『まさか本当に登るとは……』
「にしても、良かったのか?仲間を置いて来て…」
『置いて来たのでは無い。我の帰りを待たせているのだ。お前と共に帰るのを待っておるのだ』
「………」
『
「………ヤバくなったら逃げろよ」
『言われんでも分かっとる』
__さあ、もうすぐ到着か。欲深い人間よ、我の糧となるが良い。
【とある仏の話…】
マリージョアが襲われた。襲撃したのはフィッシャー・タイガーと昔おれが捕えられなかった、天竜人を殺害した女。フィッシャー・タイガーは奴隷を解放しており、女の姿が見当たらないと天竜人達は言う。
『見当たらないのではなく、見えぬのだ。人間よ』ザシュッ!
「ギャァァァァァァァァァ!!」
「なっ…!?いつの間に?!!」
『ずっと貴様らが守っておる下衆どもの背後にいたが?タイガーと約束したからなぁ。解放が終了すれば我は帰る。それまでは大人しくしてほしいのだが……』
女がおれの方を見る。
『この世界も落ちたものだな……。こんな虎の威を借る狐に従うなんぞ。正義を正しく執行しておるのは貴様らとタイガー、どちらであろうな?』
「ッ……!せ、正義は我ら海軍にある!!大人しく降伏しろ!!大罪人よ!!!」
『知っておるか?正義というのは勝者だ。それが世の理だ。タイガーを捕らえられず、逃亡を許してしまえば、タイガーが正義となる。そして、邪魔をした貴様らが悪となるのだ!ああ!実に愉快!!』
「貴様…っ!!」
『我が名は
そう叫ぶと女…傀儡は襲ってきた。銃で急所を撃ったとしても、剣で斬ったとしても、おれが能力を使って殴ったとしても……
『我の力を忘れたか、小僧よ?』
「!覚えていたのか…!!」
『そう簡単に忘れぬ。そこまでボケてはおらぬ。さて、我が殺したいのは貴様らが守っておる下衆どもだ』
「これ以上は殺させんぞ!!」
『ならば痛みを渡そう、そのまま呪い殺そう、欲深い人間全て!!我が呪ってやろう!!簡単に死ねると思うでないわ!!我から逃れられると思うでない!!我は貴様らの様な欲深い人間を許さぬ!!我を神の座から引き摺り落とした人間を!!我を生み出した欲深い人間を!!
憎悪溢れる発言をする女…その発言の後、まだ生きている天竜人の手首に
『苦しめ!!我らを畏れよ!怖れよ!!その痣は、決して消えることは無い!!貴様らの様な欲深い人間が生まれる限り、その痣は消えぬ!!ふふ…ふははははははははははははは!!!』
女はそう言って消えていった…。どうやらフィッシャー・タイガーが奴隷を全て解放し終わったようだ。もし、もしまだ終わってなかったら……おれ達は生きていられたのだろうか?あの女は10年前より恐ろしかった。天竜人よりも恐ろしく感じた。恐ろしいと、そう思った時点で、おれ達は負けていた。
「化け物め……!!」
『ふぅ…』
「また吸ってんのか。吸う前に治療しろ重傷患者」
『お前に言われたく無いぞ。危うく焼き魚になりそうだったらしいではないか』
「それより治療しろ。お前の仲間に怒られるの誰だと思ってるんだ」
『我だろ?もしお前も叱られるのならば我が責を背負おう』
「…………」
『?』
「そういうところだぞ…お前………」
『赤い顔をさらに赤くしてどうしたのだ?タイガー』
「何でもねぇ!!」
『????』
『さて、次は何処を襲おうか?』