海賊世界で百鬼夜行   作:風人雷震

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百鬼夜行、休養その3

 

 

 

『で?そいつが我らの女郎に惚れたと言っていた奴か?』

「おう。マクロだ」

「……………」

『全く喋らんぞ?大丈夫か?』

「お前……いつもはペラペラ喋ってるのに今更緊張してんのか?!!」

「う、うるせぇ……!あんな綺麗なヒトは初めてなんだよ…!!」カァ…!

傀儡(かいる)ー。面白いもん見れるって聞いたが、一体何が………」

 

 

__(ぜん)は顔を赤くしてるマクロを見て、マクロの視線の先にいる女郎を見る。

 

 

「なるほどなぁ〜?そこのお前、女郎蜘蛛にほの字なのか。かぁ〜!アイツ、タイプじゃねぇ男には冷えぞ。何より、お前よりも十数倍も歳上のババ…」

鴆殿?何かおっしゃいましたか?

「い、イエ、ナニモ……」

『女郎、我が料理を運ぶ故、お前は座っていろ』

「しかし…頭領様はお客人とお話し中では?」

『もう終わった。お前とも話したいようだし、な?』

「なら、おれも手伝うぜ」

「あ、アーロン?!」

「お前1人で話さねぇと意味ねぇだろ?すぐ戻ってくるから聞けることは聞いとけ」コソッ

「裏切り者ぉ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【とある女郎の話…】

 

 

また頭領様に配膳をさせてしまう……もしや、(わたくし)の配膳が不出来だったのでしょうか?!ああ、お許しください頭領様……。

 

 

「あ、あの………」

「はい、なんでしょうか?えっと……マクロ殿」

「お、覚えて……!」

「ええ。タイガー殿の同胞ですので…覚えておいて損は無いと思い、他の方達も覚えておりますよ」

「そ、そうか……」

 

 

あまり喰い甲斐の無さそうな殿方ですね。私の料理をたくさん食べ、丸々と肥えた喰い甲斐のある殿方が好きなのですが……まぁ、適当にやり過ごしましょう。頭領様が来るまでは。

 

 

「す、好きな食い(もん)は…?」

「食べ応えのあるモノが好みです。丸々と肥えた肉など特に…」

「肉……」

「はい」

「嫌いな物は?」

「骨です。食べれないので。それに、取るのが手間なんですもの」

「骨…」

 

 

頭領様や好きな殿方の骨なら喜んで食べますが。………頭領様はそろそろ味見してみたいですね。血を一滴程。大量に飲んでしまうと頭領様に殺されますもの。

 

 

「傀儡…さんとは、どんなふうに出会ったんだ?」

「……まだ、人間どもが私達妖怪を畏れていた頃に、私と頭領様は出会いました。私は人間を肥えさせ、喰らっておりました。私は己の力を過信しており、どんな相手でも勝てると思っておりました。ですが、そんな私を叩きのめしたのが頭領様です」

『懐かしい話をしておるな』

「頭領様?!い、いつの間に…?」

『さっきだ。懐かしい話が聞こえてきたのでな』

「そうなのですか。いやはや、お恥ずかしい」

『恥ずかしがることはなかろう。ほれ、女郎の料理だ。たんと食え』

「お、おう!」

「……?頭領様とアーロン殿の分まであったはずなのですが?」

『我とアーロンは別の場所で食う』

「え?!な、ならば私もご一緒に……」

『お前はマクロと一緒に食え。マクロはお前とずっと話したかったそうだ』

「……頭領様がそうらおっしゃるなら」

 

 

頭領様はすぐに去って行った。頭領様と過ごせないのも、このマクロとかいう男のせい。肥えさせて喰ってしまおうかしら?そんな事を思いながらマクロ殿を見る。

 

 

「美味え!!」

「………」ポカン

 

 

こいつ……警戒心が無い?!!

 

 

「スッゲェ美味え!!」

「そ、そうですか。それは良かったです」

 

 

調子狂うわね…。さっさと帰ってもらわないと。

 

 

「あの…」

「ん?」モグモグ

「さっきのお話なのですが……」

「ああ、アンタが昔人間を喰ってたって話か?」

「ええ。どう思いましたか?」

 

 

これで恐ろしいと、流石化け物だと言えば、私はコイツを追い出す権利を得られる。酷いことを言われたと頭領様に泣きつけば、コイツを殺してくれる。さぁ、言え!!

 

 

「別になんにも」

「え?」

「おれも魚人や人魚を攫って人間屋(ヒューマンショップ)に売りつけたりしてたからな」

「………そう、ですか」

 

 

同胞を売る…それは最低な事。なのに、何故?何故なのかしら?

 

 

「ッ………!」カァ…!

 

 

何故、ドキドキとしてしまうのかしら?

 

 

「アンタもおれの話聞いてどう思った?」

「……最低な殿方と思いました」

「まぁ、そうだろ…」

「ですが…」

「?」

「私を、頭領様と同じように見てくれた…。ただの女郎(おんな)として見てくれた…。それは、とても嬉しいのです…!」

「………なぁ、アンタの名前。教えてくれねぇか?」

「……女郎蜘蛛。どうぞ、女郎とお呼びください」

「おれはマクロだ。飯、美味かったぜ!女郎ちゃん」

 

 

女郎ちゃん………頭領様にも呼ばれたことの無い呼び方…。マクロ殿…もっと、もっと私の料理を食べてもらわねば!!

 

 

「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜♡」

(流石にちゃん付けはまずかったか…?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『うまくいってるようだな』

「アレでか?!」

「かぁ〜!女郎蜘蛛のツボをつくとは大したもんだな〜アイツ。縁結びの(まじな)いでもかけるか?」

『縁結びではなく縁切りならかけれるぞ。全員』

「まず、縁結びの神が居ねぇかぎり無理だったな。すまん」

「縁結びの神ってのが居ればアイツらは恋人になんのか?」

アーロン(おまえ)から恋人って単語が出てくるとは思わなかったわ。ウケる」

「ア"ァ?!」

『お前ら、少しは落ち着かんか!馬鹿者ども!!!』

 

 

『さて、次は何処を襲おうか?』

 

 

 

 

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