栗田とハロの頑張りにより私が想定していた時間より大分早く整備が終わり、私は再びレーゲンを身に纏いカタパルトに乗る
「頑張れよ」
「あぁ、全力でやるさ」
栗田に返事をして軽く前傾姿勢を取るとカタパルトによりアリーナ内に吐き出され数秒慣性飛行をしてから速度を調整し待機位置に停止する
「お待たせ」
「いや、丁度いいぐらいだ」
十数秒で一夏も待機位置に現れたので、そう答えて初手を考える
先の試合を見る限りは一夏のメインスタイルはスパイクシールドによるインファイト、絶大な威力を出すレバーアクションライフルは、あくまでもサブの武装だろう・・・と言いたい所だが、零落白夜の発動媒体がソレのみ、とは楽観視が過ぎるだろう
なので、スパイクシールドでも零落白夜を発動出来る前提で行動する。ならば初手は距離を取り射撃で様子見し、基本は付かず離れず一撃離脱を主軸でいこう
「・・・今日こそ、お前に黒星をつけてやろう」
「ふふ、楽しみにしてるよ?ラウラ」
なんとも余裕そうな一夏の声色に警戒を強め集中する、大丈夫だ。私は強い、そう強い筈なんだ
目の前の美少女の皮を被った超人や
目の前の天然産超人に勝たねば人類最強のIS搭乗者にはなれない
そしてカウンターがゼロになり、試合開始のブザーが鳴る
私は作戦通りに両手を一夏に向けてビームバルカンを掃射し、一夏から距離を取るが、やはりスパイクシールドのおかげで大したダメージを与えられていない
2枚連ねると、ほぼ上半身をカバー出来るのは利点だな。まぁ私のスタイルには合わないが
ひとまず距離を取る事に成功したので、オーバーヒート対策で片手ずつの射撃に切り替えつつ、合間でニーズヘッグを撃つ
「相変わらず目が良いな、一夏」
「そう? ありがとう」
ビームバルカンの性質上、集弾率はアサルトライフルに比べて良くは無い、それでも それなりの筈なのだが一夏は的確にステップで躱しスパイクシールドで受け、ニーズヘッグを必要最小限で躱わす
正直、一般人類には出来ない避け方だ。無論私には無理だ、うん
ほんとにコイツは常識の外側にいるな、普段はお淑やかな大天使なのに戦闘事になると最早悪魔と言いたくなる
「ん〜・・・このままだとジリ貧だなぁ」
「よく言う、まだ声が余裕そうだぞ」
「まだまだシールドエネルギーあるからね」
一夏の言葉に嫌な予感を感じ、警戒を強めると左右のビームバルカンを入れ替える刹那の隙に左手のスパイクシールドを私へ投擲し一瞬一夏から意識が離れた隙に距離を詰め、
まずい、一夏はISの特性を理解している、衝撃を消しきれない と言う特性を
私は飛びかけた意識を歯を食いしばり繋ぎ止め、一夏からは私の身体で死角になっている右側からニーズヘッグのビームランスを展開し薙ぎ払う
「おっとっと、なるほど、なんか尻尾みたいと思ってたけど、本当に尻尾だったんだね」
「・・・まぁな」
シールドエネルギー的に消費した量はほぼ同量、しかし私は良いのを貰ってしまったので未だ視界がチカチカしていて少々私が不利だろう
心なしか足にもチカラが入れづらい気もするし、かなり良いのを貰ってしまったな、困った
ひとまずは回復する時間を稼がねば・・・いや、ダメだ、一夏に そんな愚策を取れない
ならば・・・攻めるしかない、ここからは短期決戦だ
「ふぅ・・・行くぞ一夏、ここからが本番だ」
「うん、良いよ。全力で相手をする」
私の言葉に一夏は答え、スパイクシールドを拾い構える
さぁやるぞ、私 全力全開だ
お待たせしました