海賊世界で百鬼夜行   作:風人雷震

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9割会話です。




百鬼夜行、とある過去の話…

 

 

 

『初代様!またお話をお聞かせください!』

「お前は本当に我の話が好きだなぁ…」

『はい!初代様のお話は勉強になります!()も初代様のような百鬼夜行の(かしら)となりたいのです!!』

「ハッハッハッ!そうか、そうか。………しかし、今のお前では厳しいやもしれん」

『私が、人形神(ひんながみ)だからですか?』

「いや、お前はもう人形神ではない。呪術の要とされ、我ら妖怪へと堕ちたのだからな」

『では、なぜですか?』

「お前は幼すぎるのだ。だからこそ、学びなさい。我ら百鬼夜行の頭達から…それを自らのモノにしなさい」

『はい!』

「我はお前に知恵を与えよう。分からぬことは我に聞きき、自分で調べなさい」

 

 

我らの宝…

 

 

「また初代が甘やかしてるぜ」

「孫みたいに思ってるからじゃないかしら?」

「俺らにはあんな風じゃなかったのにな」

「言うんじゃねぇよ……」

「酒呑童子が一番辛かっただろう。なんせ二代目だからな」

「やめろぉ…!!」

「兵士の数と妖術でのし上がったからなぁ。お前」

「あの量を全部覚えられるわけないだろ?!一割だけでもどれだけの量があると思ってんだ!!」

「「「「「分かる」」」」」

 

 

我らの希望…

 

 

『初代様、二代目様達は何を話しておられるのですか?』

「自分達の過去の出来事を思い出しているのだ。(つら)く、厳しい過去があった故に今の自分達がいるのだと実感しておるのだよ」

『初代様もですか?』

「嗚呼。だから我は知識を蓄えておるのだ。毒も、酒もあらゆるモノを知らねばならんと実感したからな」

『………』

「なぁ、初代。そろそろソイツに名前付けた方がいいぜ?いくら妖怪(こっち)側に堕ちたとしても、名前が無いとまた戻っちまう」

「それもそうなのだが……」

『名前ですか?私は人形神ですよ?』

「それじゃダメなんだよ」

「その名では百鬼夜行の頭にはなれませんからね」

『そ、そんな?!!』

「だから!!お前の新しい名前が必要なんだよ!!」

 

 

人間と我ら妖怪の楔を消すことができる新しき者…

 

 

「女の子なんだから帆奈(ひんな)でしょ!?」

「いいや!陽奈(ひな)だ!」

「式神から堕ちたのだから神無(かんな)であろう」

「………初代様に決めてもらった方が良いのではないか?」

「ちょっと黙れやジジイ」

「お前の方がジジイだろ!?酒呑童子!!」

「見た目だと大天狗の方がジジイですからね」

飛縁魔(ひのえんま)ァァ!!!」

「オホホホホホホ」

 

『初代様、初代様の尻尾で二代目様達が見えませぬ』

「アレは見なくて良いモノだ」

『そうなのですか?』

「そうだ」

「「「「「初代!!!」」」」」

「おっと、聞こえてたようだ」

 

 

だから、だからどうか……

 

 

「そうだ。名は傀儡(かいる)としよう」

『かいる…?どのように書くのですか?』

傀儡(くぐつ)と書いて傀儡(かいる)だ」

「「「「「おお…」」」」」

「人形神だし、いいかもな!」

「かいる……かえるとも言いますし、良いですね」

「それって蛙じゃ……」

何か言いました?

「ナンデモナイデス」

 

 

どうか………

 

 

『ぁ…………』

「逃げなさい!傀儡!!」

『飛縁魔様…!』

「早くしろ!!」

『酒呑童子様!』

「こっちだ!こっちに来い!!」

『大天狗様!!』

「早く行け」

『夜叉様!!』

 

 

どうか我らを

 

 

「傀儡、大天狗と共に逃げなさい」

『初代様…!』

「傀儡、我らの思いを忘れるで無いぞ」

「貴女ならきっと、百鬼夜行の頭となれる」

「俺らの修行について来れたからな!」

「大天狗、死なすなよ?」

「分かっている、我らの希望を死なすわけにはいかん」

 

 

許しておくれ…

 

 

『いやぁぁぁぁぁぁァァァァ!!!』

「すまん、傀儡…!!」

 

「…………行ったわね」

「初代、この戦で俺ら死にますね」

「ああ…。傀儡には寂しい思いをさせるだろう。だが、我らが消えねば時代は変わらん。大天狗は寿命で死ぬまでは傀儡を支えてくれるだろう」

「アイツが百鬼夜行の頭となる時、儂らは見れないことは悲しいがな」

 

 

神との対決。我ら妖怪では勝つ事はできない。だが、逃がす事はできる。我らの希望を、宝を守る為に…今まで培ってきた力を使い、逃げ切れる時間を稼ぐ。

 

 

「「「「傀儡」」」」

 

 

人間を恨まないでいてくれ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「傀儡!傀儡!!」

(ぜん)さん!リーダーの呼吸が浅くなっています!!」

「おい!誰か四代目に連絡しろ!!」

「それができたらとっくにしてるわよ!四代目が電伝虫持ってるわけないでしょ?!」

「そうだったな!!」

「一反もめんや煙羅煙羅(えんらえんら)達がワノ国に急いで向かってる!!」

「クソッ…!!早く来てくれ、四代目…!!!!!」

 

 

 

 

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