「えっ……君も……?」
「そ! キラ君がコーディネーターだっていうから、言ってもいいかなって!」
(へぇ……キラの他にもコーディネーターが……まぁヘリオポリスからの避難民だからそうか……)
避難民ともどもアークエンジェルへと戻ったクルー達。彼らは食糧難に陥り、他の選択肢も見つからなかったためユニウスセブンの残骸から補給することとなった。
「ユニウスセブンから補給……? そんなこと……!」
「誰も『やった! 水が見つかった!』って歓喜してるんじゃないんだ。俺たち生きてる人間、死んじまった人たちの分まで生きる義務がある」
キラの抗議にムウが答える。
「俺もこればっかりは賛成だ。……まぁ、あのバスク・オムのことは許せねぇけどな」
血のバレンタインと呼ばれる事件を強行し、多くのコロニー住人を殺した張本人、グリュックはどうしてもそれを許すことは出来なかった。
「それには私も同感だ。もっと早くにそれを察知できていれば……もしくは」
そう、クワトロは後悔する。
「シャア……いやクワトロ大尉……」
本気で悲しんでいるように見えたからか、グリュックのクワトロへの見方も変わってくる。そして目的地に着いたアークエンジェルは補給作業を開始する。
「元々農業コロニーだったここには、巨大な貯水槽があったんだ。それが宇宙空間の低温にさらされて氷になって、ここにあるってことさ。わかるかキラ?」
「それはわかるんですが……なんでエレノアがここに?」
「なんでって! プチモビが余ってたんだからさ! 勿体ないでしょ?」
キラはストライク、その他志願兵達キラの友人はトロハチに乗って、氷を採取していたのだった。
「ったく、よく思いつくよあの艦長も。ユニウスセブンから物資を補給しようなんてな」
「仕方ないぜカズイ。こっちはザフトと、ティターンズにも追われてる身なんだからさ」
「確かにここで補給してるなんて思いもしないだろうけどさ……」
(あれは……!!)
友人たちが呑気に会話しているさなか、キラはザフトのモビルスーツを発見してしまう。
「強行偵察型複座のジン……!? くそぉ……気づくなよ……?」
ビームライフルの照準をそのジンに向ける。何かを探しているそぶりを見せたが、見つからないと悟ると母艦の方に向き直す。
(はぁ……)
ほっと胸を撫で下ろすキラ。しかし……。
「な、なんで……気づくんだよ!」
不意に出てきたカズイのトロハチ。それを発見してしまうジン。再度ジンのコクピットに照準を合わせるキラのストライク。
「くそ……くそぉぉ!!!」
コクピットにビームが直撃したジンはしばらく宇宙空間を漂い、そして爆散した。
「はぁ……はぁ……」
無抵抗であるはずの『人』を殺した罪悪感と、極度の緊張でパイロットスーツに染み込むほど多量の汗をかくキラ。
「おいあれ……救命ポッド……じゃねぇか?」
「あぁ……そうだよ。おいキラ! キラ!!」
グリュックはキラに通信をかける。
「あ……はいわかりました!!」
気を取り直した彼はストライクでポッドを抱え、アークエンジェルに帰投する。ポッドの中にいたのは……。