血のバレンタインへの報復として、ザフトによる、地球にNジャマーと呼ばれる核制限装置を撃ち落とす『エイプリルフールクライシス』によって地球人類の大量死滅からはや1ヶ月、エゥーゴは5機のガンダムをヘリオポリスコロニーに移し、ティターンズの3機のモビルスーツをグリーンノアへと移したのであった。
「2箇所で同時にモビルスーツが強奪された!?」
グリーンノア、そしてバスク・オムによって秘密裏に計画が進められていた『GP計画』のガンダムがジオン残党『デラーズ・フリート』によって強奪されたのだ。
「GP計画!? そんなの聞いてないぞ!?」
狼狽えるジャンに、グリュックが答える。
「プラントに核攻撃をしたバスク・オムが開発してたんだってよ、それもティターンズの極一部の上層部にしか知らされてなかったそうだが」
「お前は誰に聞いたんだよ?」
「ナナバからな、なんでも引き入れられたみたいだ、半ば無理やりみたいな形でな。だから逆に情報を提供してもらってるってわけだ」
「そうか……」
「まぁとにかくだ。俺たちは今日、ヘリオポリスに運ばれる5機のGと新型艦の護衛だろ?」
エゥーゴの新型、ジムIIのコクピット内で2人は会話していた。
「わかってるって」
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一方その頃、中立コロニー、ヘリオポリスにてキラが1人くつろいでいると彼の友人、トールとガールフレンドのミリアリアが話しかけてきた。
「おいおい聞いたかキラ? グリーンノアでティターンズとエゥーゴの小競り合いがあったんだってよ」
「え? まぁニュースで見たけど……」
立て続けにそんなニュースもあり、プラントに行った古い友人のことを思い出していたキラ。思い出にふけっているキラはミリアリアの声で現実に戻る。
「キーラ!!」
「!?」
ビクッと椅子から跳ね起きるキラ。
「あ! それよりもさ、教授がまたキラに課題? 頼んでたぜ?」
「えぇ〜!? またぁ〜!?」
そうやって悪態を着いてしまうほど頼まれてきたのだから仕方の無いことである。キャンパスへ行くため、タクシーへと向かった3人。
(あっフレイ……)
キラがそこに着いて初めて目に入ったのは友人と喋っているフレイ・アルスターであった。
「えぇ〜? サイ・アーガイルから手紙もらったの〜?」
「もうっ! そんなんじゃないってば〜!」
「おいキラ、フレイがサイから手紙もらったんだってよ」
「え? い、いやそんなんじゃ……」
「まぁまぁ、頑張りたまえよ、キラ・ヤマトくん」
既にミリアリアという彼女がいるが故の余裕である。そうやってだべっていると後ろで咳払いをする軍人がいた。
「乗らないなら、先にいいか?」
「あっはい……」
「ごめんね」
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エゥーゴの新型艦、アークエンジェルへと向かったナタル・バジルール少尉一行。
「まったく……気楽なものだな。何も知らない学生は」
と、ナタルはため息を着く。
「中立ですからねここは……だから俺は反対だったんだよここにガンダムを移すなんて……」
それに反論するかのようにグリュックが口を開く。
(何も知らない民間人が……また……)
「何か言ったか?」
「い、いえ!」
しばらく経ち、無事アークエンジェルまで辿り着いた一行は、艦長に敬礼をする。
「地球連合軍、ナタル・バジルール少尉であります!」
「同じくグリュックシュバイン准尉であります!」
「アーノルド・ノイマン、曹長であります!」
「そうかそうか、遠路はるばるご苦労であったな、エンデュミオンの鷹、ふらがしょうさもそろそろ到着する頃だから、先に艦内に移ろうか」
「はっ!」
しかし、すぐに5機のガンダムを狙う軍人たちが襲撃を開始する。
「このモビルスーツの起動音……連合でも、ジオンのものでもない! まさかザフトか!」
言った直後、艦全体が爆風に包まれる。そして艦内にもそれは広がる。
「お前ら伏せろ!!!」
「はっ!?」
グリュックはノイマンとナタルを押し倒し、自らを盾とする。
「ふぅ……危なかったが、なんとか生きていたな……」
背中に少々破片は刺さったものの、こんなことは何度も経験しているため冷静にそれを対処するグリュック。
「脈はあるな……よし、ブリッジに運んで……と」
彼自身はモビルスーツデッキに向かうが、そこにあったジムIIは跡形もなく消し飛んでしまっていた。
「クソッたれぇ!!」
なら、と民間人の救助に向かうグリュックだったが、外では開発していたはずの5機の内、3機が既にザフトのものとなってしまっていた。
「ストライクとイージスは!! ……取られてないといいんだが……」
残りの2機があった場所はすでに爆風に包まれていた。そしてそこに立ち上がる白色の巨体。
「ストライク……あれに乗ってるのは……どっちだ……?