『ふぁ〜〜〜〜〜……着いたか?』
「はい!リーダー!!」
『何年経ってた?』
「えっと……新聞を読んでも分かりません!!知らない奴しかのってないです!!」
『ウム……貸してみろ』
__確かに知ってる奴がおらんな…ム?ゴールド・ロジャー?
『おい、誰かゴールド・ロジャーについて知っている奴はいるか?』
「「「「「知りません!!」」」」」
『素直で良い!!ム?……ム?!!!』
「どうしたんですか?リーダー?」
『………我の首に金がかけられとるらしい。6年も前にかけられた様だが…』
「え?その時期だと、私たち過去に行ってませんでしたか?」
『だよなぁ……』
「ですが!この写真のリーダーとても美しいです!!リーダーはいつも美しいですけど!!」
「確かに!!とても色っぽくて素敵です!!いつも素敵ですけど!!」
『そうか?いつもと変わらんだろ?』
「「「「「変わります!!」」」」」
『そ、そうか……』
__ムー…とりあえず、里帰りでもするか。河松に顔を見せねば。十何年も顔を見せておらんかったしなぁ
『宝船よ。今回はワノ国を目指せ。飛ばすなよ?』
「了解です!リーダー!!ですが…何故、ゆっくり?」
『すぐそこだからな』
「?………あ、あれですか?!」
『そうだ。あとは船幽霊や海坊主殿の指示に従って止めてくれ。隠し通路で入る。鎖国しておるから入国に厳しいんだ。さっさと開国すれば良いものを…』
「成る程…分かりました!!」
『そうか。では、あとは頼むぞ』
「はい!!!」
__しかし…面白いことと同時に嫌なことも起こるやもしれんな。国から妖気が溢れておるし……城の方向から懐かしきお方の気配も感じておるし…どうなっているのだ?
【とある役者の話…】
おでん様と共に処刑される。釜茹でにされ死ぬ。おでん様が海外へ出てから
『何とも滑稽だなぁ!人間が人間を殺す様は!!』
「「「「「?!!」」」」」
「だ、誰だ?!」
『誰…とな?』
「「か…!!」」
『我が名は傀儡!!百鬼夜行の頭!!
「「傀儡殿ぉぉぉぉぉぉ!!!」」
「傀儡…?!!」
『ふははははは!!カン十郎と河松よ!何とも面白い遊びをしとるな!!して、おでんよ!!外に出ずにサッサと継げばこんな事にはならんかったのだぞ?』
「何だ?お前もおれを笑いにきたのか?」
『ウム!!……などと言うわけなかろう。我らは里帰りに来たのだ。しかし…この国に妖気が溢れかえり、初代様の気配がそこの穢らわしい奴からするのが気に入らん』
傀儡殿はオロチ様を見ながらそう呟いた。初代さまとは一体誰のことであろうか?妖気が溢れかえっているとはどういうことであろうか?あれこれ気になって仕方がない。
「女が……!調子に乗るな!!」
『黙るが良い。過去に縛られている臆病者よ』
「ッ!!」
『初代様の気配が貴様からするのが気に食わん。初代様の力を持ち腐れておる貴様が気に食わん。初代様を穢す貴様が気に食わん』
「さっきから初代様、初代様と言っているが!誰のことだ?!」
『八岐大蛇様に決まっておるだろ』
「!?」
傀儡殿の周りだけが冷えている様に感じた。いや、傀儡殿の周りからどんどんと冷えていっている。
「な、何だこれ?!!」
「「「「「?!!」」」」」
「ごめんなさーい。あまりにも暑かったから凍らせちゃった」
「雪女殿!」
「やっほー河松」
「サッサと出らんか。おでんの大将よ」
「お、おお…」
「雪男殿、何故我らを…?」
「あらー同胞を助けるついでに河松のお仲間さんも助けただけよ?リーダーはお怒りのご様子だからこっそりと離れましょうねー?」
「………」
「カン十郎よ」
「!…雪男殿、如何されましたかな?」
「リーダーが芸を楽しみにしている」
「……カッカッカッ!!そうでしたか。それは、嬉しきかな」
嗚呼、本当に嬉しいことだ。おれの舞台を見てくれる傀儡殿には頭が上がらぬ。
__不快…不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快!!!
不快だ不愉快だ!!初代様の力を持っていながら何故!!何故己が支配しておらんのだ?!仮初の支配なんぞ意味がないというのに!!!
『八岐大蛇様の力は我ら百鬼夜行が預かる!!』
「や、やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
『死ね』斬ッ…!
__男の首を斬る。初代様の力があるならばあと7度首を斬らねば。コイツを殺せぬ。呪い殺せぬ。
『邪魔だ。
「あ?…………!!?」ドサッ…
「「カイドウさん!?」」
『死んではおらぬ。我の目的は初代様の力を回収すること…あの男を殺すことだ』
「う、うぁ……」
『あと、6度……』
__あと、5度……4度、3度、2度、1度!!
『これで
「待ってくれ!!」
『ム……おでん。何をしに来た?我の邪魔をするのか?』
「違う!!オロチは、おれに殺らせてくれ」
『何故?』
「おれの責任だからだ。だから!!」
『却下だ』斬ッ!
「ギャァァァァァぁぁぁぁぁぁ!!」
「なっ!!」
「イテェ!イテェェェェェ!!」
『ふふふふふふ…ふはははははははははは!!苦しみながら死ぬが良い!死にたいのに死ねんという生き地獄を味わうが良い!!我が名は傀儡!!またの名を
「人形神…?」
『嗚呼、そうだ。我を造ったのは人間だ。人間が富、地位を求めて造り上げた存在だ。我は妖怪ではなく式神に近き存在だった。しかし!我を造った者の子が!!我を呪術の要に使い、我は堕ちた!!すぐさま、その子どもを呪った!!人形神の力は、憑いた相手を苦しみながら死に追いやる力のみ残った!!他の力は呪い殺すことと我の痛みを相手に移す力!!だから呪ってやったのだ!!あの子どもを!!末代まで!!許してなるものか……欲に塗れた人間を!!我を捨てた人間を許してなるものか!!!』
「………傀儡」
『何だ…
「すまなかった」
『…………何故、貴様が謝るのだ』
「昔だとしてもワノ国の出来事だ。おれに謝らせてくれ」
『…………初めて会った時から変な男だと思っておったが……ここまで変とはな』
__あの男も死んだみたいだ。それに、いつの間にか角持ちの人間も起きておるし。はぁ、帰るか
「あ、リーダー!!コイツの近くに寄ったら私のパイナップルに変な模様がぁ!!」
『ム?………!初代様?!!』
「「「「「え?!」」」」」
『初代様の気配を感じる!!急いで初代様に見合う小部屋を用意しろ!!そこに封印する!!』
「「「「「はい!!リーダー!!!」」」」」
「あ、なぁ傀儡」
『すまん!我はまた外へ出る!!偶に帰ってくるのでその時に言ってくれ!!さらばだ!!!』
「待ちやがれ!!!」グイッ!!!
『ム?!』
「おれはワノ国を開国しようと思っている」
『ム?良いことではないか』
「開国すれば新参者の海賊がおれらの手に負えないぐらい来るはずだ」
『だからなんだ?』
「力を貸してくれ」
『……それは、
「
『断るが?』
「は?!!!何でだよ!!」
『最適な奴が既におるだろ』
「何処に?」
『あの角持ちの人間だ』
「カイドウを?!!」
『彼奴の縄張りになれば手を出す馬鹿はおらんと思うが?契約などは己で考えるが良い。じゃ』
「待っ……!!………………………行っちまった」
「リーダー!どうですか?この内装は?!」
『良い!これで初代様も落ち着けるな!』
「はい!」
『初代様、どうかこの部屋でお休みください。そして、我らをお守りください』
「リーダー、次は何処に行きます?」
『ウム……4、5年ほど彷徨くか。途中で何処か行きたいところが思いつくかもしれん』
「はい!リーダー」
『では、出航だ!!』
「「「「「ウォォォォォォォォォォォォ!!!」」」」」
『次は何処を襲おうか?』