『………』ペラ、ペラ…
「ッ………」
『ム?起きたか』
「
『ウム。待っていろ、
「夢じゃ、なかったのか……」
『夢であって欲しかったか?』
「いや……夢じゃなくて、嬉しいんだ…」
『そうか』
【とある鯛の話…】
「………よし。安静に寝てれば治る」
『良かったな。タイガー』
「ああ。魚人であるおれを助けてくれて感謝している」
「気にすんな。それより、腹減ってるか?」
「?ああ…」
「そうか。おい!お前ら!!飯持ってこい!!」
「「「「「はーい!!」」」」」
「?!!」
部屋に入ってきた化け物達の手には沢山の料理があった。
「頭領様が客人を持て成せとおっしゃったので……腕によりをかけて作らせていただきました」
『コイツは女郎蜘蛛。我は女郎と呼んでいる。我が百鬼夜行の中で料理がとても美味いのだ』
「もう!頭領様ったら♡」
「凄いな…」
『ム?何がだ?』
「お前の仲間は…」
『?…………もしや見た目のことか?』
「ち、違う!」
『別に気にしてはおらんぞ?鴆の様に人間に化けている者もおれば、ぶらり火の様に人間に化けれぬ者もいる。毛倡妓の様に人間に化ける必要のない者もおるからな』
「………お前の仲間はお前を信頼してるんだな」
『違うぞ』
「違うのか?」
『我が信頼しておるのだ。コイツらなら大丈夫だと、安心できると信頼しておるから百鬼夜行ができておるのだ』
「………」
「あ、デザートを持ってくるの忘れました。取りに行ってきます!」
『良い。我が行こう。一ツ目、お前は休んでろ』
「リ、リーダー…!!ありがとうございます!!」
『礼は要らん。我の気まぐれだからな』
傀儡はそう言って部屋から出た。その直後、鴆が口を開いた。
「……傀儡の奴はああ言ったけどよ。俺らだって信頼してんだよ」
「そうでございます。
「僕達を救ってくれたリーダーの助けになりたいんだ!」
「儂は先代より前からおるが…傀儡の嬢ちゃんの方が毎日楽しいわい」
「生意気だがな」
「リーダーは俺達の星だ!」
「太陽だろ!」
太陽…か。魚人島が陸に出たら…傀儡は来てくれるだろうか?
『何を盛り上がっておるのだ』
「「「「「リーダー!!」」」」」
「頭領様、配膳は私が……」
『良い。少しは座っていろ、女郎』
「はい…」
傀儡は全員にデザートを配っていった。
『タイガー』
「すまない」
『謝罪は要らん』
「……ありがとう」
『ふ……』
おれが礼を言うと傀儡は少し笑った。綺麗に笑う奴だと思った。
パク…「……!美味い!」
『そうか。女郎に感謝するが良い』
「これも女郎蜘蛛殿が作ったのか?!美味すぎるぞ!?」
『そうか。良かったな』
「「「「「…………」」」」」
「……そ、そうだ!傀儡!!」
『何だ?鴆』
「タイガーの焼印の事だが…ありゃ、下衆オブ下衆の奴らのせいだ」
『何だと?』
下衆オブ下衆って誰のことだ?もしや、天竜人のことか?!今気付いたが、傀儡って10年ぐらい前に天竜人の殺害で賞金首になってた奴じゃないか?!!おれ、懸賞金4億の奴に命を助けられたのか…。
『消す事は?』
「できねぇ…上から新しい印を付けるしかねぇな」
『そうか…』
「……なぁ、タイガー」
「どうした?」
「その焼印…上書きするか?」
「!」
『今すぐ決める事は無い。お前の故郷に着くまでの間は保護しよう。ゆっくり考えると良い』
「……ああ」
『我は外で吸ってくる』
傀儡はそう言って立ち、部屋を出た。煙草や葉巻を持ってる様に見えなかったが…自分の部屋に置いてあるのか?なんて事を考えていると、傀儡の仲間達に囲まれていた。
「タイガー様…デザートは如何でしたか?」
「とても美味かった。女郎蜘蛛殿は凄いな」
「タイガー様が食べたデザートは私が作った物ではございませぬ」
「?なら、誰が作ったんだ?」
「頭領様です」
「………傀儡が?!!」
「リーダーは滅多に料理しねぇからな」
「リーダーの料理が食えるなんて羨ましい…!!」
「何でおれに…?」
「傀儡なりの歓迎だ。傀儡の奴、お前が寝てる間ずっと魚人について調べてたからな。人間と魚人の関係は俺らと似てるところがあるからな…」
「………」
「ま、保護って言っても百鬼夜行に入るんだ!仲間になる事には変わらねぇよ!!」バシ!
「……ありがとう」
「礼なら傀儡に言いな。この部屋、傀儡の部屋だし」
「………は?」
「マジか、アイツ言ってねぇのかよ…」
傀儡が戻ってきた後、おれは空き部屋で寝かせてもらえるように交渉したがダメだった。
『空き部屋?何故?』
「お前の部屋にこれ以上いるのは…さすがに……」
『別に気にせん。床で寝るしな』
「空き部屋がダメならおれが床で寝るのは…」
『却下だ。怪我人を床で寝かせるわけないだろう』
「グッ……」
『そこまでして我をベッドに寝かせたいのか?』
「お前の部屋だろ…」
『ウム……なら、一緒にベッドで寝れば良いではないか』
「それはダメだ!!」
『お前のダメの基準が分からぬ……』
「というか、何でお前のベッドはおれが寝れるぐらいでかいんだ?」
『小さいと我がベッドから落ちるからだ。床で寝ると転がる』
「………一緒に寝るか」
『理解が早くて助かる』
『さて、次は何をしようか?』