そして遅れた割に内容薄いですごめんなさい。
その日の午後になり、私達は車でとある小学校へやって来ていた。
「ここは?」
乙骨君が尋ねる。
「ただの小学校だよ。ただの校内で児童が失踪する、小学校」
五条さんが答える。きちんと教師らしいところが見れそうだ。
「失踪!?」
「場所が場所だからね。恐らく自然発生した呪いによるものだろう」
「子供が呪いに拐われたってことですか?」
「そ、今んとこ二人」
「お―――」
「ちょっと待って真希ちゃん!」
説明を始めようとした真希ちゃんを止める。
「なんだよいきなり」
「たまには五条さんの先生らしいとこ見たいから。全部五条さんに説明してもらおうと思って」
「はぁ。お前、こんなヤツに先生としての期待なんかすんなよ」
真希ちゃんが呆れてため息をつく。
「はぁ。真希に説明してもらった方が僕も楽だったんだけど……ま、いっか。いいかい、優太。こういう学校とかには呪霊がわきやすい。何でだと思う?」
「え?わ、分かりません」
「呪いは多くの場合、負の感情が積み重なる事で発生する。だから、こういう大勢の思い出になって思い出すたびに負の感情がわきやすい学校や病院なんかは、今回みたいに呪いが発生しやすいんだ」
スラスラと説明する五条さん。簡単な事ではあるが、説明の仕方が上手だ。やっぱり五条さんはやる気さえ出せば何でもできる。
「今回の任務は呪いを祓い、子供を救出、死んでたら回収だ。『闇より出でて闇より黒く その穢れを禊ぎ祓え』」
帳を降ろす五条さん。
「!! 夜になってく…!!」
乙骨君が驚いている。まぁ、今まで呪いすら知らなかったんだからそうなるよね。
「【帳】君達を外から見えなくし、呪いを炙り出す結界だ。内側から簡単に解けるよ。そんじゃ、くれぐれも、死なないように」
帳が完全に降りた。
◇◆◇◆◇
「五条さん」
「ん? なに?」
「もっと他に言い方やタイミングなかったんですか?」
「そんなの考えるのメンドイ」
「ハァ」
五条さんの良くない所はこういう所だ。あの言い方じゃあ優太君の不安を煽るだけだというのに。
「それにしても、今回の目的って……」
「ああ。特級過呪怨霊祈本里香、ソレを一度、完全に顕現させる」
「……上がうるさいですよ」
「一度くらいならあいつらも何もしないさ。僕と愛里沙は敵に回したく無いだろうしね」
「まぁそうでしょうけど」
上が私達にあまり強く出られないのは事実だ。かと言ってやりたい放題やってしまうと、流石に不味い。
「加減を考えてくださいね?」
「当然。――っと、そろそろかな?」
その瞬間、帳の中からとんでもない呪力と圧力を感じた。
「!! ―分かってはいましたけど、凄まじいですね…!」
「ああ。呪力量だけなら愛里沙と同等以上。これが特級過呪怨霊、祈本里香の全容か。ククク…女は怖いねぇ」
「私はどうなんですか?」
「愛里沙はバカだから怖くない――」
『パシッ』
「……イヤ、そんなことで無限抜けてくんなよ。領域展延だっけ? やっぱ愛里沙も怖えわ」
「チッ、不意打ちなのに受け止めますか。次デリカシーの無いこと言ったらそのお綺麗な顔に一発入れますからね?」
「ハイハイ――」
その時、帳が上がる。
「おかえり。頑張ったね」
3人を抱えて歩いてきたのか、倒れ込む優太君にそう言って微笑む五条さんは、優しい先生の表情だった。
◇◆◇◆◇
「問題ないってさ。真希も、子供も」
「良かったね、優太君。」
病院の廊下で私と五条さんが待っていた優太君に3人の無事を告げる。
「よかった…」
「何かスッキリしない顔だね」
「……初めて、自分から里香ちゃんを呼びました」
「そっか。一歩前進だね」
「少し、思い出したんです。里香ちゃんが僕に呪いをかけたんじゃなくて、僕が里香ちゃんに呪いをかけたのかもしれません」
「……これは持論だけどね」
五条さんが言う。
「愛ほど歪んだ呪いはないよ」
「とか言って、愛知らないでしょ? 五条さん」
私がすかさずツッコむ。
「ハハハ。そう言う愛里沙はどうなんだい?」
「ゥ。わ、私はまだまだこれからですから」
思わぬカウンターを食らった。反射でツッコみなんてするべきじゃないね。
「先生」
優太君が口を開く。
「僕は呪術高専で、里香ちゃんの呪いを解きます!」
ずっと受動的だった少年は、初めて目標を定め、歩き出した。
愛里沙って元は男なんですよね?心がもう女の子になっちゃったよ。
なお、まだ恋は知らぬ模様。