『で?そいつが我らの女郎に惚れたと言っていた奴か?』
「おう。マクロだ」
「……………」
『全く喋らんぞ?大丈夫か?』
「お前……いつもはペラペラ喋ってるのに今更緊張してんのか?!!」
「う、うるせぇ……!あんな綺麗なヒトは初めてなんだよ…!!」カァ…!
「
__
「なるほどなぁ〜?そこのお前、女郎蜘蛛にほの字なのか。かぁ〜!アイツ、タイプじゃねぇ男には冷えぞ。何より、お前よりも十数倍も歳上のババ…」
「鴆殿?何かおっしゃいましたか?」
「い、イエ、ナニモ……」
『女郎、我が料理を運ぶ故、お前は座っていろ』
「しかし…頭領様はお客人とお話し中では?」
『もう終わった。お前とも話したいようだし、な?』
「なら、おれも手伝うぜ」
「あ、アーロン?!」
「お前1人で話さねぇと意味ねぇだろ?すぐ戻ってくるから聞けることは聞いとけ」コソッ
「裏切り者ぉ!!」
【とある女郎の話…】
また頭領様に配膳をさせてしまう……もしや、
「あ、あの………」
「はい、なんでしょうか?えっと……マクロ殿」
「お、覚えて……!」
「ええ。タイガー殿の同胞ですので…覚えておいて損は無いと思い、他の方達も覚えておりますよ」
「そ、そうか……」
あまり喰い甲斐の無さそうな殿方ですね。私の料理をたくさん食べ、丸々と肥えた喰い甲斐のある殿方が好きなのですが……まぁ、適当にやり過ごしましょう。頭領様が来るまでは。
「す、好きな食い
「食べ応えのあるモノが好みです。丸々と肥えた肉など特に…」
「肉……」
「はい」
「嫌いな物は?」
「骨です。食べれないので。それに、取るのが手間なんですもの」
「骨…」
頭領様や好きな殿方の骨なら喜んで食べますが。………頭領様はそろそろ味見してみたいですね。血を一滴程。大量に飲んでしまうと頭領様に殺されますもの。
「傀儡…さんとは、どんなふうに出会ったんだ?」
「……まだ、人間どもが私達妖怪を畏れていた頃に、私と頭領様は出会いました。私は人間を肥えさせ、喰らっておりました。私は己の力を過信しており、どんな相手でも勝てると思っておりました。ですが、そんな私を叩きのめしたのが頭領様です」
『懐かしい話をしておるな』
「頭領様?!い、いつの間に…?」
『さっきだ。懐かしい話が聞こえてきたのでな』
「そうなのですか。いやはや、お恥ずかしい」
『恥ずかしがることはなかろう。ほれ、女郎の料理だ。たんと食え』
「お、おう!」
「……?頭領様とアーロン殿の分まであったはずなのですが?」
『我とアーロンは別の場所で食う』
「え?!な、ならば私もご一緒に……」
『お前はマクロと一緒に食え。マクロはお前とずっと話したかったそうだ』
「……頭領様がそうらおっしゃるなら」
頭領様はすぐに去って行った。頭領様と過ごせないのも、このマクロとかいう男のせい。肥えさせて喰ってしまおうかしら?そんな事を思いながらマクロ殿を見る。
「美味え!!」
「………」ポカン
こいつ……警戒心が無い?!!
「スッゲェ美味え!!」
「そ、そうですか。それは良かったです」
調子狂うわね…。さっさと帰ってもらわないと。
「あの…」
「ん?」モグモグ
「さっきのお話なのですが……」
「ああ、アンタが昔人間を喰ってたって話か?」
「ええ。どう思いましたか?」
これで恐ろしいと、流石化け物だと言えば、私はコイツを追い出す権利を得られる。酷いことを言われたと頭領様に泣きつけば、コイツを殺してくれる。さぁ、言え!!
「別になんにも」
「え?」
「おれも魚人や人魚を攫って
「………そう、ですか」
同胞を売る…それは最低な事。なのに、何故?何故なのかしら?
「ッ………!」カァ…!
何故、ドキドキとしてしまうのかしら?
「アンタもおれの話聞いてどう思った?」
「……最低な殿方と思いました」
「まぁ、そうだろ…」
「ですが…」
「?」
「私を、頭領様と同じように見てくれた…。ただの
「………なぁ、アンタの名前。教えてくれねぇか?」
「……女郎蜘蛛。どうぞ、女郎とお呼びください」
「おれはマクロだ。飯、美味かったぜ!女郎ちゃん」
女郎ちゃん………頭領様にも呼ばれたことの無い呼び方…。マクロ殿…もっと、もっと私の料理を食べてもらわねば!!
「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜♡」
(流石にちゃん付けはまずかったか…?)
『うまくいってるようだな』
「アレでか?!」
「かぁ〜!女郎蜘蛛のツボをつくとは大したもんだな〜アイツ。縁結びの
『縁結びではなく縁切りならかけれるぞ。全員』
「まず、縁結びの神が居ねぇかぎり無理だったな。すまん」
「縁結びの神ってのが居ればアイツらは恋人になんのか?」
「
「ア"ァ?!」
『お前ら、少しは落ち着かんか!馬鹿者ども!!!』
『さて、次は何処を襲おうか?』