クラス代表を決する試合が決まってから約5日が経ち、決定戦当日となった訳だが、結局の所 一夏の専用機 及び 戦闘スタイルは全く分からずしまいだった
そんな訳で週末の土曜の昼下がり、教官が無理矢理獲得したアリーナな使用時間を用いて決定戦が開始されようとしている
そんな訳で私はISスーツを纏い割り振られたピットで支度をしている
「今日は運が良かったな、まさか2戦目になるとは」
アウトドアリクライニングチェアを組み立て腰を据え試合開始を待つ
「やはりクレアのオススメは良い品ばかりだな」
肘置きに肘を置き頬杖をついて偉そうな体勢で空間投影されたディスプレイを見ながら呟く
待機時間に体力の消耗を最小限にする為に、こう言うツールは必要不可欠、とクレアに言われて試しに使ってみたが、なかなかに良い
「さて、間もなくか」
今日の運勢が良かった私はセシリアと一夏の試合を見る事ができる、謎の塊である一夏の戦闘スタイルを知る事で戦略を練る暇が僅かだが得られる訳だ
「まぁ本当に僅かだがな」
そう独り呟き苦笑して左眼を覆う眼帯を撫でる
「出来るならば使用しない方が後に響かないが・・・そうも言っていられないだろうな」
この左眼には過去の事故で低下した視力を補う為に
望んで手に入れた左眼だが、その見え過ぎる左眼を持て余し眼帯で視界を制限して漸く日常生活を送れるぐらいになった訳だ
教官による教導と鍛錬により、左眼を切り札として使用出来る様になった、まぁ制限時間付きだが
その時間は120秒、それが今 私が安全に左眼を使用出来る時間だ
この安全に使用出来る時間、と言うのは継続して ある程度しっかり思考を維持して試合が出来る事を意味している
故に切り札、奥の手だ
使えば相応に疲労し、時間超過や多用すると脳が過労状態になって頭痛や熱を起こす。それはそれはシンドイ状態に陥る
だが、使用すれば普段見えていても反応出来ない物も捉えて反応する事が出来る様になる
IS競技のレギュレーション的に大丈夫か少々心配になるが、まぁ今の所は問題にはなっていないから大丈夫なのだろう、多分
「・・・始まったか」
場内に鳴り響く試合開始のブザーを聞き物思いに耽るのをやめて試合中継へ意識を向ける
そこには事前情報通りのHiνガンダム を身に纏うセシリアと、
「・・・流石に正気を疑わざる得ない」
一夏の纏うISは近接格闘戦特化のMS シュツルム・ガルスだ
私感だが、近付いて腹パン、そんな脳筋を顕現した様な機体だと私は思っている
「・・・まさか、アレに零落白夜が? いや、まさかな? 」
原作の白式よりもピーキーな玄人機体であるシュツルム・ガルスに零落白夜が搭載されている可能性に戦慄する
私は、まさか と思いつつも、搭載されている可能性を捨てきれずにいる。何せ一夏のバックには稀代の変人たる篠ノ之 束がいるのだ、原作より仲良しの大天災が、だ
このシュツルム・ガルスの提供者も十中八九、大天災の篠ノ之 束だろう
ならば、零落白夜が搭載されていてもおかしくないし、なんなら原作のシュツルム・ガルスより高性能の可能性だってある
いや、まぁそれを差し引いても相当 操縦難のある癖が強い機体である事には変わらないのだがな
少なくとも、私は乗りたいとは思わない
「・・・お手並み拝見、だな」
ひとまずは一夏の手札を確認する他ないので、しっかりと見定める為に試合中継に集中する事にする
セシリア、私の為に犠牲になってくれ。赦しは請わない恨めよ
お待たせしました
特に準備期間が思いつかなかったので、開始しましたw