『何?シャボン?』
「嗚呼。魚人島に行くにはシャボンコーティングをしないといけねぇ。コーティングはシャボンディ諸島でやるんだ」
『またあそこに行くのか…………』
「タイガーを故郷まで送るって約束しただろ?」
『そうだが……』
「………気に入ったのか?」
『そうだ。タイガーが来てから同胞達に笑顔が多くなった。それが嬉しいのだ』
「お前も笑うようになったからな」
『我は元々笑うぞ?』
「威厳ある笑いじゃねぇよ。自然と笑うことが多くなった」
『…………』
「俺達も帰ってほしくねぇと思ってるよ」
『……だが、約束したのは我だ。守らなくてはな』
「嗚呼……」
__宝船にシャボンディ諸島に向かうように言わなくては。なるべく、ゆっくりと向かうように。魚人島に着いたら宴の用意もしよう。どうせなら派手な宴が良い。
『………誰か死んだわけではないのに、何故悲しいのだ…。なぁ、
「俺らは妖怪…忘れられるまで生き続ける。ヒトより何倍も長く生きちまう。この別れが一生の別れになるかもしれねぇからな」
『………タイガーが同胞ならば』
「言うんじゃねぇ」
『すまん……』
__だが、本当に同胞ならば……ずっといてくれるではないか。こんなに楽しい時間はいつぶりだろうか?
【とある鯛の話…】
「魚人島に行くのか!」
『嗚呼。お前の傷も完治し、後遺症もないようだしな。約束を果たそうと思い、すでに向かっている。シャボンコーティングを行うので先ずはシャボンディ諸島に向かっておるが…』
「ありがとな!
『………ウム』
そうか、戻れるのか。魚人島に。でも、何で傀儡は悲しそうな顔してたんだ?
傀儡が甲板に向かった後に、女郎さんやアカマタなどの妖怪達も来た。
「帰るのか?タイガー」
「おお、世話になったな」
「あら、ならば魚人島に着くまでに宴の用意をしましょう。何か食べたい物はございますか?」
「大丈夫だって、女郎さん」
「良いから言っとけって!」
「大丈夫だって。一生の別れになるわけじゃねぇんだからさ」
「「「「「……………」」」」」
何で全員黙るんだよ。
「タイガー、俺らが妖怪って分かって言ってるのか?」
「ああ」
「
「本当に、一生の別れになるかもしれねぇんだ。だから…盛大に送らせてくれよ」
……そうか。コイツらは、別れが何より怖いのか。自分達の懐に入れた奴と別れるのが。それは…おれも痛いほど分かる。もし、おれが同じ立場なら…引き止めるだろう。行かないでくれと。だが、コイツらは送り出す覚悟をしている。
『タイガー』
「「「「「リーダー!!」」」」」
「傀儡」
『…また、いつでも来い。今の世は何かと便利になった。こんな物まで作れるのだから。お前の同胞達を連れて来ても良い。その時は、盛大に出迎えてやろう』
そう言って傀儡がおれにくれたのは、
『我らのように妖怪ならば同じ国にいれば妖気で分かる。だから必要など無かったのだが……我ら百鬼夜行はお前が気に入った。貴様がこれを受け取らんと言うのなら無理矢理にでも持たせるまでだ』
「……プッ」
『?』
「ガッハッハッハッハッ!!」
『な、何が可笑しいのだ?!』
「そんなに脅さんでも貰うぞ。女郎さんと傀儡の飯、アイツらにも食わせたいからな。また会うまでにおれもビブルカード作っておく」
『…………
「おう!」ニッ
「「「「「オ、オォォォォォォォォォォォォォォ!!!」」」」」
『……宝船よ!シャボンディ諸島まで急げ!同胞達よ!!宴の用意をしろ!!』
「「「「「はい!!リーダー!!!」」」」」
「???」
別に急がなくても良いんだが…何であんなに慌ててんだ?
「だっはははははははは!!タイガー、お前最高だぜ!!傀儡のあんな喜んでる顔!!400年振りに見た!!先代達も喜ぶだろうよ!あー!!酒が美味え!!!」
「鴆、もう飲んでるのか?!」
「あったりまえだろ!!こんな面白いもん見て、酒を飲まないなんて馬鹿のする事だ!!おい!ジジイども!!飲み比べやっぞ!!」
「すでに酔っとる貴様とやってもつまらんわい」
「他をあたれ糞餓鬼」
傀儡が喜んでるって言ってもなぁ……。普段と変わらないように見えるんだが?やっぱり、同じ種族だからこそ分かるのか?うーん……分からん。
『ホォ……コーティングするとこのようになるのか』
「「「「「オォ…!面白い!!」」」」」
「おい、代金はどれくらいかかる?」
「ざっとこれくらいです」
「…………これでどうだ?釣りは要らねえ」
「毎度あり!!」
『では、向かうぞ!魚人島へ!!』
「「「「「はい!我らがリーダー!!傀儡様!!!」」」」」
『さて、次は何をしようか?』