬼夜行、空島へ

 

 

 

「うーん…うーん………」

「何を唸ってんだ?宝船」

「あ、(ぜん)殿。いや、リーダーから空に行きたいと言われどうすれば叶えられるのか考えてまして……」

「飛べねぇのか?」

「そこまでする力はまだありませんし……あったらとっくに飛んでますよ」

「それもそうか」

「ならば突き上げる海流(ノックアップストリーム)を使ったらどうじゃ?」

「海坊主の爺さん」

「えぇ?突き上げる海流を?確かに空へ行けますけど………」

「何、我らは妖怪。人間みたく簡単に死にゃせんわ」

「?人間が死ぬのか?」

「「死にますね/死ぬのぉ」」

『面白そうだな!!』

「うお?!!おまっ…どっから湧いて出た!?!!」

「おお。傀儡(かいる)の嬢ちゃん、いつも元気じゃのぉ。飴ちゃん食うか?」

『海坊主殿はいつも塩飴をくれるな!飴は要らん!!!飽きた!!』

「で……行くのか?人間が死ぬ様な海流を使って空に」

『無論だ!!面白そうだからな!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【とある雷の話…】

 

 

私がまだ子どもの頃…アイツらは現れた

 

 

「暇だ………」

『ぉぉぉぉぉぉぉ……』

「ん?下からか?」

「「「「「『イィィヤッホォォォォォォォイ!!!』」」」」」

「………!!」

『空に着いたな!!着いたな!!』

「寿命縮んだかもしれねぇ……!!」

『お前はそんなに柔な奴ではないだろう?(ぜん)

「五月蝿え!!死ね!!糞餓鬼!!」ヒュッ!

『ふっ…甘いわ!!ジジイが!!』ヒョイ

「ん?……リーダー、人間がいます!」

『何?それは本当か、宝船よ。しかし…空にも人間が住んでいたのか。何とも不思議だな…』

「それ、俺らに言われたくねぇと思うぜ?特にお前には」

『五月蝿いぞジジイ』

「ジジイじゃねぇ!!」

 

 

化け物を引き連れている女…あの女には逆らってはいけないと脳が警告している。下手に刺激してはいけない。本能がそう告げている。

 

 

『おい貴様、名は何だ?』

「!!……え、エネル。です」

『エネル…ウム、面白い名だな!我は百鬼夜行のリーダー!傀儡(かいる)!!魑魅魍魎(ちみもうりょう)の主である!!我らは人間どもを恐怖で支配するために国を出たのだ!!』

「し、支配…?」

『そうだ!我らを畏れることを忘れた人間どもに制裁を加えるのだ!!そのために!!恐怖で支配する!!先代達より上手くはできんが……我のやり方でやるしかないのでな!!古来では!人間どもが理解できぬ恐怖は全て我らに置き換え、恐さから逃げていく!つまり!!我らが恐怖!!人間どもは我らから逃げているのだ!!それを、我が思い出させてやるのだ!!!!

「………」

 

 

もしかしたら、この女は神なのではないか…?私がこんなにも恐れているのはこの者が…この者達が神だからでは?恐ろしきこの神達を忘れた人間がいるなど……!!そんな事、あってはならん!!!!!そんな愚かなことを!!!

 

 

「いつか……」

『ム?』

「いつか…いつかおれが!!(あなた)達の恐ろしさを他の奴らに思い知らせる!!おれも、貴女達の様になって!!」

『…………ふ、ふははははははははははは!!!!!そうか、そうかそうかそうか!!随分と面白いことを言う奴だ!!気に入った!!』

「!!」

「お、おい!!もしかしてコイツ入れるのか?!!」

「却下じゃ。こんな糞餓鬼は鴆だけで十分じゃ」

「おい、どう言うことだ!!糞爺!!!」

『入れん!!』

「「「え?」」」

『我が気に入っただけだ。人間にしては面白いことを言うからな。しかし、我らと同じになるなど……』

 

自惚れるなよ人間が

 

「ッ……!!」

『まぁ、その度胸に免じて、見逃してやろう。さ、帰るぞ』

「え?!帰るんですか!?リーダー!!」

『ウム。空には人間が住める場所があると知れたからな。満足だ』

「ぁ……」

『さらばだ、エネルよ。もしも、我らの同胞になったのならば……その時は我の方から会いに行ってやろう。勧誘するためにな』

「は、はい!!」

 

 

ああ、恐ろしき神…畏れられるべきお方…傀儡様。私の最大の恐怖(かみ)よ。必ずやこのエネル、貴女様との約束を果たしてみせましょう。

 

 

「ヤハ、ヤハハハ…ヤハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、良いのか?あんな約束して」

「あれは死ねば本当に我らと同じになるのぉ」

『ム?何を言っておるのだ?なるわけ無いだろう。あんなもので』

「はぁ?そっちこそ何言ってんだ?」

『あれは怨み辛みとかではないからな。何より…我らのことを神かなんかだと思っておる。化けて出たとしても狐になる程度だ』

「………気づいてたんだな」

「流石、傀儡の嬢ちゃん。人間の感情などには敏感じゃな。飴ちゃん食うか?」

『そんなに褒めても何も出らんぞ!海坊主殿!!飴は要らん!』

「で?次は何処に行くんだよ」

「とりあえず儂は目の前の船を船幽霊達と沈めてくるわい」

「……元気だな、海坊主の爺さん」

『元気なのは良いことだ………そうだ!!』

「決まったか?」

『ウム!!宝船よ。今度は元の時代で旅に出よう!!』

「!!」

「どう言うことだ?」

「実は…かっ飛ばしすぎて時を超えちゃって……」

「あ?俺らは未来にでもいるってことか?」

『逆だ逆。過去にいるのだ』

「………過去ぉ?!!!」

『嗚呼!!面白かったから黙っていたが……元の時代で面白い事が起きてると我の勘が言っておるのだ!!戻るしかあるまい!!』

「………俺、部屋で休んでるわ」頭がイテェ…

「じゃ、元の時代までかっ飛ばしますね!!リーダー!!」

『ウム!!行け!!宝船よ!!』

 

 

『さて、次は何処を襲おうか?』

 

 

 

 

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